本ブログのテーマはビートルズの人気を解き明かすことにあります。国家、人種、宗教、言語を超えて人類が1つになった体験は60年代のビートルズ現象だけです。これは、そのビートルズをいろんな角度から眺めることで、人類が仲良く暮らせるヒントをつけだすという壮大なプロジェクトです。
そのプロジェクトの1つとして今回は、ビートルズがリリースしたシングル盤を紹介することでそのヒントを探ります。そして大きなお世話かもしれませんが、この時期のビートルズのシングルをランキングして、ベストシングル盤を決めてしまおうという試みです。
1962年から1970年の活動期間中にビートルズがリリースしたシングルは22枚です。一気に紹介すると長くなるので、ここではCan't Buy Me Loveからヘルプ!までのシングルを紹介します。
イギリス国内でのリリースされたシングル盤に限定するよ
イギリス・リバプールから世界のアイドルとなったビートルズ
Can't Buy Me Love(キャントバイミーラブ)
前作、I Want to Hold Your Handがアメリカのビルボードで1位を獲得し、ビートルズはアメリカで本格的な人気を得ます。アメリカのテレビ番組『エドサリバンショー』への出演した1964年2月9日はアメリカの文化の転換点とも言われています。そんなビートルズ人気まっただ中にリリースされたのが、6作目のシングルCan't Buy Me Loveです。
もちろんイギリス・アメリカ両国のヒットチャートでも1位を記録しています。ちなみにこのCan't Buy Me Loveは史上最も予約枚数があったレコードとしてギネスブックに掲載されています。またビートルズがビルボード1位から5位まで独占したときの1位がこの曲です。
何かと記録ずくめなこの曲は、ビートルズの初主演映画『ハードデイズナイト』でメンバー4人が広場ではしゃぐシーンで使われています。あのシーンはなんだったんだろうと思いますが、インパクトは抜群。曲調もあいまって躍動感、若さがあふれるシーンとなっています。
曲自体は、シンプルなR&Bテイスト曲です。アンソロジーには別バージョンが収録されており、私はこっちのほうが好きです。ジョンとジョージの声が聞こえるからです。
B面はYou can't Do Thatだよ。
これはジョンの作品。
A Hard Day's Night(ア ハードデイズナイト)
7作目はジョンレノン作のA Hard Day's Nightです。この時代のビートルズの忙しさをそのまま歌っています。もちろんイギリスとアメリカの両国で1位を獲得している超有名曲です。ビートルズ初主演映画の主題歌としても有名です。
A Hard Day's Nightは超有名な曲なのですが、実はビートルの楽曲の中ではイレギュラーな存在です。というのは、途中でポールマッカートニーが歌っているのです。他にも途中でポールが出現する曲はあるのですが、このA Hard Day's Nightがイレギュラーなのは、ポールが歌うパートの部分もジョンが作っている点です。
なぜか厳密に守られるビートルズの「作った人が歌うルール」がA Hard Day's Nightでは適用されていません。ジョン曰く「キーが高かったから」とのことですが、珍しい曲であることは間違いありません。こんな有名曲なのに珍しいなんて、ちょっと嬉しくないですか?
何よりこの曲で注目すべきは、イントロのギターです。数多くのミュージシャンが挑戦すれど同じように音が出せない。どういう風に鳴らしたのか、ビートルズ側も覚えていないらしく謎のままです。こういうのいいですよね。
B面はThings We Said Todayだよ。
これはポールの作品。
I Feel Fine(アイフィールファイン)
8作目はジョンレノン作のI Feel Fineです。こちらも英米ともに1位を獲得しています。このころになるとビートルズはもう貫禄たっぷりです。どんな曲をだしてもヒットさせられたと思うのですが、決してクオリティを下げてないのがすごいです。
I Feel Fineはイントロのフィードバック奏法が有名です。ひらたく言うとギターのノイズです。このフィードバック奏法を使って録音された初めてのレコードがI Feel Fineとのこと。後年、ジミヘンドリクスやザフーよりも先にやった!と、ジョンが熱く語っているので間違いないでしょう。なんとなくですが、後年の実験的サウンドにつながるものを感じます。
B面はShe's a Womanだよ。
これはポールの作品。
Fish&chipsを食べながら歌っている映像もあるよ。
これがカッコいい!
Ticket to Ride(涙の乗車券)
9作目もジョンレノンの作品。Ticket to Rideです。この曲も英米で1位を記録しています。ジョン曰く「ヘビーなサウンド」の曲です。確かにヘビーなサウンドです。
Ticket to Rideの聞きどころは、リンゴスターのドラムです。ポールのアイデアとも言われていますが(たしか、ジョンも言ってました)、叩いているのはリンゴです。リンゴを称賛すべきでしょう。よく聞くとリンゴのすごさが分かるのです。ちなみにこの時期のリンゴはさえています。A Hard Day's Nightのタイトルを考えたものリンゴです。
Ticket to Rideはカーペンターズがカバーした曲としても有名ですね。
B面はYes It Isだよ。
これはジョンの作品。
HELP!(ヘルプ!)
10作目は超有名曲、HELPです。こちらもジョンの作品です。英米ともに1位を獲得しています。無敵です。2作目のビートルズ主演『ヘルプ!』の主題歌としても有名。ジョンレノンのお気に入りの作品です。
このころからジョンレノンの書く曲の歌詞に変化が現れます。当時親交のあったボブディランの影響を大きく受け、今までの恋愛ソングとはちょっぴり違ったレノン節ともいえる哀愁ある歌詞が見え隠れします。当のHELP!もその1曲です。
コンサートに来ても叫ぶだけで音楽を聞いてくれないファン、ゴシップを狙うマスコミなどにはうんざりしていたのでしょう。ジョンも語っているように、HELP!は本心の叫びだったようです。歌詞からもそれがうかがえます。ジョンが自分のことを歌い始めたのはこの曲からかもしれません。
こうした悩みのもとに作られたHELP!ですが、曲調は軽快です。コーラスが非常に素晴らしい。凝りに凝ったコーラスワークを聞かせてくれます。このコーラスの部分を切り取ってもビートルズは超一流であったことが分かる曲です。
B面はI'm Downだよ。
これはポールの作品だね。
まとめ ジョンとポールのシングルA面争いはジョンに軍配!
ビートルズがリリースしたCan't Buy Me Loveからのシングル5枚を紹介してきました。この時期、ジョンとポールの熾烈なA面争いがよく話題にされますが、この5枚だけをみると、ジョンが4枚でポールが1枚となりジョンに軍配があがります。やはり初期のビートルズはジョンレノンが中心だったのだと思います。
ただ、ポールマッカートニーも黙ってはいません。アルバム内に佳作をほうり込んできています。その代表曲がYesterday(イエスタデイ)でしょう。本当にA面争いが熾烈になってくるのは、この後のことです。
ということで、この5枚の中から強引にベストシングルを選出します。どの曲も世界的にヒットして、インパクトを与えた曲なので優劣はつけられません。好みの問題です。ということで、HELP!を選出します!
以下、世界のアイドル時代のおすすめランキングです!
1位 HELP!(ヘルプ!) 2位 A Hard Day’s Night(ア ハードデイズナイト) 3位 I Feel Fine(アイフィールファイン) 4位 Can’t Buy Me Love(キャントバイミーラブ) 5位 Ticket to Ride(涙の乗車券)
ご参考までに!
今回紹介した曲はベストアルバム『ビートルズ1』で聞けます!
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