ザ・ビートルズ(The Beatles)。世界で最も成功したミュージシャンであるビートルズですが、いったい彼らのアルバムはどれだけの枚数が売れているのでしょうか。
以前、イギリスでリリースされたオリジナルアルバムの売上をしらべましたが、今回はベストアルバムを含めた編集盤の数字も調べてみました(オリジナルアルバムの売上はこちら)。
50年以上前の作品をふくみますので、数字が正確じゃないかもしれませんが、そのあたりお含みおきいただき、微笑みながら見てくいってください。まずはベスト盤から。
YouTubeもやっていますので見てください!
前期ビートルズのベスト盤 The Beatles / 1962-1966
いわゆる「赤盤」の名で親しまれているビートルズのベストアルバムです。デビューから1966年までの名曲がずらりと収録されている二枚組アルバム。発売が1973年4月なので、ビートルズが解散してちょうど3年後にリリースされています。さて、このアルバムの売上枚数は…?
約13,500,000枚
アメリカでは、二枚組アルバムを×2で計算するようなので、それを加味すると…、
約20,000,000枚
となります。解散後にリリースされた作品とは思えない数字ですね。やはり「ビートルズ現象」は続いているのです。
後期ビートルズのベスト盤 The Beatles / 1967-1970
いわゆる「青盤」と呼ばれる二枚組のベストアルバムです。当時ビートルズの海賊版が横行しており、その対抗措置として「赤盤」と同時にリリースされた作品です。後期ビートルズの濃厚な作品が収録されています。このアルバムの売上枚数は…
約14,700,000枚
さらにアメリカの×2計算を加味すると、
約23,000,000枚
こうしてみると「赤盤」よりも売れているんですね。後期の濃厚なビートルズのほうがやや好まれているようです。それにしても、すごい数字ですね。ちなみに、「赤盤」と「青盤」の収録曲の選曲にはジョージハリスンによるものとアナウンスされていました(諸説あり)。
2000年-2009年の10年間で最も売れた作品 The Beatles 1
ながらくビートルズのベスト盤と言えば「赤盤」と「青盤」でしたが、2000年11月に満を持してリリースされたベスト盤が『The Beatles 1』です。英米のいずれかの国で1位になった曲が収録されています。その売上枚数は…
約32,000,000枚
凄まじい数字ですね。なんでも2000年代のアメリカで最も売れたアルバムだそうです。解散から実に30年以上経過したバンドが打ち立てた記録なんですから、驚きますよね。今やビートルズのベスト盤と言えば、この作品となっています。
ビートルズの入門編としてはうってつけですが、このアルバムに収録されているビートルズの名曲は氷山の一角です。もっとふかーいビートルズを知るには少々もの足りないかもしれません。
以上がベストアルバムの売上でした。続いては、アンソロジーシリーズです。
解散したはずのビートルズが新曲をリリース!? Anthology
1995年~1996年にかけてリリースされたのがAnthology シリーズです。いわゆるビートルズの未発表アウトテイク集で、楽曲が生み出されるまでの過程を知ることができたり、正式にリリースされた楽曲の別バージョンなどが楽しめる、言ってみれば、マニア向けの作品です。
また、Anthology 1 は、他界したジョンレノンが残したデモテープをもとにポールマッカートニー、ジョージハリスン、リンゴスターが新しいビートルズ作品として作り上げた Free as a Bird が収録され、Anthology 2 も同様にジョンの楽曲をもとにして制作された Real Loveが収録されています。さて、このシリーズの売上枚数はというと…
Anthology 1 約10,000,000枚
Anthology 2 約3,100,000枚
Anthology 3 約2,000,000枚
マニア向けの作品とは思えない数字です。ビートルズ恐るべしです。続いては、アメリカ編集盤を調査です。
アメリカ編集盤の売上枚数
いまでは信じられないことですが、1967年の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』がリリースされるまで、アメリカではオリジナルアルバムがリリースされておらず、独自の編集盤がリリースされていました。その独自編集盤の売上枚数を調査しました。サクサクいきます。
Introducing... The Beatles
1963年7月にアメリカでリリースされた作品です。当時まだアメリカでの人気はほとんどなかったため、リリース当初はさほど売れなかったようです。ところが、1965年にビートルズの大ブームが起こると、『The Early Beatles』と名前を変えて再販され爆売れ。結果として…
約1,000,000枚
大ヒットしていますね。細かいことを言うと、『Introducing... The Beatles』はヴィージェイ・レコードからリリースされており、『The Early Beatles』はキャピトルレコードです。
Meet The Beatles!
1964年1月にリリースされた作品です。これは結構有名かもしれません。基本的にはオリジナルアルバムの『With The Beatles』を下敷きに制作されています。ビートルズはシングルでリリースした曲をはアルバムに収録しないのですが、アメリカでは大ヒットシングル I Want to Hold Your Hand が収録されています。売上枚数は…
約5,000,000枚
ブームの最中にリリースされた作品です。売れに売れていますね。ちなみにキャピトルレコードからリリースされています。
The Beatles' Second Album
1964年4月にリリースされた作品です。本作は『With The Beatles』の収録曲の他、She Loves You などのヒット曲が収録されています。売り上げ枚数は…
約2,000,000枚
売れていますね。
Something New
続いては、Something Newです。1964年7月にリリースされています。この1か月前に『A Hard Day’s Night』がリリースされていますが、ここでは割愛します(『A Hard Day’s Night』もアメリカ独自編集)。収録曲は『A Hard Day’s Night』を下敷きにしたもの。収録曲水増しのため I Want to Hold Your Hand のドイツ語バージョンが収録されており、無理矢理リリースした感があります。それでも売り上げは…
約2,000,000枚
好調です。
Beatles '65
1964年12月にリリースされた作品です。収録曲はオリジナルアルバム『Beatles for Sale』から8曲、他から3曲持ってきて11曲に仕上げてどーんとリリースされています。1960年代当時のアメリカではアルバム12曲しか収録できなかったのですが、それにしても水増しがすごい作品です。でも、売上は…
約3,000,000枚
恐ろしいほど、好調ですね。
Beatles VI
本作は1965年6月にリリースされています。収録曲は『Beatles for Sale』とオリジナルアルバム『Help!』のものが使われています。これまでの作品もそうですが、アメリカ盤は完全にビートルズの意向を無視していますね。売上枚数は…
約1,000,000枚
売れています。
Yesterday and Today
1966年6月にリリースされた本作は、オリジナルアルバム『Help!』と『Rubber Soul』、『Revolver』の曲が収録された超ハイブリッド作品です。「白衣を着たメンバーと赤ん坊、肉」がジャケットになったブッチャーカバーなるアルバムジャケットが話題を呼んだ作品です。ちなみに気味が悪かったため、ジャケットは当たり障りないものにすぐに差し替えられています。このアルバムの売上は…
約2,000,000枚
以上が、アメリカ編集盤です。ここでは取り上げなかったオリジナルアルバムと同名のアルバム『A Hard Day’s Night』、『Help!』、『Rubber Soul』、『Revolver』も、アメリカ独自の編集がなされています。
もちろん、こうした所業にビートルズ側は不満をもっており、1967年の『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』以降、是正が図られ英米で統一されることになりました。
以上、「ビートルズのベストアルバム/アメリカ編集盤って何枚くらい売れているの?」でした。おしまい。
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もう少しビートルズを詳しく知りたい方は、歴史を押さえておきましょう。10分で分かるバージョンを用意しております。そして、忘れちゃいけない名曲ぞろいのシングルの歴史もあります。
手っ取り早くビートルズの最高傑作を知りたい方は、ロックの専門誌「ローリングストーン」誌が選出したオールタイムベストアルバムの記事を読んでください。ロックを含むポピュラー音楽史の中で評価の高いアルバムをランキング形式で紹介しています。
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