時代を超えてビートルズが支持されている理由はどこにあるのか。本ブログのテーマはその理由を探ることにあります。あの熱き60年代、みんなビートルズに夢中でした。人類史上、類のない光景です。そのビートルズの人気の秘密を探ることにより、再びひとつになれるヒントが得られるんじゃないかと、そう思っています。
今回は、ビートルズがリリースしたシングル盤を紹介することでそのヒントを探ります。そして大きなお世話かもしれませんが、この時期のビートルズのシングルをランキングして、ベストシングル盤を決めてしまおうという試みです。
1962年から1970年の活動期間中にビートルズがリリースしたシングルは22枚です。一気に紹介すると膨大な文字数になるので、ここではアルバム『ラバーソウル』と『リボルバー』時代にリリースされたシングル3枚を紹介します。サイケデリックムーブメント前夜のシングルたちです。
イギリス国内でのリリースされたシングル盤に限定するよ
世界を制覇した王者の余裕がうかがえるシングル群
Day Tripper(デイトリッパー)/We Can Work It Out(恋を抱きしめよう)
ビートルズの11作目のシングルはDay Tripper/We Can Work It Outです。初の両A面シングルです。ただ、アメリカではWe Can Work It OutがA面として扱われました。もちろん英米の両国で1位を獲得しています。
Day Tripperはジョンレノン作です。イントロ部分のギターとベースのユニゾンがハードな曲で、たまに聞くとゾクゾクします。後のハードロックを想起させるイントロです。そういえば、2019年のリンゴのツアーでイントロが演奏されました。「ノーノ―、俺の歌にしてくれ」といってリンゴがすぐに止めましたが…。
We Can Work It Outはレノンマッカートニーの共作です。この曲も別々の歌を合体させた感じがしますが、裏がとれていません。ポールが作った部分はポールが歌い、ジョンが作った部分はジョンが歌っています。
改めて歌詞を見ると、なんだか悲しくなります。
Life is very short and there's no time For fussing and fighting, my friend
「人生は短いんだから、喧嘩なんかしてるヒマはないよ」と歌っています。We Can Work It Outを聞くたびに後期の仲の悪かった時のビートルズが思い浮かびます。タイトルがWe Can Work It Out(乗り越えられる)というのもなんだか考えさせられますね。
この曲を歌う映像では、ポールを笑わせようと必死なジョンの姿があって、とても微笑ましいんですけどね。その二人が仲たがいするなんて。
Paperback Writer(ペイパーバックライター)/Rain(レイン)
1966年あたりは仲たがいするどころか、むしろ仲が良い。12作目はPaperback Writer/Rainです。A面、B面ともにクオリティが高いシングルです。当然、英米両国で1位を獲得しています。
A面Paperback Writerはポール作品、B面Rainはジョンの作品です。サイケデリック色が出てきたアルバム『リボルバー』制作時期に作られた作品で、B面のRainでその片鱗をうかがうことができます。個人的には、Rainくらいのプチサイケ感が心地よくて好きです。
このころになるとジョンとポールの作曲能力が拮抗してきます。このシングルなんかはまさにそう。RainがA面だって誰も文句は言いません。ただビートルズ的にシングルはアップテンポのナンバーでという考えがあったようで、Paperback WriterがA面を獲っています。
聞きどころ満載の2曲ですが、敢えて言うならポールのベースです。2曲とも誰もがうなるベースを披露してくれています。当時としては、衝撃のベースプレイだったのではないでしょうか。
Yellow Submarine(イエローサブマリン)/Eleanor Rigby(エリナリグビー)
13作目はYellow Submarine/Eleanor Rigbyです。2曲ともアルバム『リボルバー』に収録されている曲なのでシングルとしての印象は正直薄いです。シングルにする必要あったのかなと思っています。
2曲ともポールマッカートニー作だよ。
Yellow Submarineはポールが作り、リンゴが歌っています。もともと子供向けにつくられた覚えやすい曲で、これもビートルズの代表作のひとつです。この歌を知らない人っているのでしょうか?大人から子供まで、世界中で歌われていて、誰も傷つけず、ほんわか幸せになれる。
もしかしたらこういう歌のほうがImagineのようなメッセージソングよりも、世界平和に貢献しているんじゃないかと思えます。この曲を作ったポールはエライ!歌ったリンゴもすごい!
絵本や小物、なんかで「黄色い潜水艦」を見かけたことありませんか?ビートルズの影響で間違いないと思います。そもそもSubmarineがYellowなわけないですからね。
最後に、映画『イエローサブマリン』の中のEleanor Rigbyの映像(↓)は非常にカッコいい!
まとめ ビートルズ中期に突入 シングルにもポール色がではじめる
ビートルズが1965年から1966年にかけてリリースしたシングルを3枚紹介してきました。ジョンとポールのA面争いという点では、ポールに軍配があがります。このあたりからA面とB面のクオリティに差がなくなってきます。このあたりがビートルズのすごいところです。
ジョンとポールというワールドクラスのコンポーザーを二人も抱えているバンドです。考えてみれば、二人のA面奪取争いがおこるのも当然。そしてA面とB面のクオリティに差がなくなるのも必然ですね。まいりました。
そして最後に強引にベストシングルを決めます。この3枚の中からだと、Paperback Writer/Rainで異論はないかなと思います。「いや、待て、Yellow Submarineだろ!」という人もいるかもしれません。否定はしません。
以下、サイケデリックムーブメント前夜のおすすめシングルランキングです!
1位 Paperback Writer/Rain 2位 Day Tripper/We Can Work It Out 3位 Yellow Submarine/Eleanor Rigby
ぜひ、参考にしてみてください。
今回紹介した曲はベストアルバム『ビートルズ1』で聞けます!
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