そろそろ世界文化遺産にしていいんじゃないかと思うビートルズの楽曲。その多くはジョンレノンとポールマッカートニーによって作られています。クレジット表記こそ Lennon/McCartney となっていますが、実際のところ多くの楽曲は別々に作られています。
今回は、そんなビートルズの曲を対象に、ジョンとポールのそれぞれが何曲ずつ作っているのかをアルバムごとに見ていきたいと思います。それではさっそく!
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伝説のデビューアルバム Please Please Me
まずは伝説のデビューアルバムから調査です。1963年にイギリスでリリースされ、なんと30週連続1位を記録したこのモンスターアルバムの作曲者構成は次の通り。
- ジョンレノン 4曲
- ポールマッカートニー 3曲
- ジョージハリスン 0曲
- リンゴスター 0曲
- レノンマッカートニー共作 1曲
- カバー 6曲
ビートルズのリーダージョンが4曲と1曲ではありますが、ポールの作曲数を上回っています。ジョージとリンゴはまだ作曲活動を行っておらずともに0曲。まだ自分たちで作曲すること自体が珍しかったこの時代を反映してかカバーが6曲ほど含まれています。
ジョンが1曲上回っているとは言え、ポールの存在感は抜群。アルバムのオープニングナンバーの I Saw Her Standing There の作曲を手掛けております。このアルバムで特に注目したい曲はジョンレノンによる There's A Placeです。
この曲、歌詞がなんとも哲学的。Help! や Strawberry Fields Forever といった歌詞が評価されている曲よりも前、ジョンレノン御年22歳でこんなややこしいことを考えていたんですね。ということでPlease Please Me でした。
1stアルバムの記録更新を止めた! With The Beatles
伝説の1stアルバムの連続1位記録を破った、これまた伝説の2ndアルバムの調査です。リリースされた1963年末には既にビートルズの人気は爆発中。そんな多忙なビートルズが放ったWith The Beatles の作曲者構成は…
- ジョンレノン 3曲
- ポールマッカートニー 2曲
- ジョージハリスン 1曲
- リンゴスター 0曲
- レノンマッカートニー共作 2曲
- カバー 6曲
と、こんな感じです。ジョンとポールが単独で作曲したものは多くはありませんが、共作が2曲あるのはファンとしては嬉しいところ。Little Child と I Wanna Be Your Man が共作です。ローリングストーンズに提供した曲として有名な I Wanna Be Your Man については、もともとポールのアイデアだったぽい記述もありかなりグレーですが、通説通り共作としてカウントしています。
注目すべきは、ジョージハリスン作の曲が登場しているところ。眠れる獅子が2作目のアルバムにして目を覚ましかけます。ただ、この時点では作曲家としては本格始動していないようで、目覚めたといっても、まだマブタ半開きの状態です。ということで With The Beatles でした。
完全レノンマッカートニーアルバム A Hard Day’s Night
アメリカを征し、その人気は世界規模のものとなったビートルズ。そんな彼らが1964年の7月にリリースしたのがこの作品、A Hard Day’s Night です。このアルバムの作曲者構成はこの通り。
- ジョンレノン 10曲
- ポールマッカートニー 3曲
- ジョージハリスン 0曲
- リンゴスター 0曲
- レノンマッカートニー共作 0曲
- カバー 0曲
驚きのジョンレノン10曲という結果です。ジョンの才能の一側面が爆発したアルバムといってもいいかもしれませんね。ほぼジョンレノンの楽曲です。
ポールの作品が3曲しかないのも注目点ですが、カバー曲の消滅も大きなポイント。完全オリジナル作品だけで構成されたビートルズ初のアルバムです。加えてジョージとリンゴ作曲の楽曲もないので、レノンマッカートニー作品だけで構成された唯一の作品とも言えます。
注目したい曲はたくさんありますが、アルバムのラストナンバー I'll Be Back に注目です。ジョンレノン作のこの曲は、父親のアルフレッドレノンに向けられて書いた曲だとか。
家族をテーマにした作品は Julia や Mother が有名ですが、それよりも先に父親への曲を書いていたんですね。そう思い歌詞を見てみると、今までとは違った印象になりますね。
超多忙な時期に制作 Beatles For Sale
前作のわずか5か月後にリリースされた4作目のオリジナルアルバムです。このころのビートルズは人気が拡大しすぎて、超多忙。そのためか、カバー曲が復活しています。そこらへんを踏まえて、作曲数構成はこちら。
- ジョンレノン 3曲
- ポールマッカートニー 3曲
- ジョージハリスン 0曲
- リンゴスター 0曲
- レノンマッカートニー共作 2曲
- カバー 6曲
さすがのジョンも作曲数は大幅減という結果。ジョンとポールの共作が2曲も入っているのは嬉しいですねー。Baby's in Black と Eight Days a Week がそれです。ただ、Eight Days a Week はポールのアイデアがベースにあったとも言われています。
聞きどころは、ジョンの作品の歌詞の変化。1曲目の No Reply は今までの曲よりもぐっと物語的になっていたり、I'm A Loser では内省的な歌詞になっていたりします。ボブディランの影響でしょうか。そのあたりも耳に入れつつ、名作カバーを楽しむこともできる素敵なアルバムです。
人気MAXの中で叫んだ Help!
有名な表題曲 Help!とYesterday を含む5作目のアルバムです。ビートルズ人気が過熱しすぎてMAXになっていたこのころ。さて、作曲数の構成はどうなんでしょう。
- ジョンレノン 5曲
- ポールマッカートニー 5曲
- ジョージハリスン 2曲
- リンゴスター 0曲
- レノンマッカートニー共作 0曲
- カバー 2曲
前作に続き、ジョンとポールの作曲数はイーブンです。収録されている Tell Me What You See については記憶が曖昧らしく、ポールは「60:40ぐらいだった思うんだけど、完全に僕かな」と発言しています。対するジョンは「完全にポール」と発言しているので、ここではポール作品としています。
ジョージもこのアルバムでは2曲提供しています。眠れる獅子のマブタのフルオープン前夜といったところでしょうか。I Need You と You Like Me Too Much ともに良い曲ですね。ポールの存在感もグングンと大きくなってきています。なんてったってYesterday を作っていますから。ということでHelp!でした。
Past Masters(『Help!』までの作品)
続いてはビートルズのシングルコレクション、Past Masters です。『Help!』までの初期ビートルズとすると、I’m Down までが対象です。なお、重複とドイツ語バージョンは除外しています。
- ジョンレノン 4曲
- ポールマッカートニー 2曲
- ジョージハリスン 0曲
- リンゴスター 0曲
- レノンマッカートニー共作 5曲
- カバー 4曲
作曲数の構成はこんな感じです。From Me To You や She Loves You 、I Want To Hold Your Hand など、初期シングルは共作が多いため、こういう結果になっていますね。
初期ビートルズまとめ
ザクっとアルバム5枚と付近にリリースされた楽曲の作曲数構成をカウントしてきました。初期ビートルズをまとめた結果がこちら!
- ジョンレノン 29曲
- ポールマッカートニー 18曲
- ジョージハリスン 3曲
- リンゴスター 0曲
- レノンマッカートニー共作 10曲
- カバー 24曲
圧倒的にジョンレノンですね。さすがビートルズのリーダーです。ポールも18曲と存在感を見せていますが、やはり A Hard Day’s Night での差が大きかった模様です。続いては中期ビートルズです。
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