リンゴスターは、言わずと知れたビートルズのドラマーです。彼のドラミングは長い間、その技術力や貢献度に関して低く評価されてきました。しかし、近年の研究や音楽評論、そして音楽ファンの間で彼の評価は急上昇しています。
あれ、リンゴってそんな評価だったっけ?
という感じです。なんだか、悔しいけれど「ドラマーとしてはイマイチ」みたいな評価であったと思います。それが今や180度評価が変わっていませんか?
その点、ちょっと考えてみたいと思います。この記事では、リンゴスターのドラミングの真の価値と独創性、彼がビートルズに与えた影響を深く掘り下げていきます。
リンゴスターの評価の変遷
リンゴスターへの評価は、ビートルズの解散以降、しばらくの間停滞していました。多くのファンや評論家は、リンゴのドラムを単なる「サポート」とみなしていて、派手なテクニックを持つ他のドラマーと比較してしまいました。しかし、時代が進むにつれて、彼のドラミングが持つ独自のスタイルと技術が再評価されてきたのです。
過去の評価とその背景
- 技術的な誤解リンゴの演奏スタイルは、フュージョンやヘビーメタルといった高度なテクニックが求められるジャンルとは異なり、シンプルでサポートに徹したものが多いです。このシンプルさが、当時の音楽シーンでは「技術力が低い」と誤解される要因となりました。多くのドラマーは、技巧的なプレイを重視する傾向があり、リンゴのスタイルはそれに反しているため、評価が低くなるのも無理はありませんでした。リンゴの演奏スタイルは、フュージョンやヘビーメタルのような高度なテクニックを要するジャンルとは異なり、シンプルでサポートに徹したものが多いです。技巧的なドラミングに慣れている人々には、彼の演奏が物足りなく感じられた可能性があります。シンプルがゆえに、当時の音楽シーンでは「技術力が低い」と誤解されていたのかもしれません。多くのドラマーは、技巧的なプレイを重視する傾向があり、リンゴのスタイルはそうではないため、評価が低くなるのも無理はありませんでした。でもこれは、ただ単にジャンルの違いでしかないような気がします。リンゴがサポートに徹したのは音楽的選択であり、その選択の結果、リンゴは曲全体を支える重要な役割を果たしていました。
- 目立たないプレイスタイルリンゴは派手なソロや複雑なフィルインを避け、曲そのものを引き立てるスタイルを貫いていました。これにより、彼の技術が他の派手なドラマーと比較されて過小評価されることが多くありました。しかし、その堅実なスタイルこそが、愛される理由だと、私なんかは思うのですが、皆様どうでしょうか?このプレイスタイルだからこそ、ビートルズの音楽を完成させる重要な要素となりえたのではないかな。
- ジョンとポールの影ビートルズのフロントマンであるジョンレノンやポールマッカートニーのカリスマ性が強調されることで、リンゴの貢献が見落とされがちでした。これはジョージハリスンにも当てはまりますね。特にポールの多才さです。マルチプレイヤーの彼はいろんな楽器を演奏することができました。もちろんドラムもできちゃいます。ポールの才能が際立っていたことも、リンゴの技術を相対的に低く評価される要因となった可能性があります。
- 練習不足の印象リンゴ自身が「練習があまり好きではない」と語ったことも、その技術力に疑問を持たれる一因となりました。リンゴって、なんかこういうこと、いいそうじゃないですか。それが誤解を生んだんでしょうね。しかし、実際には、ビートルズの膨大なツアーやレコーディングを通じて培われた感覚的なドラミングが、彼の真の強みであったと考えられます。観客の声で音が聞こえない中、三人のお尻の動きだけでリズムを取っていたという逸話もあるくらいです。センスないわけがないですね。
2番目にドラムが上手いという都市伝説
リンゴはしばしば「ビートルズの中で2番目にドラムが上手い」と評されることがあります。これは、ポールが一部のセッションでドラムを担当したことが理由のようです。このような比較がリンゴの演奏力に対する疑惑を生む要因となりましたが、実際にはレコーディングの状況に応じた役割分担であり、技術の優劣を示すものではないわけです。
リンゴスターが再評価される理由
近年、リンゴのドラミングは過去の低評価をひっくりがえし、再評価されています。その背景には、彼の技術的な貢献や独創性が改めて認識されるようになったことが挙げられます。
1. 独創性の認識
リンゴはロックやポップミュージックにおいて独自のドラミングスタイルを確立しました。たとえば、「A Day In The Life」や「Come Together」などの曲では、シンプルでありながらもユニークなリズムパターンを生み出し、これが後のドラマーたちに大きな影響を与えました。特に、「Come Together」のドラミングは、リンゴの独特なフレーズやリズム感が光る名演です。
2. 技術的な再評価
リンゴのドラミングには、安定したタイムキープ能力やバンドの音楽性に合わせた適切なドラミング、シンプルながら効果的なドラムパターンなど、実際には高度な技術が備わっています。「What Goes On」のような高速シャッフルビートを安定して叩き続ける技術は、簡単に習得できるものではありません。
また、リンゴの特徴として言及されているものは、
- 安定したタイムキープ能力
- バンドの音楽性に合わせた適切なドラミング
- シンプルながら効果的なドラムパターン
といったものがあります。やっぱり、リンゴは多様なスタイルの曲で演奏してきた実力派ドラマーなんです。近年、ドラマーや音楽評論家の間で、リンゴのテクニックが再評価されているのは当然ですね。
3. ロックドラムへの貢献
リンゴはロックドラムの発展に大きく寄与した存在です。彼の演奏は、曲のエネルギーを高め、ビートルズ全体を一体化させる重要な役割を果たしてきました。特に、「All You Need Is Love」のような曲では、リンゴのドラミングがビートルズの音楽にとって不可欠な要素であることが際立っています。
4. 一流ミュージシャンからの評価
多くの著名なドラマーたちがリンゴの技術を高く評価しています。ニルヴァーナのデイヴ・グロールはリンゴを「フィーリングの帝王」と呼び、独特な感性を賞賛しています。また、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミスは、リンゴのドラミングを「マジックタッチ」と表現しており、非常に高く評価しています。
これらは、現代のロック界を代表するドラマーたちが彼のシンプルかつ効果的なドラミングを称賛していることを示しています。リンゴは難しいことサラリとやってのけていたのかもしれませんね。そこをアピールしないのがリンゴっぽい。「練習があまり好きではない」なんてことを言っちゃうから、誤解を生むんでしょうね。
リンゴスターのドラミングスタイルの特徴
リンゴのドラミングスタイルには、いくつかの独自の特徴があります。以下では、彼のスタイルの重要な要素を詳しく説明します。
1. シンプルさの美学
リンゴのドラミングは、そのシンプルさが魅力です。彼は常に曲を引き立てることを優先し、無駄な装飾を排除しました。このアプローチは、ビートルズの音楽にとって不可欠であり、彼のドラミングが曲全体の雰囲気や感情にどれほど貢献しているかを示しています。
2. 感覚的なプレイ
リンゴのドラミングには、感覚的なプレイが光ります。ニルヴァーナのデイヴ・グロールが言っているやつですね。リンゴは、観客の声やバンドメンバーの動きに応じてリズムを取り、即興的な要素を取り入れることができました。このような感覚的なプレイが、彼のドラミングに独特な雰囲気を与えています。
3. リズムのバリエーション
リンゴは、さまざまなリズムパターンを使用し、曲に応じた最適なアプローチを取ることで知られています。彼は、基本的なビートを保ちながらも、曲のエモーションやテーマに合わせたリズムを創出しました。このリズムのバリエーションは、彼の演奏に多様性をもたらしています。
4. ドラムパターンの革新
リンゴは、シンプルながらも印象的なドラムパターンを生み出す才能があります。「Ticket to Ride」や「A Day in the Life」など、彼のドラムパターンは、楽曲全体の構成に深い影響を与えています。「Ticket to Ride」のドラミングの特異性はいろんな方々がよく語っておられます。
私が一番推しているのは「A Day in the Life」でのドラミングです。オーケストラの演奏と絶妙に調和し、曲のクライマックスを強調する重要な役割を果たしています。きくとゾクゾクするドラミングです。後にも先にもドラムを聴いてゾクゾクしたのはこの曲だけです。
ビートルズの楽曲におけるリンゴのドラミング
リンゴスターのドラミングは、ビートルズの楽曲において不可欠な要素です。彼のプレイは、さまざまなスタイルの曲に対して巧みに適応し、バンドのサウンドを形成しました。
1. 初期のロックンロール
ビートルズが初期にリリースした曲の多くは、ロックンロールのスタイルを基にしています。リンゴは、これらの曲でシンプルかつ力強いビートを提供し、バンドのエネルギーを支えました。
たとえば、「Twist and Shout」や「I Saw Her Standing There」なんかでは、彼のドラムが曲の爆発的なエネルギーを引き立てており、その存在感は非常に印象的です。I Wanna Be Your Manのドラムも印象的ですねー。大好きです。
2. サイケデリックな要素
『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』や『Magical Mystery Tour』などのアルバムでは、リンゴのドラミングもサイケデリックです。彼のリズムは、曲の幻想的な雰囲気を醸し出し、聴衆を異次元へと誘う重要な役割を果たしました。
不思議だけれど、I Am The Walrusのドラム、あの単調なドラムにもサイケデリックが宿っています。またRainのドラムもどこか摩訶不思議。この時期の彼の演奏は、音楽の実験的なアプローチを支える基盤となっています。
3. バラードと感情的な表現
リンゴは、ビートルズのバラードにおいても重要な役割を果たしています。ジョージハリスンの名曲「Something」や「Here Comes the Sun」では、彼のドラミングが曲の感情を引き立て、聴衆に深い印象を与えています。特に「Something」の中での彼のシンプルながらも感情豊かなビートは、曲の美しさを際立たせています。
リンゴスターの影響と遺産
リンゴ・スターは、ビートルズのドラマーとしての役割を超え、後の世代のドラマーに計り知れない影響を与えてきました。
ドラムのスタイルへの影響
彼のシンプルでありながら個性的なドラミングスタイルは、数多くの後続ドラマーに大きな影響を及ぼしています。特に、ロックやポップスのジャンルでは、リンゴのリズム感やビート感を取り入れたドラマーが数多く見られます。
ビートルズのライブで培ったハードな演奏はとアプローチは、メロディとリズムのバランスを保ちながら、曲に適したドラミングを行うことの重要性を再認識させるものです。
フィーリングの重要性
リンゴのドラミングの特徴は、卓越した技術だけでなく、曲に対するフィーリングを重視する点にあります。もしかしたら、ここがリンゴの最大の武器なのかもしれませんね。
多くのドラマーが彼のスタイルを模倣しようとする中で、彼は単なるテクニックを超えて、楽曲の感情や雰囲気を巧みに表現することの重要性を示しています。このアプローチによって、音楽はより感情的で心に響くものになり、リスナーとの深い結びつきを生み出します。
要するにハートってことです。
フォロワーの存在
リンゴのスタイルを引き継いだドラマーは、今なお多数存在しています。彼のアプローチを参考にしながら、独自のスタイルを築いているドラマーたちは、リンゴの影響を色濃く受け継いでいます。特に、シンプルなビートの重要性を認識しているドラマーにとって、リンゴは常に大きなインスピレーションの源であり続けているのです。
結論
リンゴスターのドラミングは、長い間過小評価されてきましたが、近年その独創性と技術が再評価されています。彼のシンプルさ、感覚的なプレイ、そしてビートルズにおける重要な役割は、音楽史において欠かせないものであり、彼の影響力は今なお続いています。リンゴのドラミングは、ロックの歴史の中で不朽の名作であり、彼の存在がビートルズにどれほど重要であったかを再確認する必要があります。
彼のドラミングは、ただの技術を超え、音楽の感情やメッセージを伝える重要な要素であり続けるでしょう。今後もリンゴスターのドラミングの魅力は探究され続け、リンゴの功績は更新され続けられるはず。やっぱりリンゴはすごいですね!
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