ポールマッカートニーが作ったビートルズ時代のサイケデリックソング 4曲

ビートルズの曲

「明るくて楽しい!」はビートルズの一側面。実は、怪しい曲もたくさん作っています。それは、いわゆるサイケデリックミュージックとよばれる曲で、1960年代という時代の影響を大きく受けた作品たち。幻覚剤や怪しい草を使ったことで得られる作用を音楽で表現したものですね。

中期ビートルズには、怪しい薬の影響下で作られた曲がどっさりです。道徳的にも社会的にも褒められたカルチャーではないですが、名曲が多いのも事実です。その名曲の多くは、ジョンレノン作。予想通りの展開ですね。

ただ、ポールマッカートニーが怪しい曲を作ってないかと言えばそうではなく、多くはないものの作っています。今回は、そんなポールが手掛けた怪しいやつを4曲ほど紹介します。クリーンなイメージが先行するポールですが、攻めてます。それではさっそく!

YouTubeもやっています。ぜひ見てください。

怪しい草の歌で確定 Got To Get You Into My Life


まず1曲目は名盤中の名盤、アルバム『Revolver』からこの曲です。アップテンポでブラスセクションが印象的な Got To Get You Into My Life 。この曲は大豊作な『Revolver』にあっても屈指の名作です。ジョンのお気に入りの1曲でもあり、

Paul. I think that was one of his best songs, too, because the lyrics are good and I didn’t write them. You see? When I say that he could write lyrics if he took the effort– here’s an example.
(ポールの曲。これも彼のベストソングのひとつだね。歌詞が良い。俺が書いたんじゃないよ。わかるかい?彼だって頑張れば書けるんだ、例えばこんな感じにね。)

1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューでこのようにおっしゃっています。歌詞をほめていますね。実はこの歌詞、怪しい草について書かれたもの。1980年にポールが所持していて日本で逮捕されたあの草です。さらりと歌詞の字面だけみても気づかないかもしれませんが、後年ポールが怪しい草の歌だと述べています。

曲の雰囲気的にサイケデリックミュージックかと言われれば、素直に肯定できないかもしれませんが、間違いないのはドラッグソングだということ。その点はクロですね。

個人的にテーマが幻覚剤のLSDじゃないのがオモシロイと思っています。ジョンレノンとジョージハリスンのLSD体験は1965年ごろで、この幻覚剤の影響が『Revolver』の音楽に影響していると言われています。特にジョンは Doctor Robert や Tomorrow Never Knows といったバリバリのやつを作っているのですが、そんな中でのマリー&ファナです。

ちなみにジョンとジョージは、1965年の北米ツアー中に再度LSDを体験します。そこで二人の中では「ポールとリンゴにもやらせなきゃ」となったらしいのですが、なぞの展開です。仲が良いのもほどがあると言いましょうか…。

まあ、そこでポールが拒否したらしく、それでGot To Get You Into My Lifeはマリー&ファナなのかなと思う今日この頃です。ということで1つ目の怪しい曲でした。もちろん、怪しい草も薬も絶対だめです。

歌詞に疑惑あり!? With A Little Help From My Friends


2曲目は奇跡の名作アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』からリンゴスターが歌うご機嫌なナンバーです。作者はポールですが、一部ジョンも手伝っているそうです。この曲も疑惑ありの作品です。

サウンドが幻覚的なバリバリのドラッグソングというわけではないのですが、歌詞の一部が「良くない吸引物」の使用を示唆しているようなのです。歌詞の引用です。

I get high with a little help from my friends(友達の助けをかりてハイになる)

この「get high」の部分がそうですね。おそらくですが、A Day In The Lifeの「Turn you on」と同様に、意識的にこの言葉をポールは使っています。当時、徐々に勢いづいてきたヒッピーたちへのメッセージだったのかもしれません。とある書籍は「ヒッピー・ムーブメントへの仲間意識」と表現しています。当のポールはこの部分の歌詞についてどういっているかと言うと、

当時はマリファナの時代だったから、軽く触れないわけにはいかなかった。

完全にそう言うことでした。どちらかと言うとほんわかしたこの曲に、隠れメッセージ的にダークなものを混ぜてくるあたりが、さすがです。いたずらっ子です。アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』からにじみ出ているサイケデリック感はサウンドだけでなく、こうした歌詞にも仕掛けがあるからなんですね。

こうした怪しい歌詞がありつつも、この曲は実にいい曲です。ビートルズ時代のリンゴの代表曲と言ってもいいかもしれません。作者のポールもお気に入りの様子で「リンゴの曲の中ではいちばんのでき」と言っています。近年のリンゴのコンサートでも定番の曲ですね。ということで、With A Little Help From My Friends でした。

ジョンレノンもほめた秀逸な歌詞 Fixing a Hole

アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』からもう1曲。Fixing a Hole です。直訳すると「穴を埋める」とか「穴を直す」になります。曲のタイトルとして、あまりふさわしくないような…、気がしませんか。かく言う私は、この曲を謎の曲だと思っていました。

まだ、ヒッピー・ムーブメントだとかサイケデリックミュージックだとかの言葉を知らなかった若かりし頃の私は、この曲のタイトルに関して頭をひねるばかり。だって曲名が「穴を埋める」って、意味不明じゃないですか。ちらつくのは裁縫のイメージです。

でもこれ、背景に不適切なトリップ文化があるんですよね。Fixing a Hole。調べるとスラングで「薬物の注射痕」だそうです。ここでいう薬物とは、不健康になるほうのやつ。加えてFix という言葉には「ヘロ&インを打つ」という意味があるのだとか。この曲名がこのスラングをズバリ意識したものだとすると、ポール、攻めすぎです。

そうなると不思議とサウンドもドラッグな感じがしてきます。エコー多めのポールのボーカルなんて浮遊感たっぷり。トリップ感を演出しています。

作者のポールはこの曲について「自由な精神で曲を作ろう」と励ましたのもだと語っています。抽象度が高い歌詞は、なんだか哲学的なメッセージが込められているようであり、その点をジョンに「ポールもやればできる」と褒められたとか。そうなると、ドラッグは関係ないのかな。

それでもやっぱり、怪しいこの曲。根強くヘロ&インがテーマ説がささやかれていたのですが、ポールはこれを力強く全面的に否定しています。ポール曰く「強いて言うならマリ&ファナだ」。そういうことじゃないような…。ということで、Fixing a Holeでした。

真実は闇の中 Yellow Submarine

最後は再び『Revolver』からリンゴが歌う超有名曲 Yellow Submarine です。作者はポールマッカートニー。シングルとしてもリリースされており全英1位を4週獲得しています。誰でも一度は耳にしたことがあるであろうこの曲もまた、ドラッグソング疑惑があります。

サウンドはほんわかしたものであり、歌詞は「黄色い潜水艦で暮らす人々の話」です。一般的には子供向けの作品とされているのですが、バリバリのサイケデリックアルバム『Revolver』に収録されていることもあってか、一部の方々の間ではドラッグを暗に示す歌だと解釈されていたようです。

当時、Yellow Submarine という名で呼ばれている良くない薬もあったらしく、曲名はここからきているんじゃないかという説もあったようです。また、ジョンとジョージのLSD体験が曲の誕生のきっかけだとする説もあります。ジョンは当時の体験をこのように回想しています。

ジョージの家についたら、家が潜水艦のように思えた。俺が操縦してた。

「潜水艦」が登場していますね。ポールの体験ではないですが、これが Yellow Submarine を連想させ、ドラッグと関連付けられるようになったようです。みんな大好き Yellow Submarine。本当にドラッグの歌なのでしょうか。ポールは全力で否定しています。

It’s a happy place, that’s all. You know, it was just… We were trying to write a children’s song. That was the basic idea. And there’s nothing more to be read into it than there is in the lyrics of any children’s song.(楽しい感じの曲、それだけ。僕たちは子供向けの曲を作ろうとしていたんだ。それが基本的なアイデア。歌詞は子供向けのもので、それ以外の意味はないよ。)

この曲に関しては、他のメンバーもドラッグソングを示唆する発言はないようです。なので、Yellow Submarine は素直に子供向けの曲なんじゃないかなと思います。ドラッグ関連ソング説は、深読みしすぎかな。

同じく多様な解釈のもとで関連付けられたのが、『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』の Lucy in the Sky with Diamonds です。これはジョンが作った曲ですが、単語の頭文字をとるとLSDになるというもの。ジョンも全力否定していますが、果たして真相はどうなんでしょうか。私は確信犯だと思っています。

ともあれ Yellow Submarine です。個人的には子供向け楽曲として認定したいと思います。後にアニメーション映画も作られていますからね。そうであってほしい。あの楽しいサウンドエフェクトは純粋に子供を笑顔にするためのものだと思っています。

わかる人にはわかるだろ的な表現で攻めてくるポールマッカートニー

ポールマッカートニーの怪しい薬物関連の曲を紹介してきました。グレーな曲もありますが、ここで紹介したのはこの4曲。

  • Got To Get You Into My Life
  • With A Little Help From My Friends
  • Fixing a Hole
  • Yellow Submarine

どれもこれも名曲ですね。それにビートルズを語る上で外せない曲ばかりです。こうしてみると、サウンドからすでに怪しさを連想させるジョンの曲とは違い、サウンドいたって通常のビートルズの曲になっていますね。ポールの凄いところは歌詞にちょこちょこと混ぜてスパイス的に効かせているところでしょうか。それにしてもリンゴが歌っている曲が多いのが、ちょっと気になるところですね。

それから、改めて言うことでもないですが、怪しい薬は絶対にダメです。1960年代という背景のもと、ビートルズもその時代の影響を少なからず受けていたんだなーというくらいの認識でいましょう。

以上、「ポールマッカートニーが作ったビートルズ時代のサイケデリックソング 4曲」でした。おしまい。

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