ビートルズの『Rubber Soul(ラバーソウル)』の評価と全曲紹介

1965年-1967年(中期)

アルバム『ラバーソウル(Rubber Soul)』の評価ってどうなの?どんな曲がはいってるの?気になりませんか?気になりますよね。

どのアルバムから聞こうかな?

なんて迷っている方は、ぜひ参考にしてください。今回は、ビートルズ(The Beatles)の6作目のオリジナルアルバム『ラバーソウル』の評価と全曲紹介です。

アルバムの評価に触れた後、全曲紹介をしていきます(YouTubeもあります。こちらもどうぞ)。

ビートルズの音楽性が変わった超重要アルバム

『ラバーソウル』は非常に評価の高いアルバムです。

ロックの専門誌『ローリング・ストーン』誌による全時代のベストアルバムの調査では、5位にランクインしています。なのでビートルズのファンが勝手に高評価としているわけではないようです。

何がそんなに評価が高いのか?

『ローリング・ストーン』誌の評価では、ポップな部分を維持しながらも洗練されていて、また実験的であるとのこと。

抽象的でよくわりませんよね。でも、アルバムを聞くとすぐにわかります。

『ラバーソウル』より前のビートルズの作品って、なんだかんだでロックンロールが目立っていたんですけど、この作品からはGirlやIn My Lifeといった洗練された曲が圧倒的に増えてるんです。

洗練って何?

エレガントな旋律・・・的な感じです。要するに上品な曲が増えているんです。そこに加えて、シタール(インドの楽器)を演奏するなどの実験的な試みがなされた作品もあるのです。

というわけで、楽曲が圧倒的に個性的

ビートルズはレコード上で自己表現をし始めたのです。

ここからレコードは「作品」として扱われるようになります。いわゆる芸術です。アートです。『ラバーソウル』はそんなレコード芸術の先駆け的な作品なのです。

評価が高いのは、ポピュラー音楽史的にも必然ですね。

そんな評価の高い『ラバーソウル』。いったいどんな曲が収録されているのでしょうか。次からは全曲紹介です。

いままでのビートルズにはなかった歌詞に注目

アップテンポで疾走感ある曲というよりも、Norwegian Wood (This Bird Has Flown)、Michelle、Girl、In My Lifeといったミドルテンポの名作がたくさん収録されているアルバム。初期のものとは違う、ちょっと落ち着いたサウンドがここにはあります。このサウンドもまたビートルズの一部であることを『ラバーソウル』を聴くことで体感することができます。
Drive My Car

アルバムの冒頭1曲目はごきげんなロックンロールナンバー。レノンマッカートニー作品ですが、実質的にはポールマッカートニーの作品です。

確かにビートルズの作品なのですが、ビートルズっぽさを感じさせない曲。個人的な感想です。そう感じるのは、モータウンサウンドの影響を感じるからでしょうか。

ファンキーな感じがします。

ビートルズのロックンロールナンバーなんだけど、ひときわ個性的な作品です。

Norwegian Wood (This Bird Has Flown)

ジョンレノンによる名作です。邦題は『ノルウェーの森』。村上春樹の『ノルウェーの森』もここからとられています。

ビートルズの邦題は、わけのわからないものが多いのですが、この曲のものはナイス邦題ですね。他と同様わけわからないのを付けられていたら、村上春樹の作品もなかったかもしれません。

なんと言っても歌詞が良い曲です。

意味深です。

主人公はいったい何に火をつけたのでしょうか?

 ノルウェーの森の歌詞の解釈についてはこちらをどうぞ 

You Won't See Me

この曲はポールの作品です。コーラスワークが美しい絶品。やっぱりビートルズの武器はコーラスワークにあることを確信させてくれます。

ポールの当時の恋人ジェーンアッシャーとの関係を歌った曲のようですが、タイトルから察するに関係はあまりよくなかったのかな。

ギクシャクした関係をポップなメロディに乗せて歌っています。ポール様のプロ根性に乾杯です。

Nowhere Man

ジョンレノンの名作。これもコーラスが美しい曲です。ライバルとされていたビーチボーイズを意識してたのでしょうか。

美しいメロディとコーラスだけでなく、歌詞にも注目です。

"屁理屈ばかりをこねて行動しないやつ" への応援歌(?)とでもいいましょうか。メッセージ性の強い作品。凡なる私にとても突き刺さる内容です。

そんなNowhere Manには邦題があります。

"ひとりぼっちのあいつ" 。

ぎりぎりダサい感じがします。どうしてこんな邦題をつけたのでしょうね。うーん、そのままのほうが良かった気がします。

 Nowhere Manの邦題は誤訳?紹介はこちらから

Think For Yourself

ジョージハリスンの作品です。ジョンやポールの曲ほど目立ちませんが、中期のジョージも良い味出しています。アルバム『Help!(ヘルプ!)』あたりからとてもいい曲を書いてくれています。

Think For Yourself は歌詞がとてもジョージっぽい。どこが?と問われると言葉に詰まりますが、独特のユーモアがあってジョージならではの歌詞なんです。

The Word

ほれたはれたの愛ではなく、普遍的な「愛」を歌った曲です。ビートルズがこのような哲学的なテーマを歌ったのは、この曲が初めてじゃないでしょうか。

普遍的な「愛」を歌っている点では、All You Need Is Love(1967年) と同じですね。

ちなみにこの曲の作者は、通説ではジョンレノンとなっています。でも、2018年にハーバード大学で統計学を用いて曲を分析してところポールの作品であると結論づけられた作品ですって。

うーん、でも、たぶんジョンの作品です。

歌詞もジョンっぽいですし、なによりジョンが歌っていますから。ビートルズには作ったほうが歌うという暗黙のルールがあるんです( 一部ルールやぶりの曲もありますが・・・)。

統計学 VS 往年のビートルズファンの勘。

勝ったも同然です。いつでも相手になってやる!

Michelle

美しいメロディの曲ですね。我らがポールマッカートニー様の作品です。一部ジョンも手伝っているそうです。フランス語の歌詞が出てくるのが特徴的。フランス語が出てくるのはこの曲だけです。

曲の完成度は非常に高く、またファンからの人気も高い作品。Yesterdayに並ぶ屈指のバラードと評している書籍も多々あります。

1967年度のグラミー賞最優秀楽曲賞を獲得している点、クオリティの高さを裏付けています。まあ、聞けばすぐにわかりますが。

2002年のポールの来日公演では披露してくれたのですが、最近の来日では演奏してくれていません。生で聞きたい名曲のひとつです。

さて、ここまでが『ラバーソウル』の前半収録曲です。初期に見られた陽気でポップなビートルズは影をひそめ、アーティスティックな感じの曲がずらりとならんでいますね。

Norwegian Wood や Michelle なんてエレガントそのものです。続く後半の収録曲もエレガントな曲ばかりです。あの超有名曲も出てきます。続きをどうぞ。

エレガントなビートルズの名曲を体験できる作品

アップテンポで疾走感ある曲というよりも、Norwegian Wood (This Bird Has Flown)、Michelle、Girl、In My Lifeといったミドルテンポの名作がたくさん収録されているアルバム。初期のものとは違う、ちょっと落ち着いたサウンドがここにはあります。このサウンドもまたビートルズの一部であることを『ラバーソウル』を聴くことで体感することができます。
What Goes on

レノン・マッカートニー・スターキーとクレジットされた世にも珍しい曲です。リンゴスター自身も来日公演時に「我々の惑星で唯一」とおっしゃっていました。非常に希少性の高い曲です。

そうです。リンゴの作曲デビュー曲です。

といっても、原曲はジョンが若かりしころに作っていたようで、その曲にポールの協力を得ながらミドルエイトを書き加えて完成させたようです。

なんなんでしょう。このリンゴへの献身っぷり。ジョンもポールもリンゴのことが好きだったんでしょうね。もちろん、ジョージも。

曲自体はカントリー風の作品。『ラバーソウル』の"エレガントさ"からはちょっと外れてはいますが、リンゴが言うように「我々の惑星で唯一」なので、まあいいのです。

Girl

どうでもいいかもしれませんが、私のお気に入りの作品です。作者はジョンレノン。すごく哀愁のある曲です。ジョンのけだるい感じのボーカルがたまりません。

注目したいのは歌詞。難解で、うまく訳せないのですが、なんとなくわかります。この引用の部分はいったいどう訳せばいいのでしょう。

Was she told when she was young that pain would lead to pleasure
Did she understand it when they said
That a man must break his back to earn his day of leisure
Will she still believe it when he's dead

間違い覚悟で訳すと、

苦しみは喜びにつながるという教えを彼女は理解していたのだろうか。
男は喜びを得るために犠牲を払わなければならない。
彼が死んでも、彼女はまだその教えを信じるだろうか。

キリスト教の教えをヒントにした風刺ソングと書いてある書籍もあります。ジョンは「苦しみは喜びにつながる」という部分を皮肉ったのかもしれません。

喜びにつながる前に命を落としたらもともこもない・・・と。

あれこれ考えさせてくれる曲です。エレガントです。

I'm Looking Through You

Girlとは一転、ちょっと明るめの曲です。作者はポールマッカートニー。これまた恋人のジェーンアッシャーに向けて書かれた曲とのことです。

この曲のサビの部分がなんとも非常にGoodです。

若かりし頃は、ビートルズのこういったちょっと変わったメロディの部分が理解できなかったのですが、年を重ねた今はもうこれしかない!といった具合にメロメロです。

一聴の価値あり。

『ビートルズ アンソロジー2』ではまた違ったバージョンが聞けます。

In My Life

待ってました!In My Lifeです。ビートルズのことをあまり知らない人でもこの曲はどこかで聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

作者は、ジョンレノンと言いたいところですが、ポールの可能性もある曲です。ジョンとポールで見解が分かれていて、ファンの間で議論になる曲です。先ほどのハーバード大学の統計学でもジョンの作品と結論付けられたとか。

作者こそ不明でありますが、確かなことは、この曲は圧倒的にエレガントであること。特に間奏部分のピアノですね。ジョンがプロデューサーのジョージマーチンに「バロッグ風に」と注文をつけたところから生まれたものです。

歌詞も良いんです。

故郷リバプールをノスタルジックに歌っています。この点、Strawberry Fields Forever や Penny Lane と同じですね。興味深い。

 ビートルズはなぜ幼少期を歌ったのか? 

Wait

サビの部分がとてもカッコイイ曲。アップテンポな曲なんだけど、どこかエレガントな曲です。この曲もIn My Lifeと同じく作者が不明です。ジョンかポールか分かっていません。

In My Lifeと違ってオモシロいのは、ジョンはポールが作ったと主張して、ポールはジョンだと言っているところ。お互い押し付けあっているのがオモシロい。

それにしても、作った曲を忘れるってすごくないですか?私の感覚だと、曲を作るってもっとなんかこう重みがある作業のような感覚があるので、忘れることなんかないような気がしますが・・・。

 作者不明のビートルズの楽曲たち 

If I Needed Someone

ジョージハリスンによる楽曲。アルバム『Help!』あたりからジワリと実力をつけたジョージが放った名曲です。名曲だらけの『ラバーソウル』にあっても遜色はありません。

この後、ほどなくしてジョージはインド哲学に傾倒していくのですが、この作品はインドへ旅立つ直前の作品です。インド前、インドど真ん中、インド後とジョージの楽曲を分けるとすると、間違いなくインド前の時代の代表曲です。

Run for Your Life

最後はジョンレノンの作品です。ここまで名曲だらけの『ラバーソウル』の締めくくりの曲としては少々インパクトが弱い感じがします。

ジョン自身もこの曲をあまり好ましく思っていないようで、「テキトーに書いた」的な発言をしています。

ファンとしては、もう少し練った曲を最後の曲にもってきてほしかった。でも、1965年のビートルズは超多忙だったので、仕方がないですね。

以上、アルバム『ラバーソウル』の全曲紹介でした。

長々と文字で紹介してきましたが、このアルバムの"エレガントさ"を知るには手に取って聞くのが一番です。購入して間違いのない作品です。ジャケットもオシャレさんです。

『ラバーソウル』は名作であるがゆえに、ベスト盤『ザ・ビートルズ1962年〜1966年(通称:赤盤)』との重複も多くあります。

ベスト盤でいいじゃん!

と思ってしまいがちですが、『ラバーソウル』じゃなきゃ聞けない名作もたくさんあります。ベストにするか、オリジナルアルバムにするか、購入前によく吟味してみてくださいラバーソウルじゃなきゃ聞けない名曲の紹介はこちら)

ちなみに私ならオリジナルアルバム一択です。

アップテンポで疾走感ある曲というよりも、Norwegian Wood (This Bird Has Flown)、Michelle、Girl、In My Lifeといったミドルテンポの名作がたくさん収録されているアルバム。初期のものとは違う、ちょっと落ち着いたサウンドがここにはあります。このサウンドもまたビートルズの一部であることを『ラバーソウル』を聴くことで体感することができます。

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