どうしてこんな邦題つけたんだ?
ビートルズ(The Beatles)の曲には謎の邦題が多い。再販されているものは改定されて、原題のままになっているようですが、昔はひどかった。
謎の邦題の代表格は、A Hard Day's Night の「ビートルズがやってくるヤァヤァヤァ」。どこをどう切り取ったら、"ヤァヤァヤァ"が出てくるのか、まったくもって謎です。ヤァヤァヤァと言いながらやってくる奴なんて見たことがない。
志村けんで例えるなら「志村がやってくる、だっふんだ」です。
Norwegian Woodは別の意味で謎です。「ノルウェイの森」とつけられた邦題を巡ってさまざまな解釈があり、さまざまな説が展開されている点、正統派の謎と言えます。
「ノルウェイの森」のほかに、もう1曲、私は正統派の謎邦題を見つけてしまいました。それがNowhere Manです。"ひとりぼっちのあいつ"です。
Nowhere Man(ひとりぼっちのあいつ)は誤訳!?
ジョンレノンが歌うNowhere Manってどんな奴なのでしょうか?歌詞を抜粋いたします。
Sitting in his nowhere land Making all his nowhere plans for nobody Doesn't have point of view Knows not where he going to
どこにいるともなく、誰のためでもないことを考えていて、しかも自分自身の意見を持たないようです。よくわかりませんが、屁理屈ばかりこねて、役に立ちそうにない奴っぽいですね。
今ところ邦題をつけるなら頭でっかちのあいつです。
現時点で独りぼっちかどうかは分かりませんが、その問題はさておいて、ジョンレノンは「どこか君や僕に似てやしないかい?」と問いかけます。
ハッとしませんか、もしかして私のこと歌ってる?
やさしいジョンのことです。
聞き手である我々に何かしらの示唆をもたらしてくれているのだと思います。
Nowhere Manが教えてくれたのは「多動力」
どんな示唆だろう。その観点で歌詞を見てみると、そこに書いてあったのはホリエモンの提唱する「多動力」でした。歌詞の抜粋です。
you don't know what's you're missing Nowhere Man, the world is at your command
訳すと「世界は君の意のままになると、気づいていないんだ」かな。頭でっかちのままでは気づけないだろうことに言及しています。ジョンの伝えたかったことはこの部分のような気がします。
「頭で考える前に、とにかく何かやれ!」と言われているようで、心に刺さります。これはもうホリエモンです。「多動力」です。
2020年代に邦題をつけるなら(どこにでもいるやつ)
ホリエモンが提唱する「多動力」。ジョンも1960年代に言及していました。50年にわたって提唱されていることになります。
それはつまり、まだ「多動力」を得られていないとこの裏返しです。
私も含め、頭でっかちに考えてしまい行動できていない人がビートルズの時代から50年を経た今も多いのでしょう。そうなるとNowhere Manの邦題は、"ひとりぼっちのあいつ"ではなく"どこにでもいるやつ"と付けるほうがしっくりくる気がします。
時代にあわせて邦題も変えていくべきです。まあ、原題に戻せばいいだけの話ですけど。
Nowhere Man(ひとりぼっちのあいつ)収録の『ラバーソウル』
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