専門家やマニアの意見はどうでもいいからビートルズ(The Beatles)で一番良いアルバムを教えて!
そう言われたらどのアルバムを答えますか?『アビーロード』も『ハードデイズナイト』もいいけど、私の見解は『リボルバー』です。
収録曲見たらYellow Submarineくらいしか知らねーよ。
罵声を浴びてもかまいません。自信をもって『リボルバー』です。即答です。
そんな『リボルバー』の全曲紹介です。購入を検討している方は参考にしてください。便宜上、レコードの規格A面B面に分けて紹介いたします。
1966年リリースの前衛作品 サイケ色がにじみ出てくるA面
『リボルバー』はビートルズの7作目のオリジナルアルバムです。今から50年以上前に制作された作品とは思えないほどのクオリティです。
各所に実験的要素がちりばめられた前衛的な作品。それでいてキャッチーです。相反するであろうこの二つの要素を何の苦も無く合体させているのがビートルズの凄いところ。
そんな『リボルバー』の1曲目は…
Taxman
ジョージハリスン(George Harrison)作のアイロニカルソングです。高い税率をめちゃくちゃに皮肉ってます。歌詞を覗いてみてください。なんともジョージらしい皮肉のオンパレード。
お座りになりますか?椅子に税金です。寒きなってきましたね、暖房に税金です。散歩ですか?足に税金です。 死にゆく方々にアドバイスがあります。目の上に乗せられたコインも課税対象です。
だいたいこんな意味合いの歌詞が並んでいます。かなり恨んでますね。
ちなみにこの曲のリードギターはポールマッカートニー(Paul McCartney)。この点に恨みは持っていないっぽく、「インドっぽくて満足!」とコメントしています。
Eleanor Rigby
2曲目はポール作のEleanor Rigbyです。ストリングス演奏のみのクラシカルな曲です。ポールはこの曲でグラミー賞コンテンポラリー歌唱賞を受賞しています。
タイトルのEleanor Rigbyは人名です。特に意図なく適当につけたっぽいのですが、奇妙なことにある教会で"Eleanor Rigby”と刻まれた墓石が発見されるのです。
そのある教会とはセントピーターズ教会。ジョンとポールが出会った教会です。そんな偶然ある!?世にも奇妙なビートルズ物語です。
ちなみにこの教会にはジョンの伯父のジョージ・スミスも眠っています。
I'm Only Sleeping
ジョンレノン(John Lennon)によるサイケデリックソングです。アルバム『リボルバー』の象徴的な曲。テープの逆回転奏法が取り入れられていて、なんとも幻想的です。
この逆回転奏法は適当に弾いたギターを逆に再生しただけでなありません。予め作っておいたギターのフレーズを逆に弾いたものを録音。それをさらに逆再生して録音するという凝りよう。
実験的精神にあふれています。それでいてメロディアス。魅力たっぷりな曲です。
Love You To
でました。ジョージの2曲目。リボルバーにはジョージの曲が3曲も収録されています。『リボルバー』はジョージにやさしいアルバムなのです。
タブラ、シタールといったインド楽器で演奏されており、インド感が爆発している曲。人類初のラーガロックです。これも『リボルバー』的実験のひとつの成果です。以降、ラーガロックは普及していきます。
Here, There And Everywhere
ポールによる心温まる優しい名曲です。ポールの作曲能力の高さを改めて実感できる曲です。「俺のどの曲よりもいい!」と、あの皮肉屋のジョンレノンも絶賛したそうですから、この曲のクオリティは本物です。
ポール自身もソロ作品『ヤァ!ブロードストリート』でセルフカバーをしているところを考えると、お気に入りだったのでしょう。文句なしの名曲です。
Yellow Submarine
ポールが作ってリンゴスター(Ringo Starr)が歌っている曲です。知らない人がいるのか?と疑問が湧くくらい有名曲です。ビートルズの代表曲のひとつだと思います。
ほんわかしたメロディ、ワクワクするような歌詞は世界中の子供たちに向けられたもの。リンゴのとぼけたようなヴォーカルも見事です。
Yellow Submarineをごきげんに歌っていれば、戦争なんて起こらないと思います。
She Said She Said
ジョンによるサイケデリックな曲です。典型的なドラッグソングとも言われています。とにかくなんか変な曲です。音楽的なことに造詣が深くないのでうまく言えませんが、とにかく変なんです。
非常に手拍子がしにくい曲とでもいいましょうか。
それでいて魅力的に響くのですから、ジョンレノンの作曲能力たるやポールとは別方向で凄いのです。
次のページからはB面の紹介です。ますます面白くなる『リボルバー』です!
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