1962年にデビューしたビートルズ(The Beatles)は1970年に解散してしまいます。活動期間はわずかに8年くらい。この間に人類の宝とも言える楽曲をビートルズはたくさん生み出してくれました。
楽曲の総売上枚数は10億枚以上。今なお、その数は増え続けているようです。
なぜ、このリバプール出身の4人組はこれほどまでに人気なのか?多くのビートルズ研究者たちがこの問いに挑戦してますが、誰もバシっと答えられていません。
単純に曲がいいからじゃね?
それもひとつの答えかな。ということで、今回はビートルズがリリースしたシングルのプチ解説です。シングル22枚をおさらいすることで、もしかしたら人気の秘密にせまれるかも。
期待を込めて。まずは一枚目、Love Me Doから。
英国とヨーロッパを席巻した初期ビートルズのシングル
Love Me Do 1962年10月5日リリース
記念すべきデビューシングルは Love Me Do です。
本当は How Do You Do It というカバー曲でのデビューが予定されていのですが、ビートルズ側が強固にオリジナルにこだわった結果、晴れて Love Me Do でデビューです。
ここからビートルズの伝説はスタートしました。
作詞作曲はポールマッカートニー(Paul McCartney)。なんでも16歳のころに作った曲だとか。ハーモニカが鳴り響くブルージーな楽曲です。
英国チャートで最高17位、アメリカビルボードでは1位を記録しました。
Please Please Me 1963年1月11日リリース
続く2ndシングルはジョンレノン(John Lennon)による Please Please Me です。
英国チャートで2位を記録(1位の記録もあり)したビートルズ初のヒットシングルです。この曲でカチリと人気に火が付いた模様。ここから誰も人気を止められなくなります。
イントロのハーモニカが荒々しいロックンロールな曲。コーラスも良い感じです。2ndシングルにしてビートルズはもう完成しています。
英国チャートで最高2位、アメリカビルボードでは3位を記録。
From Me To You 1963年4月12日リリース
3rdシングルは From Me To You です。
ファンの胸を熱くするジョンレノンとポールマッカートニーの完全共作。この二人の天才曰く「ヒマつぶしに作った」とのこと。なんとも凄い。
ポールのお気に入りで、「サビの部分でマイナーに変わる」のが大きな進歩だとのこと。ビートルズは人気に慢心することなく常に成長を続けています。見習いたい。
英国チャートで最高1位、アメリカビルボードでは41位を記録(Please Please MeのB面だったため)。
She Loves You 1963年8月23日リリース
でました!超有名曲のShe Loves Youです。
ビートルズの人気を不動のものとした曲のひとつ。Yeah Yeah サウンドはあまりにも有名です。作詞作曲は、レノンマッカートニー。しびれますね。
セールスも桁外れ。
イギリス国内だけで166万枚以上が売れ、アメリカでは1964年の年間売上2位を記録。ちなみに1位は次作のI Want To Hold Your Hand。
恐ろしいですね。
もちろん英国チャートで最高1位、アメリカビルボードでも1位を記録。
アメリカを制覇した 初期ビートルズのシングル
I Want To Hold Your Hand(抱きしめたい) 1963年11月29日リリース
ビートルズの代表曲といってもいいでしょう。最高の曲です。私はこの曲が世界一好き。曲を作ったのは、胸熱のレノンマッカートニーです。
ビートルズはこの曲でアメリカを完全にノックアウトしました。1964年2月9日のテレビ放送(エドサリバンショウ)で歌う姿を見て、アメリカはビートルズに完全に白旗を上げたのです。
第二次大戦後、世界が変わった日があるとすると、この日です。ここからビートルズ的な新しい価値観が若者文化と混ざり合って世界中に拡大していきます。
英国チャートで最高1位、アメリカビルボードでも1位を記録。
Can't Buy Me Love 1964年3月20日リリース
前作のI Want To Hold Your Hand以降、ビートルズの人気はとどまることなく拡大してきます。そのまっただなかにリリースされたのがCan't Buy Me Love。
当時イギリスで100万枚、アメリカで210万枚が予約だけで販売。予約販売のギネス記録にもなっています。また、ビートルズがアメリカのビルボードを1位から5位まで独占した時の1位の曲としても有名です。
- Can't Buy Me Love
- Twist And Shout
- She Loves You
- I Want To Hold Your Hand
- Please Please Me
ちなみにこれが独占したときのチャート(1964年の4月4日)。
作者はポールマッカートニー。かなりのロックンロールナンバーです。英国チャートで最高1位、アメリカビルボードでも1位を記録。
A Hard Day's Night 1964年7月10日リリース
人気絶頂期にビートルズの主演映画が公開されます。その主題歌がA Hard Day's Night です。映画館のスクリーンに映るビートルズに多くのファンが悲鳴をあげました。
ちなみにこの曲のタイトルはリンゴスターの言い間違いをジョンが気に入って採用したものです。Day は朝から晩までの一日を指す単語なので、「’s Night」が付くのは文法的に変らしいです。
もちろんこの曲も世界中で大ヒット。
ジョンレノン作でボーカルもジョンなのですが、途中サビの部分はポールが歌っています。ビートルズの楽曲の中でも非常に珍しい曲です。
英国チャートで最高1位、アメリカビルボードでも1位を記録。
I Feel Fine 1964年11月27日リリース
世界で初めてフィードバック奏法が取り入れられた曲です(諸説あるそうですが、ジョンが言ってるので間違いないです)。フィードバック奏法とはイントロ部分のドゥーンというギターノイズのこと。
正直、フィードバック奏法にはあまり心が動かされないのですが、この曲のコーラスには大きく心揺さぶられます。やっぱりビートルズの武器はコーラスにあり!
作者はジョンレノン。最高です。
ちなみにこの曲には、フィッシュアンドチップスをむさぼり食べながら歌うというなんともシュールなミュージックビデオがあります。ベスト盤『ビートルズ1』の特典映像に入っているので、興味のある方は見てください。
英国チャートで最高1位、アメリカビルボードでも1位を記録。
巨大化する人気に嫌気がさしてきた初期ビートルズのシングル
Ticket to Ride 1965年4月9日リリース
こちらもジョンレノンによる作品。ヘヴィーなサウンドが特徴です。
特にリンゴスターのドラムに注意して聞いてみてください。なんかちょっと面白いリズムと音です。これはポールのアイデアだとか。
それにしても、なんとも言えない邦題です。
涙の乗車券。
誰がつけたのでしょうか。よく分からないセンスです。「涙の~」とか「恋の~」とか、つければいいってもんじゃないです。困ったものです。
もちろん、英国チャートで最高1位、アメリカビルボードでも1位です。
Help! 1965年7月23日リリース
初期のラストを飾るのはジョンレノンによるHelp!です。アップテンポなロックナンバー。超有名曲ですね。ジョンレノンはやっぱり天才です。
この曲の特徴は何といってもコーラス。
追いかけコーラスならぬ先取りコーラスが採用されていて、コーラスの後にジョンレノンの歌がついてきます。コーラスのこの凝りよう。やっぱりビートルズは最強のコーラスグループです。
このHelp!という曲は、ジョンの心の叫びがそのまま歌になったもの。巨大化する人気に押しつぶされそうになったビートルズのSOSサインでした。
このころからビートルズはコンサート会場での演奏に興味をなくし、表現の場を徐々にレコード盤に移しはじめます。それが本格化していくのは、次の中期ビートルズからです。
以上、初期ビートルズのシングル盤のプチ解説でした。
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