ビートルズは、1960年代の音楽シーンを大きく変えた存在です。ポップスからロック、そしてアート性の高い実験的な作品に至るまで、わずか10年足らずの活動で膨大な進化を遂げました。
本記事では、彼らを語る上で外せない5曲を選び、その魅力と聴きどころを紹介します。これらの楽曲をたどるだけでも、ビートルズの軌跡をコンパクトに体感できるはずです。
ビートルズの進化をざっくりおさらい
初期は「I Want to Hold Your Hand」に象徴されるように、シンプルでキャッチーなラブソングを中心に発表し、世界中の若者を熱狂させました。
中期になると「Yesterday」や「A Day in the Life」に見られるように、クラシック音楽やスタジオ技術を積極的に取り入れ、音楽表現の幅を広げていきます。
そして後期は「Hey Jude」「Let It Be」に代表されるように、成熟したメッセージ性と普遍性を備えた作品を残し、解散後もなお世界中で歌い継がれる存在となりました。
1. I Want to Hold Your Hand
1963年に発表されたシングルで、アメリカ市場での成功を決定づけた楽曲です。軽快なリズムと、ハーモニーが印象的なこの曲は、当時のビートルズが持っていたエネルギーをそのまま封じ込めています。
特にイントロのギターリフと、ジョンとポールの掛け合いのようなボーカルは、聴く人の心を一瞬で掴みます。歌詞の内容は「手をつなぎたい」というシンプルな恋の表現ですが、それが逆に時代を超えて響く普遍性を持っているのです。
2. Yesterday
1965年に発表されたアルバム『Help!』収録曲。ポール・マッカートニーが作詞作曲し、弦楽四重奏を取り入れた斬新なアレンジで知られています。
当初は「ビートルズらしくない」と言われたほどでしたが、今や世界で最も多くカバーされたポップソングの一つ。聴きどころは、ポールの繊細なボーカルと、クラシック音楽を思わせる優雅なストリングスです。恋愛の喪失感を描いた歌詞は、シンプルながら深い共感を呼び、今もなお多くの人の心に残っています。
3. A Day in the Life
1967年のアルバム『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のラストを飾る大曲です。ジョンとポールがそれぞれ持ち寄った楽曲をつなぎ合わせ、壮大なスケールの作品に仕上げました。
冒頭のジョンの夢幻的な歌声、ポールの軽快な日常描写、そしてフルオーケストラを総動員したクライマックス――これらが組み合わさることで、まさに「時代の音」を閉じ込めたかのような楽曲になっています。
最後に鳴り響くピアノの長大な和音は、まるで時を止めるかのような余韻を残し、ビートルズの実験精神を象徴しています。
4. Hey Jude
1968年に発表されたシングル曲で、ビートルズの楽曲の中でも特に愛され続けている一曲です。
ポールがジョンの息子ジュリアンを励ますために書いたと言われており、その温かさと優しさが曲全体に溢れています。
特徴的なのは、7分を超える長さにもかかわらず、最後の“Na-Na-Na”の大合唱が聴く者を自然に巻き込み、解放感を与える点です。ライブやコンサートでも観客が一体となって歌える構成は、ポップソングとして革新的でした。
5. Let It Be
1970年、解散直前に発表されたシングルで、ビートルズ最後期を象徴する名曲です。ポールが母親の夢から着想を得た歌詞は「あるがままに」という普遍的なメッセージを伝え、時代を超えて人々に希望を与え続けています。
シンプルなピアノの伴奏に、ジョージのギターソロやコーラスが重なり、静かな祈りのような雰囲気を作り上げています。混乱の中にあったバンドの状況を反映するかのように、どこか切なさも漂う一曲です。
おわりに
以上、ビートルズを語る上で外せない5曲を紹介しました。
初期の勢いから、中期の実験、後期の成熟までを一気に体感できる選曲になっています。ぜひこの5曲を改めて聴き直してみてください。新しい発見がきっとあるはずです。
そして最後に質問です。
あなたが一番好きなビートルズの曲はどれですか?
ぜひコメントやシェアで教えていただけると嬉しいです。


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