おそらく地球上でもっとも有名なミュージシャン、ビートルズ(The Beatles)。そんな彼らが歌ったYellow Submarineに新事実発覚です。2022年の10月、『Revolver』のスペシャルエディションに収録されるYellow Submarineの断片みたいなものが「Songwriting Work Tape / Part 1」という副題のもと、YouTubeにアップされました。驚きました。
ジョンレノンが歌っているではないですか!
これはかなりの衝撃です。現在のYellow Submarine のあの楽し気な歌詞をそのまま歌っているのなら、レコーディングの合間にお遊び的に歌ったのかなー、で片付けられますが、なんと歌詞まで違うじゃないですか。
もしかすると、これまで語られてきたビートルズ史が変わるかもしれません。今回は、そんなYellow Submarine の衝撃をお話しします。まずは、どこが衝撃だったのか?について。
YouTube もやっています。ぜひ見てください!
Yellow Submarine の作者は誰?
1966年にリリースされたアルバム『Revolver』に収録されたYellow Submarine 。この曲について、これまで語られてきたのは、
- ポールマッカートニーが中心となって作曲
- 一部、ジョンも手伝った
- リンゴスターがボーカルを取った曲
こんな感じ。リンゴのためにポールが作った楽曲という認識です。ジョンや他のメンバーも協力している事実があったことは確認されていますが、基本的にはポールのアイデアだと伝えられています。ただ、今回の「Songwriting Work Tape / Part 1」を聞くと、どうでしょう…
ジョンががっつり関わっているような気がしませんか?
公開された1分少々を聞いただけですが、ジョンが歌う「Songwriting Work Tape / Part 1」は、作曲の初期のものだと思われます。ここから発展させて今のYellow Submarineができたのであれば、この曲の作者は純粋にポールだとは言い難いような気がします。リリースから50年以上を経て、
ジョンとポールの共作なんじゃないか説が浮上です。
もしかすると、公開されているバースの部分もポールが作っているのかもしれません。それをたまたまジョンが歌った可能性もあります。でも、歌詞が非常にジョンレノンなんですね。少し悲し気な歌詞です。私たちの知るあの陽気なサブマリンじゃないんです。
ジョンの辛い幼少期を打ち明けている!?
共作説を私の中で強力に後押ししているのが歌詞です。今回公開されているのが、曲の冒頭の2行、現行のYellow Submarine だと「In the town Where I was born Lived a man who sailed to sea」の部分、一番陽気な部分です。
ここをジョンは「In the place where I was born No one cared, no one cared」と歌っています。訳すと「僕が生まれた場所では、誰も気にかけてくれなかった。誰も気にかけてくれなかった。」です。陽気さのかけらもありません。悲し気な歌詞です。
なんとなくですが、Strawberry Fields Forever の歌詞に通ずるとこがあると思いませんか。音楽雑誌のRolling Stone のサイトでは、「哀愁漂う告白」とし、「『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』や「ディア・プルーデンス」「ジュリア」に通じる、幼い頃の辛い思い出を打ち明けているような手触り」と述べられています。
この部分の歌詞だけを見て、ジョンかポールかの判断を迫られると、多くの人が「ジョン!」と答えるはず。ジョンが歌っている点も踏まえれば、ジョン説濃厚です。そう考えると最後にもうひとつ巨大な疑問が浮き上がってきます。
なぜ陽気な歌になったのか?
『Revolver』デラックス・エディションのリリース前の段階の情報では何とも言えません。何しろ今回のYellow Submarine のデモは、前出のRolling Stoneによると「ブートレグで世に出たこともなければ、筋金入りのビートルマニアの間でさえ噂になったことはない。」代物です。ヒントを得ようと、過去のジョンやポールの発言を拾ってみても謎が深まるばかりです。
ジョンは、「Paul wrote the catchy chorus.(ポールが書いたキャッチーな曲)」と言い、ポールは「I wrote that in bed one night. As a kid’s story.(夜、ベッドの中で書いた曲。子供向けの曲さ)」と言っています。うーん、深ーい森に迷い込んでしまいそうです。
可能性を考えるとすると、ジョンがこの部分だけ作って放置、それをポールが今のカタチにしたというもの。Free As A Bird の時に語られたエピソードそのままな感じです。真相はどうなんでしょうか。
とにもかくにも、今回のYellow Submarine (Songwriting Work Tape / Part 1) は衝撃でした。これまでYellow Submarineの作曲者はポールだとされてきた歴史が変わる…、かもしれませんね。
それにしても、もしジョンがあの歌詞のまま、1曲に仕上げていたとしたら、曲のタイトルはどうなっていたでしょうね。まさかYellow Submarine というわけにはいきませんから。以上、「新発見!?ビートルズの名曲 Yellow Submarine はジョンレノンの曲なの?」でした。おしまい。
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