ビートルズの名曲 歴史を変えた4つの名曲を厳選して紹介します

ジョンレノン

ビートルズの楽曲は全部で213曲あります。「多いねー」と思いました?聞きこんだ今でこそ、213曲は少すくないなぁ、なんて思うのですが、ビートルズに興味を持ち始めた最初のころの感想は、「多いねー」でした。

だから「何から聞こうかな」なんてことも思いました。そこで今回は必ず聞いておきたいビートルズの「歴史を変えた名曲」を厳選して4曲ほど紹介します。

ビートルズとは?名曲を作り出した4人のメンバーを紹介。

でも、その前にビートルズの概要をざっくり、そして4人のメンバーの紹介をざっくりさせてください。

ビートルズは1960年代に活躍したイギリスのバンドです。レコードやCDの総売上枚数は10億枚を超えると言われていますが、売れすぎて数えられていないというのが実情だそうです。ビートルズの偉大な記録についてはこちら「「ビートルズの凄さがイマイチわからない」を解決します」を見てください。

こうした数々の記録に加えて、人々の考え方や暮らし方といった文化面にも影響を与えたのがビートルズです。権威を徹底的に茶化し、自由奔放に振る舞う姿は、1960年代当時の人々に大きな影響を与え、それが今現在もいきづいています。こんな感じのビートルズは4人のメンバーで構成されています。ざっくりと紹介です。

ジョンレノン(John Lennon)

ビートルズのリーダー。リズムギターを担当しています。皮肉屋で、切れ味抜群のジョークが特徴。恐ろしいほどのカリスマ性をもち、現在カリスマとあがめられているアーティストがカリスマと仰ぐ人物です。パートナーでありライバルでもあったポールマッカートニーと共同で超有名曲を多数生み出しています。ビートルズ解散後もImagineなどの名曲を世に送りだした天才。

ポールマッカートニー(Paul McCartney)

ビートルズのベーシストのポールは、世界最高の作曲家です。ビートルズの超有名曲 YesterdayやHey Jude、Let It Be はポールの手によるもの。ジョンやジョージハリスンに言わせれば少々押しが強い面もあるとのことですが、それもこれもビートルズ愛にあふれているからこそ。ビートルズ解散後も数々のヒット曲を生み出しており、令和の今もなお現役のモンスターミュージシャンです。

ジョージハリスン(George Harrison)

リードギター担当。ビートルズの仕事人。ビートルズ初期のころは、ジョンとポールの影に隠れあまり目立たない存在でしたが、中期・後期あたりからメキメキと名曲を生み出すようになります。インド音楽をロックに持ち込んだり、エリッククラプトンなどの外部のミュージシャンをビートルズのレコーディングに招いたりといった功績もあります。

リンゴスター(Ringo Starr)

コミカルで癒し系なリンゴはドラム担当です。リンゴのとぼけたキャラクターがバンドの人間関係を潤滑にしていたと言われています。過去、「ビートルズの中で2番目にドラムが上手い」などと不当な評価をされていたこともありましたが、今では高い評価を得ています。ちなみにリンゴは芸名みたいなもの。本名はリチャードスターキーといいます。

と、いったところで少々前置きが長くなりましたが、「歴史を変えた4曲」を紹介いたします。

I Want to Hold Your Hand(邦題:抱きしめたい)

まずはこの曲 I Want to Hold Your Hand です。聞いたことありますかね?きっとどこかであると思いますよ。1963年の年末にリリースされた曲で、世界中で爆売れした曲です。アメリカでは1時間に1万枚のペースでレコードが売れたとも言われています。

爆売れもさることながら、この曲の何がすごいって、あのアメリカ合衆国をビートルズ一色に染めたところでしょうか。1960年代当時、経済的にも文化的にもアメリカの独り勝ち状態で、音楽もアメリカ産のものしかヒットしない状況だったんです。

そこによくわからない4人組のイギリス人が突如として現れ、「アワナホーデョハァ~~ン」で、アメリカ中をキレイにビートルズ一色に染め上げたんですね。すごいですねー。

その染め上がりかたは半端じゃなく、ビートルズが初めてアメリカのテレビ番組に出演した時間帯は若者の犯罪発生率が0%になったとも言われています。なかば都市伝説っぽいですが、それだけビートルズに向けられる関心が高かったということですね。

I Want to Hold Your Handによるアメリカ制覇をきっかけに、ビートルズの人気は巨大なものになり、世界中でビートルズ現象なるものを引き起こすんです。「ん?ビートルズ現象って?」と思うかもしれませんが、ひらたく言うとビートルズが影響力を持っているということ。

そして何がすごいって、そのビートルズ現象って、令和の今もまだ終息してないんですね。近年の名作アルバムの再リリースや映画の公開なんかもありましたしね。1970年の解散から50年以上たった今でもまだビートルズって話題に事欠くことがないというのは他のアーティストではちょっと考えられないんですよ。そのきっかけとなったという意味で I Want to Hold Your Hand はやっぱり外せない曲なんです。

Yesterday

続いてはYesterdayです。この曲は聞いたことあるんじゃないでしょうか。1965年にリリースされた作品で、今では学校の教科書にも載っているくらいスタンダードになっている曲です。「さすがにこの曲はしってるよ!」というかたも多いと思います。

一度聴いたら忘れられない美しいメロディを持つこの曲は、世界で最もテレビやラジオで流された曲であり、最も多くミュージシャンからカバーされた曲だそうです。ちなみにビートルズはこの曲を本国イギリスではシングルカットしていません。なぜだと思いますか?

ロックンロールバンドとしての自負があったからなんです。美しすぎるメロディとアコースティックギターにストリングスといった構成は「ロックンロールじゃない!つまりビートルズっぽくない」との判断がなされたです。だから、アルバム『Help!』の13曲目というなんとも中途半端な位置に収録されています。

ただ、世界はYesterdayを無視しませんでした。隠しても隠し切れないこの名曲はすぐに話題を呼びます。そして、この曲を通じて、世界はビートルズのロックンロールじゃない部分を発見することになるんです。今までの若く荒々しい印象から「あれ、センス良くね?」というふうにみられるようになっていくんです。

ロックが芸術に昇華するには、アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』まで待たなければなりませんが、このYesterdayをきっかけにビートルズのイメージはアーティストへと変貌していきます。1960年代初期、ロックンロールを芸術と捉えるにはあまりにも「違和感があり」でしたが、それが今ではどうでしょう。ビートルズの作品なんて堂々と芸術ですからね。ということで、Yesterdayでした。

Love You To

3曲目は、Love You To です。前の2曲とは違って少々マニアックな感じがしますね。でも重要な曲だと思うので、紹介します。この曲はビートルズ7作目のアルバム『Revolver』に収録されている、仕事人ジョージハリスンの曲です。どんな曲かというと、「インドど真ん中」な曲。全編タンブーラとかシタールといったインド楽器で演奏されている楽曲なんです。

このころ、ジョージは完全にインドの楽器にハマっており、音楽もインドな感じで攻めてきます。ハマったきっかけは、2作目の主演映画『Help!』の撮影小道具にあったインドの楽器シタールを手にしたこと。オリエントな音色がジョージの心を打ったのでしょう。そこからシタールの練習を重ね、初めてレコーディングで使われたのが、ジョンの名作 Norwegian Wood(ノルウェイの森)です。これが何とも幻想的な雰囲気となり大成功。そこからインドが加速していき、楽曲まるごとインドに仕上げたのがこの曲 Love You To です。

これだけ聞くと、「ちょっとまって、ただジョージがインドにハマっただけじゃないの」と思いますよね。そうではないんです。ジョージのインドへの傾倒は、ビートルズを語る上でとても重要なのです。

ジョージのインド傾倒は音楽だけでなく哲学にも及びます。インドの叡智を学ぶため、ジョージはインドに渡ります。しかもメンバーを引き連れていっているところがまたオモシロイ。1960年代中頃、まあまあ長期間ビートルズはインドに滞在しています。果たして他のメンバーはどう思っていたのでしょうね。

何事にも熱中しやすいジョンはノリノリで意外と長く滞在したようです。ポールは、コツをつかんだと言ってある程度滞在して帰国しました。リンゴは「メシがまずい」といって早々に帰っています。4者4様、オモシロいですね。

ともあれ、この時期のビートルズはジョージの影響でインドかぶれになっており、作成する曲もインドよりな感じになってきます。10作目のアルバム『The Beatles(通称:ホワイトアルバム)』なんて、インドな香りがプンプンしていますよね。そして、ビートルズがオリエンタルなものに影響を受けたとなると、音楽業界もそこに合わせるようにオリエンタルに近づいていきます。色んな国の楽器を使い始めるようになり、音が多彩になりロックの幅が広がったわけです。

そうしたトレンドを作ったのがジョージハリスンだと私は思っており、やっぱりLove You Toなんじゃないかと思っています。だからやっぱり外せない曲なんです。

Strawberry Fields Forever

最後の1曲はStrawberry Fields Foreverです。リリースは1967年でジョンレノンの作品です。時はサイケデリックムーブメントの真っただ中にあって、この曲もサイケデリック感満載の曲です。「サイケデリックミュージックってなにーー?」ってかたに説明すると、明確な定義はないのですが、なーんか不思議な感じがする音楽だとなんとなく思っていただければ大丈夫です。

この曲は、幼少期のころをテーマにしています。聞いてもらえればお分かりのように、なんかどんよりと暗ーい雰囲気の曲ですよね。エネルギーに満ち溢れた感じじゃありません。とてもじゃないけど、半ズボンに裸足でそこらじゅうを走り回る元気いっぱいの少年は思い浮かびません。どちらかというと「幼少期にどんな嫌なことがあったのよ?」と思わせる感じの曲です。

実は、そこがポイントなのです。世界中で人気を獲得し、権威を茶化し、奔放にふるまっていたビートルズ。そのリーダー、ジョンレノンの心の闇が垣間見れる曲なのです。事実、ジョンの生い立ちは決して恵まれたものではありませんでした。父親は早々に家を出ていき、母親とは5歳の時に離ればなれとなります。このことが幼いジョンの心に影を落としたんだと思います。

そんなジョンを引き取って育てたのが母親の姉、つまり伯母のミミです。ジョン曰く、「ミミ伯母さんは口うるさい」とのこと。ある程度厳しく育てられたことがうかがえます。それが少年ジョンレノンには窮屈だったのかもしれません。ミミ伯母さんから逃げて一人になるため、近所の孤児院に忍び込んで遊ぶようになります。その孤児院の名前がStrawberry Fieldsでした。Strawberry Fields Foreverという曲には、ジョンのそうした悲しい幼少期の思い出が込められているんです。

ビートルズを語る上でこの曲は欠かせません。この曲の存在によって、明るく楽しいだけがビートルズじゃなく、シリアスな一面も持っているということに気づかせてくれるからです。そこに我々はビートルズの「深み」や「幅広さ」を感じるわけですね。Strawberry Fields Foreverはそんな曲です。だからやっぱり欠かせないんです。

以上、必ず聞いておきたいビートルズの「歴史を変えた名曲」を4選でした。

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