ビートルズの幻の楽曲:リリースされなかった音楽遺産に迫る

ジョンレノン

ビートルズの音楽が1960年代に与えた影響は計り知れません。ビートルズが当時の社会や音楽シーンを牽引し、数々の名作アルバムを生み出したことは、多くの音楽ファンの知るところです。

しかし、リリースされることなくお蔵入りした楽曲も数多く存在しています。もしこれら「幻の楽曲」がリリースされていたら、どれほどのインパクトを持っていたでしょうか?ここでは、リリースされなかったビートルズの音源や、それらが持つ意味について紹介します。

未確認情報を多く含みます。一部、見てきたような発言や聞いたことあるんじゃないかという発言を含みますが、ご容赦を。「ほー」とか「へー」とか言う感じで見てください。「事実と違う!嘘つき!この馬鹿野郎!」など、決して怒らないようにお願いします。

Carnival of Light:サイケデリックでアバンギャルドな異色の作品

「Carnival of Light」とは?

「Carnival of Light」は、1967年1月5日に録音された未発表の実験的な楽曲です。ビートルズの中でもひときわ異色で、謎に包まれた作品で、ロンドンのRoundhouseで1月28日と2月4日に開催された「The Million Volt Light and Sound Rave」のために、ポールマッカートニーが発案したものらしいです。

録音されたこの楽曲は、当時のビートルズの音楽性やポップソングの概念を大きく逸脱するものだった可能性があります。単なる曲という枠を超え、「音の実験」とでも言うべき作品で、この時期ビートルズが積極的にやっていた実験の究極の楽曲だったのかもしれません。

曲の長さは10分を超え。即興的なサウンドエフェクト、断片的なインストゥルメンタル、さらに加工されたボーカルや電子音が入り混じり、サイケデリックでアバンギャルドな雰囲気の楽曲のようです。この「音のコラージュ」は、聞く人に音楽の常識を問いかける意図があったのかもしれません。

リリースされなかった理由は?

「Carnival of Light」がリリースされなかったのは、ビートルズ自身が「完成度」という観点から躊躇したのかもしれません。この時期、ポールは現代美術やアバンギャルド音楽の影響を受け、ビートルズの枠を超えた作品を作りたいという意欲に燃えていたんだと思います。

ポールが求めたのは、既存のビートルズのエネルギッシュな魅力とは対照的な「アートとしての音楽」でした。これは、アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』制作時期と重なっています。音楽シーンに革命的な変化をもたらしたこのアルバムには、実験的な要素がふんだんに取り込まれています。それでも「Carnival of Light」がリリースされなかったのは、「実験が成功しなかったの?」かもしれませんね。

もし「Carnival of Light」がリリースされていたなら、1960年代の音楽シーンはさらに大きな衝撃を受けたことでしょう。当時のポップソングが「楽しむための音楽」であったのに対し、この曲は「考えるための音楽」であり、リスナーに挑戦を突きつけるようなアート作品です。

Etcetera:謎多き名曲(らしい)

「Etcetera」とは?

「Etcetera」という楽曲は、ポールマッカートニーが生み出した、バラードの中でも特に神秘的で美しい一曲…。という真偽のほどはわからないのですが、間違いなく素敵な情報があります。

この曲は1968年、ビートルズが『The Beatles(ホワイトアルバム)』を制作していたセッション中に生まれました。デモテープが残っているようで、作者のポールはこの作品を、「かつてないほどシンプルでありながら内面的な雰囲気を持つバラード」として仕上げましたのだとか。

この時期のポールの作曲能力は神がかっていたので、そのメロディラインは美しく、そして繊細であったのは間違いありません。でも、何が理由か、最終的にこの曲はアルバムに収録されることはなく、「幻の作品」としてビートルズ史に刻まれました。

リリースされていたら…

もし「Etcetera」が正式にリリースされていた場合は、『The Beatles』に収録されていたはずです。ポールの作り出すバラードは、聴く人の心を揺さぶる力をもっています。もしこの曲が、ホワイトアルバムに収録されていたら…。『ホワイトアルバム』は、もともと非常に多様な音楽性を持つ作品でしたが、「Etcetera」の美しいバラードの側面が加わることで、別の印象をもつアルバムになっていたかもしれません。

それにしてもこの「Etcetera」、情報が少ないです。色々調べましたが、その存在を疑うほどに、情報が少ない。もしかしたら、存在しないのかもしれませんね。ファンにとって永遠の謎として残り続けています。

There You Go, Eddie:ポールの素朴な一面

There You Go, Eddieとは?

「There You Go, Eddie」は、1969年に行われた「ゲットバックセッション」で生まれた未発表曲です。犬派のポールが愛犬エディーのために書いた曲と言われています(マーサの他にも飼っていたんですね)。

愛犬への愛情をそのまま詩に込めたこの曲は、ポールの楽曲には珍しくパーソナルなもので、温かみあふれる楽曲です。ビートルズが音楽の革新と社会的メッセージに満ちた時代の象徴となっている中で、こうしたささやかな楽曲が存在しているのは新鮮ですね。ポールの心の奥深くを覗かせてくれる貴重な一曲です。

「There You Go, Eddie」の魅力は、そのシンプルな愛情表現にあります。セッションの合間に、ポールがアコースティックギターを手にとってエディーに話しかけるように奏でており、少ししか聞くことができないのですが、ほっこりくる楽曲です。偉大なビートルズの偉大な作曲家としてのポールではなく、ひとりの愛犬家としてのポールの姿が垣間見えるこの曲は、なんだか特別な楽曲のように感じますね。

リリースされなかった理由は…

勝手な想像ですが、まあ、完成しなかったからじゃないかと思います。現在、公式リリースはされていないのですが、YouTubeなどでちらりほらりと聞くことができます。ブートレグも存在するのかな?知っている人がいましたら、教えてください。

もし、公式にリリースされていれば、ポールの別の一面が見れる曲として、人気の曲になったかもしれませんね。そうした想像をしてしまうほど、ほっこりくるいい曲です。

Watching Rainbows:独特の高揚感

「Watching Rainbows」は、1969年のゲットバック・セッションで生まれた、ジョンレノン主導による未発表曲です。この曲は即興と実験の融合が際立っており、デモ音源であるからかもしれませんが、その荒削りで大胆な音作りが魅力となっています。

通常のビートルズのポップな楽曲とは一線を画し、ジョンがベースを担当し、ポールがドラムを担当するなど、普段とは異なる楽器編成で演奏されているのも興味深い点ですね。歌詞には「Standing in the garden waiting for the sun to shine」という印象的なフレーズが含まれ、一部は後に「I've Got A Feeling」に取り入れられたとされています。

私は持っていないのですが、この曲はブートレグ音源も有名なのでしょうか。Youtubeで聞くことができますね。ジョンの即興的なボーカルとギターがリズムに合わせて独特の高揚感を生み出している楽曲です。実験的なアプローチも感じられ、我々ファンにはたまらない幻の楽曲です。

もし「Watching Rainbows」が公式にリリースされていたなら、ビートルズの音楽的な探求がさらに広く認識され、彼らの音楽に対するイメージにも新たな側面が加わっていたかもしれませんね。

Madman:鋭いユーモアが息づく楽曲

Madmanとは?

「Madman」は、ビートルズの未発表曲の中でも異彩を放つ作品で、特にジョンのユニークな感性とブラックユーモアが鮮やかに表れた楽曲です。この曲は「Mean Mr. Mustard」の姉妹曲と呼ばれ、どちらも架空の風変わりなキャラクターを題材にしている点で共通しています。

ビートルズが解散を目前にしていた「ゲットバックセッション」中に生まれたこの曲には、当時のメンバー間の緊張感も影を落としていますが、同時に彼らの創造力は未だ尽きていないのがわかる楽曲で、個人的な感想ですが、エネルギーが満ち溢れています。

さすが「Mean Mr. Mustard」の姉妹曲だけあって「Madman」にも不思議なキャラクターが登場します。ピンクのパジャマを着た「田舎出身のマッドマン」という奇抜なキャラクターは、ジョンの独特のユーモア現れている存在ですね。「Mean Mr. Mustard」と同様に、何かを風刺しようとした作品なのかもしれません。

Madmanの魅力

「Madman」の楽曲構成はシンプルです。デモだから当たり前ですね。ジョンはボーカルとピアノを担当、ポールがギターを弾いており、ドラムはリンゴです。ジョージは参加してないっぽいです。即興的な雰囲気が色濃く残されており、ビートルズのスタジオセッションの「生の瞬間」をそのまま収めたような構成になっています。

曲の構成自体に大きな展開はないのですが、ジョンの声とピアノがクセになる曲です。なんとか公式リリースをして欲しかった「幻の楽曲」です。こんな曲がゴロゴロ存在しているんですから、ゲットバックセッションはまさしく宝の宝庫ですね。

Madman」は公式にはリリースされていませんが、良いのか悪いのか、YouTubeで聞くことができます。解散を前にしたビートルズの音楽を聞けるのは貴重な体験ですね。いい時代になりました。

まとめ

ビートルズの「幻の楽曲」は、常識にとらわれない彼らの音楽的な冒険心を象徴し、音楽の枠を超えた挑戦を続けた彼らの姿を浮き彫りにしてくれます。これらの未発表曲は、どれもリリースされなかったため、我々には届きませんでしたが、その断片を知ることでビートルズが試みた数々の実験の一端に触れることができますね。まだまだビートルズには新しい発見があるのです。

もしもこれらの楽曲が正式に世に出ていたとしたら、ビートルズの音楽史はどうなっていたでしょうか。さらに豊かになり、1960年代当時の音楽シーンにも異なるインパクトを与えていたはずです。

「Carnival of Light」の前衛的な試みや、「There You Go, Eddie」に垣間見えるポールの素朴な一面、そしてジョンの鋭いユーモアが息づく「Madman」など、これらの楽曲が公式にリリースされていたなら、私たちが知るビートルズの印象もより多面的になっていたでしょう。

また、これらの「幻の楽曲」に触れるたび、ビートルズが単なるポップバンドにとどまらず、音楽を通して自分たちの感性やメッセージを追求し続けたアーティストだったことが再認識されます。

「幻の楽曲」は、謎めいた楽曲として、今も語り継がれています。ビートルズの懐の深さを感じさせてくれます。ビートルズの未発表曲…、想像するだけでたまりませんね。

以上、「ビートルズの幻の楽曲:リリースされなかった音楽遺産に迫る」でした。おしまい。

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