ビートルズ(The Beatles)は22枚のシングルレコードをリリースしています。当然ながら、いずれも爆売れしています。よくもまあ、これほどまでにヒット曲を連発できたことに素直に驚きです。
たぶんそれは、ビートルズには偉大なる作曲家が二人もいたからだと思います。
ジョンレノン(John Lennon)とポールマッカートニー(Paul McCartney)が同じバンドにいるんですよ。日本で言うなら、桑田佳祐と桜井和寿が同じバンドにいる感じでしょうか?想像してみてください。二人がシングルの曲を書きあっている姿を。もはやチートです。
ここでふと疑問が湧きます。
ジョンとポール、どっちがシングルのA面を多く手掛けているのでしょうか?
事実、二人の間でシングルA面争奪戦的なことはあったようで、互いに意識していたことをインタビューなどで語っています。
結局どっちが勝利したのでしょうか?
そこまで、語られていないことが多いので、今回、調べてみました。対象シングルはイギリス公式リリース盤です。初期、中期、後期に分けてどっちが勝利者なのかをまとめました!
まずは、初期ビートルズから。
初期ビートルズのA面争奪戦はジョンレノンの圧倒的勝利!
まずは初期にリリースしたシングルの一覧を見てみましょう。
- Love Me Do(ポールマッカートニー)
- Please Please Me(ジョンレノン)
- From Me to You(レノン&マッカートニー)
- She Loves You(レノン&マッカートニー)
- I Want to Hold Your Hand(レノン&マッカートニー)
- Can’t Buy Me Love(ポールマッカートニー)
- A Hard Day’s Night(ジョンレノン)
- I Feel Fine(ジョンレノン)
- Ticket To Ride(ジョンレノン)
- Help!(ジョンレノン)
こうしてみると、デビューシングル Love Me Do はポールがA面を奪取したものの、圧倒的存在感でジョンレノンがA面を奪取しています。
リリースしたシングル10曲中5曲がジョンレノンの作品。ビートルズを作った男・ジョンレノンとしての面目躍如。シングルの面でもビートルズをグイグイ引っ張っています。
そして初期の注目点としては、ツインボーカルをとっている曲があることです。中期や後期の曲にみられる自分が作曲した部分だけを歌う合体パターンではなく、最初から仲良く二人で歌っているのが特徴です。
ということで、次は中期のシングル作品を見ていきましょう。
中期ビートルズのA面争奪戦はポールの逆転勝利!
中期は両A面シングルを3枚もリリースしています。ビートルズ側にどういう意図があったのかは分かりませんが、B面に押しやるにはクオリティが高すぎるということでしょうか。
中期にリリースしたシングルはこちら。
- Day Tripper/We Can Work It Out ※両A面(ジョン、レノン&マッカートニー)
- Paperback Writer(ポール)
- Yellow Submarine/Eleanor Rigby ※両A面(ポール)
- Strawberry Fields Forever/Penny Lane ※両A面(ジョン、ポール)
- All You Need Is Love(ジョン)
- Hello, Goodbye(ポール)
やはり黄金の中期ビートルズですね。こうして曲を眺めてみるとそのクオリティに驚かされます。惜しくもB面収録の曲も、Rain (ジョン)であったり I am the Walrus (ジョン)であったりと、とんでもない名曲ばかりです。
勝負の行方は、ポールマッカートニー5曲に対してジョンレノン3曲。2曲の差でポールに軍配があがりました。両A面シングルYellow Submarine/Eleanor Rigbyの2曲ともにポールの作品であったことが勝因です。
ここまでのシングルA面争奪戦の結果は、以下の通り。
- ジョンレノン 8曲
- ポールマッカートニー 7曲
1曲差でジョンが優勢ですが、まだまだ分かりません。勝負は後期に持ち越されました。それでは後期の作品をみてみましょう。
後期ビートルズのA面争奪戦もポールが勝利!
バラバラになりつつあった後期ビートルズ。その影響からか、初期と中期のころに見られた共作シングルA面が消滅してしまいました。かわりに現れたのがダークホース、ジョージハリスンです。
後期のシングル作品はこちらです。
- Lady Madonna(ポール)
- Hey Jude(ポール)
- Get Back(ポール)
- The Ballad of John and Yoko(ジョン)
- Something/Come Together ※両A面(ジョージ、ジョン)
- Let It Be(ポール)
後期に突入してから立て続けにポールマッカートニーです。ジョンはビートルズに飽きちゃっている時期です。当然、失速しています。
後期の争奪戦の結果は、ポール4曲に対してジョンが2曲。中期に続きポールが勝利を手にしました。
余談ですが、こうして後期のシングルを並べてみると、ジョンのビートルズ離れがありありと分かります。ファンとしては寂しい気持ちです。そしてまたポールが気力をふるっているのも悲しく感じられます。初期のころは仲良く共作をつくっていたのに…。
ということで、まとめです。
最終的にシングルA面争奪戦をトータルで制したのはどっちでしょうか?
まとめ シングルA面争奪戦は1曲差でポールの勝利!?
このグラフをみれば明らかですね。シングルA面争奪戦は1曲差でポールマッカートニーの勝利という結果でした。
シングルA面の曲数だけで考えると、ジョンは初期から中期にかけてがピークで、ポールは中期から後期にかけてピークを迎えています。注目したいのは、二人の偉大な作曲家のピークの時期がずれている点です。
もしかしたら、このピークのずれがビートルズの人気をひも解くカギになるかもです。
野球で言うと、先発~中継ぎのような関係です。うまく言えませんが、このピークのずれがあったらか、ビートルズは革新性を失うことなく60年代を駆け抜けられたんじゃないかと思います。
以上、シングルA面争奪せんでした。
ちなみにアンソロジープロジェクトの2曲(Free As a Bird と Real Love)を入れるとジョンに軍配があがります。
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