【ビートルズの隠れた名曲】梅雨に聞きたい Rain(レイン)

ジョンレノン

6月、梅雨ですね。湿気が多くて、じめじめ嫌ですね。そんなじめじめを吹っ飛ばすビートルズ(The Beatles)の隠れた名曲を紹介します。

Rain (レイン)です。

恋愛、哲学、超瞑想、ドラッグ、犬に豚に鳥…、ビートルズは楽曲にいろんなテーマを扱っていますが、気象情報も扱っているんです。まことに守備範囲が広い。

今回のこのRain(レイン)、日本語に翻訳しますと「雨」。梅雨時にぴったりのテーマなので、少しばかり紹介いたします。この記事のながれはこんな感じ。

  • Rainってどんな曲なの?どんな歌詞なの?
  • Rainの聞きどころは?
  • Rainを聞くならこのアルバム!秀逸なカバーも紹介!

さくっと紹介したいと思います。

実はこのRainという曲、ビートルズ史の中でも超重要曲なんです。ポップとサイケの境界線にあって、決してキャッチーではないけどクセになる、そんな曲です。

では、さっそく。まずはRainの概要から。

テープの逆回転を利用したプチサイケデリックソングの最高峰

Rainってどんな曲?

Rain がリリースされたのは1966年6月10日。12枚目のシングル Paperback Writer のB面としてリリースされました。作詞作曲のクレジットは、レノンマッカートニー(Lennon McCartney)ですが、主にジョンレノン(John Lennon)の作品として知られています。

この曲が凄いのは「テープの逆回転」を利用した初の楽曲であること。「テープの逆回転」とは普通に演奏して録音したテープを逆回転再生をすることで、なんとも不思議な音が生み出されます。

逆回転による不思議な音は偶然の産物だったのですが、以降、味をしめたビートルズのメンバーはいろんなものを逆回転させています。

有名なのは、I'm Only Sleeping と Tomorrow Never Knows。見事にギターの演奏を逆回転です。変わったところでは、Strawberry Fields Forever。なんとシンバルの音を逆回転させています。

では、このRain は何を逆回転?

声を逆回転させています。曲の最後の部分のジョンのボーカルを逆回転です。だからよーく聞いてみると、英語じゃない。唸り(うなり)声のようなものが聴けるのです。

Rainの歌詞はどんな歌詞?

最後の逆回転の唸り(うなり)の部分は置いておくとして、この曲は何を歌っているのでしょうか。歌詞を見てもらうと分かると思いますので、少し引用します。

If the rain comes they run and hide their heads
They might as well be dead
If the rain comes, if the rain comes
When the sun shines they slip into the shade
And sip their lemonade
When the sun shines, when the sun shines

歌詞の解釈を考え出すとと、埒(らち)があきませんので、ここでは深入りしませんが、「天気に一喜一憂する人々」が歌われています。うーん、なんとも哲学的。

やはりただのお天気ソングではなさそうです。

そりゃそうですよね。ボブディランの洗礼を受けたジョンが作ったのですから。歌詞に登場するThe RainとThe Sunは何かの象徴っぽいですね。さて何でしょうか。

ということを踏まえて、次はサウンドに焦点を当てたこの曲の聞きどころです。

聞きどころはポールのベースとリンゴのドラム

ビートルズは演奏がヘタ!

誰が言ったか、都市伝説的に語られるこの話。ビートルズの唯一の弱点的に扱われることもありますが、まずはRainを聞いてから発言してもらいたいですね。

Rainでのビートルズの演奏は伝説です。

まずはリンゴスターのドラムに耳を傾けてください。「ドラムソロを聞くためにレコード買う奴なんていないだろ」とドラムソロの演奏に否定的な彼でさえ「ベストプレイだった」と認めるほどのドラミングです。

ポールマッカートニーのベースも鼻血がでるくらい秀逸です。ベースが踊っています。ポールは、やはり最強のベーシストです。この曲で確信できます。

リンゴのドラムとポールのベースだけでも凄いのに、そこにジョージハリスンのギターが加わります。この時期(中期ビートルズ)、ジョージはインド方面に夢中なので、自然とギターもインドな装い。これがまた幻想的な雰囲気をもたらしています。

そしてジョンのボーカルです。絡みつくようなボーカルは、他の3人の演奏を飲み込み、混然一体となって我々の耳に聞こえてきます。

恍惚の瞬間です。

サイケデリックど真ん中な曲ではないけれど、間違いなくプチ・サイケデリックソングの最高峰に位置する曲です。聞けば聞くほどクセになるとはこの曲のためにあるのかもしれません。

それほどまでにクセが強い。

Rainを聞くならこのアルバム!

ビートルズは基本的にシングル曲はアルバムに収録をしないという方針があったため、アルバム未収録のシングルが収録されています。ほぼ、ベスト盤といっても過言ではない内容の作品集です。『ビートルズ1』や赤盤、青盤がでるまではこのアルバムで、She Loves YouやI Want to Hold Your Hand、Hey Jude、Let It Beといったシングルを聞いていました。

Rainが収録されているアルバムは1枚だけ。公式に発表されているベストアルバムにも収録されていないどころか、オリジナルアルバムにも未収録です。

収録されているのは、『パストマスターズ』のみです。

『パストマスターズ』はオリジナルアルバム未収録のシングル曲を収録した企画盤で、ほぼオリジナルアルバムのような扱いをされているアルバムです。

Rainが聞けるのはこの『パストマスターズ』だけです。名曲なのになぜ?もったいない!もっと多くの人に届けるべきだと思うのは私だけでしょうか?さらに、突っ込んで意見申し上げると、

『リボルバー』に収録しなかったのはなぜ?

レコーディングの時期は『リボルバー』制作のセッションだったはずです。それなのになぜ?もう14曲あったから?(B面だけど)シングルでリリースしたから?

確かにそういう暗黙のルールはあったのかもしれないけど、少々ね、固いこと言わずに、収録しちゃえ!みたいなのなかったのでしょうか。

もしRainが『リボルバー』に収録されていたら、『サージェントペッパーズロンリーハーツクラブバンド』を超える名盤になっていたかもしれないのに…。まったく惜しいことをしたものです。だからRainの収録は『パストマスターズ』だけです。

Rainのおすすめカバーを紹介

最後に、Rainのおすすめカバー曲を紹介します。もともとの曲が良いからどんなカバーの仕方をしてもよく聞こえそうなのですが、ここで紹介するRainはちょっと違います。

『Magical Beatles Covers』です。

イタリアで活動するビートルズのトリビュートバンド、THE BeeTLE PIESによるカバーアルバムで、独自の感覚でアレンジが施されており、センスの良さを感じます。

Rainのカバーもさることながら、それ以外の楽曲もおすすめなんです。A Day in the Lifeなんて超おすすめ!ビートルズを知らない人でも楽しめる非常に良質なカバーアルバムです。興味がある方はぜひ聞いてみてください。

以上、梅雨に聞きたいビートルズの隠れた名作 Rain でした。

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