ポールマッカートニー(Paul McCartney)の最高傑作は何だと思いますか?
ウィングスおよびソロのキャリア(つまりビートルズ時代以外)を通しての最高傑作は『フレイミングパイ』じゃないかと思っています。
- どう考えても『バンドオンザラン』だろ?
- 『ラム』を忘れてねーか?
- 君は『タグオブウォー』を知らないのかね?
そんな声も聞こえてきそうです。中には、『エレクトリック・アーギュメンツ』だろ!みたいなことを言う人もいるかもしれませんね。
それらの作品は私も大好きです。
落ち着いて『フレイミングパイ』を聞いてみてください。そのクオリティの高さときたら他に引けを取りません。ナイスでグッドな作品なんです。
この『フレイミングパイ』はどんな作品なんでしょうか?
グラミー賞のアルバム・オブ・ザ・イヤーにノミネート作品
1997年に発売された『フレイミングパイ』は翌年1998年の第40回グラミー賞にノミネートされています。ノミネートされたから"良いアルバム"ってわけじゃないですが、とにかく評価が高い作品です。
ビルボードの順位も最高2位を記録しています。
ポールとしては久々のビルボード順位トップ10作品です。1982年の『タグオブウォー』が1位を獲得して以来なので実に15年の歳月を経て久々の返り咲きとなりました。
ビートルズ(The Beatles)時代、いとも簡単に世界中で1位を獲得してきた男、ポールマッカートニーが15年間もトップ10作品なしなんて…。にわかには信じられませんが、ともあれ『フレイミングパイ』で復活。
15年間ものブランクの存在は、このアルバムのクオリティの高さを証明しています。ビートル・ポールのブランドだけで順位を駆け上がったわけではありません。
とにかく楽曲がいいのです。
そんな楽曲をちょっとだけ紹介します。
1曲目から7曲目まで隙の無い楽曲で構成
The Song We're SingingからFlaming Pieまでの7曲は、はっきり言って飛ばしどころがありません。珠玉の7曲といっても過言ではないでしょう。
オープニングのThe Song We're Singingで "このアルバム…、何かある!" を感じさせ、流れるようにThe World TonightとIf You Wannaが続き、Somedaysで聞く者をうっとりさせる。
するとハツラツなYoung Boyが聞こえ、シンプルなCalico Skies(ポール曰く反戦歌)を経てファンキーなFlaming Pieに至ります。
完璧です。
ポールが本気を出しています。
他にもSouvenirも良い曲です。そして、リンゴスターの前妻モーリン(48歳という若さで白血病で病死)に捧げたLittle Willowなんかもとてもいい。切なーくなる楽曲です。
そんなリンゴが参加しているのがアルバムのラストを飾る曲です。
リンゴとジョージマーティンが参加するビートルズっぽいBeautiful Night
Beautiful Nightは実にビートルズっぽい曲です。まず顔ぶれがビートルズ。
当たり前ですが、ポールマッカートニーの作品です。ドラムはリンゴスターです。プロデュースこそジェフリン(アンソロジープロジェクトでFree as a BirdやReal Loveのプロデュースを手掛けた人)ですが、オーケストラの編曲はジョージマーティンです。
この面々が一緒に集まって作品を作ってビートルズっぽくないわけがない。そして良い曲じゃないわけがありません。
個人的には、My LoveやNo More Lonely Nightといったポールの代表的なバラードと肩を並べる評価を受けてもいい楽曲だと思っています。
ぜひ、ご一聴を!
ポールのソロアルバム『フレイミングパイ』がヒットした理由
1995年からのビートルズアンソロジープロジェクトを経て明らかになったことは、"世界はまだビートルズを求めている"ことでした。
そんな折にビートルズの一翼を担っていた男がリリースしたのがこのアルバム『フレイミングパイ』です。ポールは改めてビートルズ待望論を証明してみせたのです。
これはかなり意図したものだと思います。
ジョンレノンが燃えるパイ(Flaming Pie)に乗った男の夢を見ました。その夢の男はジョンに「お前は"E"を"A”に変えたBeatlesだ」と言ったそうです。これがビートルズというバンド名の由来の一説。
その"燃えるパイ”がタイトルになっている『フレイミングパイ』がビートルズっぽくないわけがないですよね。
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