ビートルズの人気の秘密が気になるあなた。ビートルズの歌唱力を見逃してはいませんか?クイーンのフレディマーキュリーも凄いけど、ビートルズもなかなか聞かせてくれますよ。
特にコーラスワークが素晴らしい。そこでこの記事では、ビートルズの革新的な(ちょっと変わった)コーラスが聞ける2曲を紹介します。
ビーチボーイズのコーラスとはひと味ちがうビートルズのコーラスをぜひ!
よく聞くとちがう歌が聞こえるペイパーバックライター
ペイパーバックライターは、ポールマッカートニーによる1966年の作品です。冒頭、中間部、エンディングの”Paperback writer~”の箇所のコーラスが有名な曲なのですが、ここで紹介するのはその部分のコーラスではありません。
曲の3番目、ポールが歌う”If you really like it you can have the rights,~~”の部分のコーラスです。ジョンレノンとジョージハリソンによるものだと思うのですが、彼らはペイパーバックライターとは全く関係のない歌を歌っています。
コーラスとはその歌の歌詞の一部を歌うものだと、頭のどこかで思っていたのですが、そんな私の勝手な思い込みをビートルズは完全に打ち砕きました。調べてみると、歌われているのはフランスの民謡「Frere Jacques」(フレール・ジャック)でした。
日本だと「グーチョキパーで何つくろう」でお馴染みのあの歌です。
ペイパーバックライターのコーラスの真実を知った当時の私の感想は、
そんなのありなんだ!でした。ビートルズは自由です。
ビートルズにとって既成概念なんてものは破壊の対象だったのでしょう。ペイパーバックライターは革新的なコーラスワークを聞かせてくれます。
A Day in the Lifeなど、後にビートルズは別々に作った曲を合体させて1曲に仕上げることするのですが、もしかしたらこのペイパーバックライターがその最初の曲かもしれません。
ちなみにこのペイパーバックライターからポールのベースの音が分厚くなります。そのあたりも聞きどころのひとつです。ぜひ、注意して聞いてみてください。
次の歌詞のガイドをしてくれるヘルプ!
次に紹介するのはジョンレノンが作ったヘルプ!です。1965年リリースの作品です。この曲のコーラスは、ペイパーバックライター的な「全く違う歌コーラス」ではありません。どちらかと言うと正しく歌詞の一部をコーラスしています。
どこが革新的なんだろう?
次にくる歌詞を先にコーラスで歌っているのです。
なんと、追いかけコーラスならぬ先取りコーラスが採用されています。コーラスの後にジョンレノンの歌がついてくる感じです。しかもそれだけではなく、追いかけコーラスも採用されています。このヘルプ!という曲は、コーラスの宝石箱です。
ジョンが歌う歌詞の周りをコーラスが先に行ったり、後から追いかけたり、同時に歌ったりと。それはもう忙しい。凝りに凝ったコーラスワークで、まったく手を抜いていません。ビートルズはコーラスの部分でも超一流のミュージシャンであることが分かる1曲です。ぜひ、一聴を!
まとめ ビートルズの革新性はコーラスワークにも宿っている
今回の記事では、ビートルズのコーラスワークに焦点を当てました。
- ペイパーバックライター(1966年リリース)
- ヘルプ!(1965年リリース)
今回、紹介したこの2曲は、新しい音作りを始めつつあった時期に作られた曲です。テープの逆回転などのレコーディング技術による音へのこだわりより先にビートルズは自分たちの声を利用した新しいサウンドを追求していたように思います。ジョンのNowhere Manもこの時期の曲で、コーラスが非常に美しい曲です。
ビートルズを聞くたびに新しい発見があるのは、今回のコーラスのように一曲一曲にみごとな仕掛けがほどこされているからです。その仕掛けをひとつずつ発見していくのがビートルズを聞く楽しみでもあります。
世に知られていない仕掛けはまだまだあると思います。第一発見者には、自分の名前が付けられるといったサービスをアップルミュージックはそろそろやるべきではないかと本気で思っています。
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もう少しビートルズを詳しく知りたい方は、歴史を押さえておきましょう。10分で分かるバージョンを用意しております。そして、忘れちゃいけない名曲ぞろいのシングルの歴史もあります。
手っ取り早くビートルズの最高傑作を知りたい方は、ロックの専門誌「ローリングストーン」誌が選出したオールタイムベストアルバムの記事を読んでください。ロックを含むポピュラー音楽史の中で評価の高いアルバムをランキング形式で紹介しています。
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