【ビートルズ三声コーラスの名曲】ジョン、ポール、ジョージが歌う名曲4選

ジョンレノン

ビートルズ(The Beatles)のスゴイところはどこでしょうか?いろいろとありますが、メンバー全員がボーカルを取れるとこともスゴイところのひとつだと思います。

バンドを牽引する二人、ジョンレノンとポールマッカートニーはもちろん、第三のコンポーザーのジョージハリスンも歌えます。そして少ないながらもリンゴスターだって大いに歌っています。

そして、無視することができないのが彼らのコーラスワークです。今回は、ジョンとポール、ジョージによるスリーパートコーラスを聞かせてくれる名曲を4つほど紹介いたします。そして最後に、ビートルズがコーラスにこだわった理由にまで踏み込んでみたいと思います。

YouTubeもやっていますので、ぜひ見てください!

では、さっそく。まずこの曲から。

歌詞が小難しいぜ Nowhere Man

この曲は、1965年にリリースされたアルバム『Rubber Soul』に収録されています。作詞・作曲ともにジョンレノンで、哲学的な歌詞と美しいメロディの曲です。特徴は何といっても美しいコーラス。ジョンとポール、ジョージの声が見事に混ざり合って、聞いた瞬間に名曲であることが分かります。

主旋律をジョン、高音部をポール、低いパートをジョージが担当していると思います。非常に歌うのが難しそうな曲ですね。特にジョージは苦労したんじゃないでしょうか。コンサートでの演奏もされており、1966年の日本公演でも披露してくれています。

コーラスの他、見逃してはいけないのが難解な歌詞です。"どこでもない国にいる、何ものでもない男"について歌われています。多様な解釈ができる曲ですね。

この曲を作った当のジョンレノンは、「曲を作るのを諦めて寝そべって、自分のことを考えたら、ノーウェアランドにいるノーウェアマンだった。そしてこの曲ができた。」と語っています。これを聞いただけではちょっとわからないことが多いのですが、ノーウェアマンはジョン自身のことだというのは何となく伝わってきます。

また、恋愛についての曲じゃないこともビートルズ史において画期的でした。『Rubber Soul』の2作前のアルバム『Beatles for Sale』あたりから、ジョンの書く歌詞は内面的な感情や本音が込められるようになっていくのですが、Nowhere Manでは内面の吐露に完全に振り切っています。

こうした歌詞の変化は、バリバリにボブディランの影響です。ディランとビートルズが出会ったのが1964年の8月。ここでの出会いが、ディランとビートルズ双方の音楽を大きく変化させ、オモシロくなっていくわけです。

それにしても、なんとなく小難しいテーマをポップな感じで仕上げてくるのは、さすがビートルズです。Nowhere Manの聞きやすさは、コーラスにありです。


マイク一本を3人で囲んで歌う姿がカッコイイ This Boy

2曲目の This Boy は1963年のシングル I Want to Hold Your Hand のB面としてリリースされています。作者はジョンレノンです。オリジナルアルバムには未収録の曲で、企画盤のアルバム『Past Masters』に収録されています。

この曲のストロングポイントは何といっても3人の歌声。サビ部分はジョンがリードボーカルをとり、ポールとジョージがコーラスを付けていますが、それ以外の部分は基本的に3人で歌っています。聞けばすぐにわかると思いますが、3人の声は相性抜群です。

この曲は、ビートルズがアメリカで人気を得るきっかけとなったテレビ番組『エド・サリバン・ショウ』でも披露されています。1964年2月16日、2回目の出演、マイアミで収録されたやつです。

マイク一本を3人で囲んで歌う姿は、それはもうカッコイイ!の一言。これぞビートルズ。今となってはビートルズを象徴するスタイルとなっていますね。

またこの曲 This Boy はビートルズの主演映画『A Hard Day’s Night』でも使用されています。使われたのは、オーケストラバージョンなのですが、リンゴが外を独りでさまよい歩く象徴的なシーンで流れます。リンゴの名演が話題になったシーンです。

リンゴ曰く「二日酔いで気持ち悪いまま歩いていただけ」とのことです。照れ隠しなのか真実なのか、どちらにしてもリンゴらしいです。この曲、このシーンで使われてたためリンゴのテーマとも言われています。


ソウルフルな美しいバラード Yes It Is

3曲目は Yes It Is です。この曲は1965年のシングル Ticket to Ride のB面としてリリースされた曲です。This Boy 同様、オリジナルアルバムへの収録はなく、『Past Masters』に収録されています。作者はジョンレノンです。

「This Boy を書きなおそうとしたけど、上手くいかなかった。」

制作の動機として、1980年にジョンはこのように語っています。いわば、This Boyのパート2みたいな曲でしょうか。This Boyの発展系の曲と評している方も多いようです。 Yes It Is は、しっとりとした曲調で、3人の美しいコーラスが聞きどころです。心なしか、This Boy よりもポールとジョージの声が鮮明に聞こえるような気がします。

リリース当初、賛否のあった曲で、ソウルフルな美しいバラードだとする評価もある一方で、"くだらない曲”だと酷評する声もあったようです。作者であるジョンの相棒ポールマッカートニーは、この曲についてこう言っています。

「ジョンの素敵な曲さ」

空が青いから泣けてくる Because

この曲は、名作『Abbey Road』に収録されています。作者はジョンレノンです。ベートーヴェンの月光ソナタの譜面を逆さまにして演奏したものからインスパイアを受けて作られた作品で、曲も歌詞もシンプル。だけどなんだか奥が深そうです。

歌詞を抜粋
Because the sky is blue,  it makes me cry

和訳すると、「空が青いから泣けてくる」なんて素敵な歌詞なんでしょう。その歌詞を、ジョンとポールとジョージが見事に歌い上げています。ポールが高音部、ジョンが中音部、ジョージが低音部を担当。それぞれが3回ずつ声を重ねて完成させています。美しいの一言。聞きごたえ十分です。

ジョージはこの曲について、「『Abbey Road』の中では、この曲が一番好きだ。それにしてもハーモニーをつけるのにとても苦労した」と語っています。やっぱり難しかったんですね。

余談ですが、1970年代、ロックとクラシックの融合が多くの曲で試みられました。Deep Purpleによるバッハのコードの引用、Queenのどこかクラシカルな香りのする楽曲など。そうしたクラシカルフレーバーのルーツをたどると、 これはもうビートルズのBecause に辿りつくんじゃないかなと思います。


スリーパートコーラスの楽曲はジョンの作品ばかり

ジョンとポール、ジョージによるスリーパートコーラスを聞かせてくれる名曲を紹介してきました。ここで紹介したのはこの4曲。

  • Nowhere Man
  • This Boy
  • Yes It Is
  • Because

いずれもジョンの楽曲ばかりというのが、オモシロいですね。一説によるとジョンは自分の声があまり好きじゃなかったらしく、レコードから聞こえてくる自分の声を目立たなくするために、ポールとジョージの力を借りていたようです。

If I FellやI Don't Want To Spoil The Partyといった楽曲を聞いても、なるほど、そうかなと思います。ジョンが単独で作った曲なのに、ポールがその声で大いに貢献していますよね。

以上、「ジョンレノン、ポールマッカートニー、ジョージハリスンが歌っている名曲4選」でした。おしまい!

\ オリジナルアルバムの紹介記事を読む  /

全オリジナルアルバムの聞きどころを紹介。詳しいアルバムガイドです。購入に迷っている方は読んでください クリックして詳しく読む

もう少しビートルズを詳しく知りたい方は、歴史を押さえておきましょう。10分で分かるバージョンを用意しております。そして、忘れちゃいけない名曲ぞろいのシングルの歴史もあります。

 さくっと【10分で分かる歴史】をクリックして詳しく読む

 シングル曲の歴史をクリックして読む

手っ取り早くビートルズの最高傑作を知りたい方は、ロックの専門誌「ローリングストーン」誌が選出したオールタイムベストアルバムの記事を読んでください。ロックを含むポピュラー音楽史の中で評価の高いアルバムをランキング形式で紹介しています。

歴史上最も評価の高いアルバムランキングを紹介!ビートルズの作品は何位?

\ ビートルズのグッズを買うならこの店しかない!  /


世界で一番歴史の長いビートルズ専門店「GET BACK」

コメント

タイトルとURLをコピーしました