ビートルズ(The Beatles)を代表する曲と言えば、
・Hey Jude
・Let It Be
他にもたくさん代表曲はありますが、この3曲は外せませんよね。その中でも今回は Let It Beについて。この曲を聞くならどのアルバムを手に取ればいいのでしょうか。
ん?アルバム『Let It Be』じゃないの?
と、思ってしまいがちですが、実はオリジナルアルバムの『Let It Be』に収録されているのは、普段我々がよく耳にするLet It Be とはバージョンが違うんです。
マニアにしか分からない違いではなく、普通に聞いても分かるくらいの違いがるんです。好みが分かれますので注意が必要です。そのあたりに注意しつつ収録アルバムを紹介します。
早速ですが、Let It Be が収録されているのは、
・『Past Masters Vol.2』
・『The Beatles / 1967-1970 』(通称:青盤)
・『The Beatles’ Anthology 3』
・『Let It Be...Naked)』
・『The Beatles 1』
その前にまずはLet It Beってどんな曲?から始めたいと思います。
ビートルズ 活動期間の最後のシングル
Let It Be 1970年3月にリリースされました。作者はポールマッカートニー(Paul McCartney)です。
イギリスではなぜかチャートで1位を飾れませんでしたが、アメリカでは堂々の1位。日本で非常に人気が高く、日本国内ではビートルズの作品の中で最も売り上げた作品です。
こういう事実があるもんだから、この曲を好きなのって日本人だけ?と思った時期がありました。でも、近年のポールのコンサート映像をみると、グローバルな観客が大喜びしていたので、やっぱり世界中で人気があるようです。当たり前か・・・。
歌詞は、解散を目前に分裂状態にあったビートルズへの想いを歌ったもの。Let It Be(あるがまま)のとおり。「解散も仕方なし」と諦めの入った内容です。
それまでポールはビートルズ維持の方向で尽力していたのですが、精根尽き果てたのかもしれません。
かつて私は、
すげーいい曲じゃん!ビートルズ最高!
的なノリで聞いていた曲なんですが、実はビートルズの解散物語にかかわる悲しい曲だったのです。いまやもう、涙なしでは聞けません。
この曲をリリース後、ビートルズはその活動に終止符をうちます。かみしめながら聞いてみてください。といったところで、収録アルバムの紹介です。
普段よく聞くレットイットビーを聞くならこのアルバム
ここでは通常バージョンのレットイットビーと呼ぶことにします。おそらく最も聞いたことがあるであろうバージョンです。通常バージョンが聞けるのは『パスとマスターズ Vol.2』と『The Beatles / 1967-1970 』(通称:青盤)、『ザ・ビートルズ1』の3枚です。
ご察しの通り、シングル集の『パストマスターズ Vol.2』とベスト盤にしか通常バージョンは収録されていません。オリジナルアルバムには収録されていないのです。ご注意ください。
じゃあ、この3枚のうち、どのアルバムを手に取って聞くべきか?レットイットビーだけ聞くなら、どのアルバムでも構いません。むしろその場合、青盤か『ビートルズ1』を選ぶのが無難です。
ただ、ビートルズを全部そろえたい!と思っている方には、断然『パスとマスターズ Vol.2』です。中期の名曲Rainやインド感たっぷりのThe Inner Lightなど、ベスト盤には入っていない曲も収録されているためです。
オリジナルの『レットイットビー』のレットイットビーってどうなの?
オリジナルアルバムバージョンのレットイットビーも、これはこれでいい曲だと思います。ただ、私は通常版のほうが叙情的かなと思っています。
通常バージョンとの違いは、ラストの繰り返し部分が1回多い点とギターがフィーチャーされている点、あとコーラスも違います。
もともと同じテイクから作られていますが、プロデューサーが違います。通常バージョンが、まいどおなじみのジョージマーティンで、オリジナルアルバムバージョンがフィルスペクターです。
一度、聞き比べてみるのもいいかもしれません。バージョン違いを楽しめるようになったら、ビートルズファンとしての第一歩を踏み出したも同然です。
ネイキッドとアンソロジー3のレットイットビーはどうなの?
『レットイットビー...ネイキッド(Let It Be...Naked)』は、もともとのアルバム制作時のコンセプトを現代の技術で取り戻そうとした作品です。コンセプトとは、過剰な音の装飾を取っ払って「原点回帰」すること。ゲットバックです。
オリジナルの『レットイットビー』は、志なかばでゲットバックな作品にならなかったので、30年の時空を超えて制作が企画されました。
その出来は、なんといいましょうか…、アンソロジーシリーズに近いものがあります。アウトテイクバージョンと捉えておくのが良いと思います。
アウトテイクバージョンといえば、なんといってもアンソロジーです。ここで聞けるLet It Beは素晴らしいです。
Let It Beだけに限らず、他の曲からも終わりゆくビートルズが感じられます。そう思って聞くと、なかなか悲しいアルバムです。
レットイットビー1曲をとってみてもいろいろと楽しめるのがビートルズのすごいところ。いろんなバージョンがあるので好みのバージョンを探して聞いてみるのはいかがでしょうか。
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