ビートルズを聞いている皆さん。ビートルズのベストシングルって何だと思いますか?
- I Want to Hold Your Handかな?
- いやいやStrawberry Fields Forever/Penny Laneでしょ、普通
- Hey Jude/Revolutionもいいよね
と、まあヒット曲が多いがゆえにいろいろ意見はあると思います。雑誌や書籍を読み漁ってきた私の感覚としては、Strawberry Fields Forever/Penny Laneをベストシングルとする意見が多いかなと思います。
なぜでしょうね?メロディの良さなど理由は多くあると思いますが、それまでのビートルズソングと一線を画している点もベストに上げられる要因かなと思います。
歌詞が恋愛ものじゃないんです。
ジョンとポールが故郷のリバプールを懐古する歌を歌っています。これまでの多くの曲は恋愛ものだったのに、突然なぜ?と思いませんでしたか。今回は、その理由を探ります。
2曲ともアルバム『サージェントペッパーズロンリーハーツクラブバンド』制作時に作られた曲だよ。
1960年代の社会情勢が大きく関係している?
フラワームーブメントとドラッグカルチャー
Strawberry Fields Forever/Penny Laneがリリースされたのは1967年です。フラワームーブメントど真ん中。花柄のド派手な服を着たヒッピーたちがLoveをさえずり、中にはドラッグをもてはやす者もいました。ドラッグカルチャーなるものがあった時代です。
ムーブメント・カルチャーというかたちをとり、若者は逃れようとしていました。何から?
- キューバ危機
- 長く続くベトナム戦争
- 核実験
戦争や核爆弾の恐怖からです。
戦争や核爆弾へのそこはかとない恐怖、自分の手で拭い去ることができない不安がフラワームーブメントであったりドラッグカルチャーとして表出しました。
核爆弾を生み出した科学への反発
- どうして核爆弾を作ることができたのか?
- 科学技術の進歩があったからではないか?
- 科学きらい!
- 科学を操るエリートもきらい!
極端な解釈かもしれませんが、当時のムーブメントの根っこの部分には科学への反発があったんじゃないかなと思っています。
同時に科学の反対側にあるプリミティブなものや無垢なるものへの信仰が生まれます。
ヒッピーたちがやたらと野宿したりドラッグと用いたりしていたのは、自分自身を科学から解き放つためです。サイケデリックミュージックなど、音楽もドラッグカルチャー寄りになっていきます。我らがビートルズもサイケデリックに走っています。
科学に毒されていない存在としての子供
子供はいつだって衝動的でプリミティブです。うれしいときは喜び、悲しいときは泣きます。科学的根拠?データ?そんなの関係ありません。科学に毒されていない存在です。
ジョンレノンがストロベリーフィールズフォーエバーで自身の幼少期を歌ったのも、歌詞による科学からの解放でした(少々強引ですか?)。
Nothing to get hung about~~
そう考えれば、歌詞もそのようなことを言ってるっぽくないですか。ジョンレノンは、無垢なるものを歌っています。
一方、ペニーレインのポールマッカトニーはどうでしょうか?ジョンのストロベリーフィールズフォーエバーに触発された作品です。歌詞はポールが子供のころに見たリバプールの風景の描写です。なんとも純粋です。こちらもやはり「無垢なるものソング」だと思います。
結論 歌詞が突然幼少期なのは当時のムーブメントの影響があった
つらつらと書いてきましたが、まとめると…
- 戦争、核爆弾が怖い
- 爆弾を生み出した科学きらい
- 科学から逃れる手段としてのフラワームーブメントやドラッグカルチャー
- 科学への反発からの無垢なるもの信仰
- 子供は無垢だ
- 子供のころのことを歌おう!
我ながら、刺激的な論理展開です。
時代の先頭を突っ走てきたビートルズとはいえ、当時のムーブメントの影響は少なからず受けているはずです。特にドラッグカルチャーの影響はビートルズ内でも大でした。
この2曲の歌詞については、無垢なるものを歌うという意図があったんじゃないかな、と思う今日この頃ですが、いかがでしょうか?
リバプール懐古は『サージェント~』のコンセプトだったみたいよ。
なくなっちゃってるけどね。
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