活動期間わずか8年くらいの間に数々の名曲を残してきたビートルズ(The Beatles)ですが、意外と曲名はテキトーにつけられているっぽいです。
テキトーというとちょっと語弊がありますが、あまりひねられていないとでも言いましょうか、曲の歌詞がそのままドーンとタイトルになっているパターンが多いのです。
例えば、有名どころだと、YesterdayとかHelp!とかLet It Be…。これらは歌詞の一部がタイトルになっています。曲のタイトルを考える手間が省けるので、楽と言えば楽なのですが…、サウンドの細部にまでこだわっていたビートルズにしては、なんだか意外な感じがしますね。
と、いうことで今回は、歌詞がそのままタイトルにドーン!のパターン以外の曲をメンバーごとに紹介したいと思います。ここで紹介する曲は、歌詞が曲名になっていない曲です。それはつまり、タイトルを考える手間をかけている曲、タイトルにこだわっている曲です。
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では、さっそく。まずはポールマッカートニーの曲から。
Hello, Goodbye くらいしか見当たらないポールマッカートニー
ポールマッカートニー(Paul McCartney)の曲を改めて聞き、曲名に歌詞以外のものが使われている曲を探してみました。結果は以下の通りでした。
- Hello, Goodbye
うーん、少ない。そうです、Hello, GoodByeだけでした。
ポールと言えば、ジョンレノン(John Lennon)と並びビートルズを牽引してきた存在です。ビートルズ時代に単独で手掛けた作品は70曲もあります。にも関わらず…、Hello, GoodByeだけ。つまり69曲は歌詞がそのままタイトルになっています。
Hello, GoodByeもいうなればギリギリです。だって、HelloもGoodbyeも歌詞に使ってますからね。Hello, GoodByeと続く歌詞がないからギリギリセーフですが、かなりグレーなところ。
歌詞をそのままタイトルにドーン率は、約98.6%です。良いのか悪いのかドーン率100%は、なんとか回避しました。
ちなみにHello, GoodByeは、もともとHello, Helloというタイトルだったのですが、なんか違和感を感じて今のタイトルに落ち着いたようです。なんか違和感の部分はわかりませんが、ハローハローだと、電話の"もしもし"感があるので変更したんじゃないかとにらんでます。
ジョージハリスンは3曲だけ
続いてビートルズの第三のコンポーザー、ジョージハリスンの作品です。歌詞の一部がタイトルにドーンじゃない曲は以下の通りでした。
- Love You to
- The Inner Light
- For You Blue
ご覧の通り、ジョージハリスン(George Harrison)の作品は3曲だけです。ただ、For You BlueはポールのHello, Goodbyeと同様に歌詞に使っているワードを引っ付けただけのもの。
Love You toもかなり怪しい。歌詞の一部に" I'll make love to you "とあるので、ここをちょこちょこっと変えてタイトルにしたのかもしれません。そうなるとドーンじゃないタイトルの曲は、Tne Inner Light だけかもしれません。
でもまあ、ポールの時もグレー扱いしたので、ジョージもそれにならうことにします。なので、ドーンじゃない曲は3曲です。
ジョージはビートルズ時代に22曲作っているので、19曲が歌詞の一部をタイトルにしています。だから歌詞をそのままタイトルにドーン率は約86.3%という結果でした。ポールの98.6%よりはまだ健闘しています。
続いてジョンレノンの作品です。
言葉にこだわったジョンレノンも6曲だけ
さて、おおとりはジョンレノンです。メンバーのだれよりもボブディランの影響を受け、言葉というものにこだわってきたジョンの作品をどうなんでしょうか。歌詞の一部がドーンじゃない曲は以下の通りです。
- Tomorrow never knows
- A Day in the Life
- Being for the Benefit of Mr. Kite!
- Yer Blues
- The Continuing Story of Bungalow Bill
- The Ballad of John and Yoko
ドーンじゃない曲は6曲です。これを多いと受け止めるのか、少ないと受け止めるのか意見がわかれるところですね。個人的には少ないかな。もっとがんばってほしかった。
ジョンはビートルズ時代に単独で75曲作っているので、歌詞の一部をタイトルにドーンな曲は69曲です。ロックですね。つまり歌詞をそのままタイトルにドーン率は92%という結果でした。
ただ、ジョンのすごいところは、まったく歌詞に出てきていない言葉でタイトルを作っているところ。Tomorrow never knows、A Day in the Life、Yer Blues、The Ballad of John and Yokoの4曲がそれにあたります。
The Ballad of John and Yokoはそのままな感じは否めませんが、Tomorrow never knowsやYer Bluesは曲調と歌詞とのバランスが絶妙です。特に秀逸だと思うのがA Day in the Life。あの曲のタイトルは、まさにこれ以外にないという感じです。
まとめ 歌詞の一部からドーンはこだわりなのかもしれない
以上、歌詞がそのままタイトルにドーン!のパターン以外の曲をメンバーごとに紹介してきました。ちなみにリンゴスター(Ringo Starr)はドーン率100%です。ビートルズ時代の単独作がDon't Pass Me ByとOctopus's Gardenの2曲のみなので、ここでは割愛しました。
では、あらためてジョン、ポール、ジョージの歌詞の一部をドーン率を見てみましょう。
- ポール 70曲中69曲 ドーン率 98.6%
- ジョージ 22曲中19曲 ドーン率 86.3%
- ジョン 75曲中69曲 ドーン率 92.0%
率だけでみるとジョージがもっともこだわっているように見えます。ただ、分母と中身を考慮すると最もこだわっているのはジョンとも言えますね。
色々と解釈できそうですが、ただひとつ言える事実は3人ともドーンが高いということ。こうなってくると逆に歌詞の一部をタイトルにするというこだわりがあったんじゃないかと思えてきます。その観点だと、ポールが最もこだわっているのかもしれません。
うーん、ビートルズに関する議論は尽きませんね。
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