令和の今でも圧倒的な存在感を示しているビートルズ(The Beatles)。現役で活動していた1960年代は無敵状態でした。デビューから解散までの8年間のアルバムチャートでビートルズが1位を獲得していた期間の割合は、なんとイギリスで約40%、アメリカで約35%です。
そんなビートルズに当時ライバルはいたのでしょうか?
まず思いつく名前は同じイギリス出身のローリングストーンズです。そしてもう一組、よく語られるのがアメリカのビーチボーイズです。
ビーチボーイズがライバル!?いったいどのあたりがライバルだったのでしょうか。改めて考えてみたいと思います。
レコード売り上げをはじめとする記録は圧倒的にビートルズの勝利
ビートルズのレコード売り上げは10億枚を超えています。正確には10億を超えたあたりから数えられておらず、どれだけ売れているのか分からない状態です。英米の1位獲得数もビートルズに軍配。数字の部分だけで比較すると、ビーチボーイズはビートルズのライバルと
ただ、現在ビーチボーイズがライバルだったと言われているのは事実です。
数字じゃないなら内容です。作品のクオリティ面でライバルと目されていた可能性は大いにあります。確かにビーチボーイズの『ペットサウンズ』の評価は非常に高く、ロックの専門誌『ローリング・ストーン』誌が選出した「史上最高のアルバム500」でも2位に選ばれています。
クオリティ面にフォーカスしてビートルズとビーチボーイズを見てみます。
『ラバーソウル』に影響を受けたビーチボーイズの『ペットサウンズ』
ビートルズとビーチボーイズがライバル関係を示すエピソードとしてよく語られるものがあります。
それは…
- ビートルズの『ラバーソウル』に触発されビーチボーイズは『ペットサウンズ』を制作
- 『ペットサウンズ』に驚いたビートルズが奮起して『リボルバー』を完成させる
- ビーチボーイズは『リボルバー』を超える作品の制作に入るも…
- ビートルズが『サージェント~』を先に完成させてしまう
- 『サージェント~』を聞き驚愕、アルバムの制作を断念してしまう
半ば伝説的に語られるこのエピソードにより"ビーチボーイズライバル説"を確固たるものにしているようです。このエピソード、本当なら非常にロマンがありますよね。どこまでが事実なのかわかりませんが、互いに切磋琢磨しあっていたのは事実だと思います。
切磋琢磨のエピソードをどうやってファンは知ったのか?
レコードの売上やチャートでの1位獲得といった分かりやすいものではなく、ビートルズとビーチボーイズが切磋琢磨して…という話は言わば裏話です。当時の一般的なファンが知りえる内容ではなかったはずです。誰かが裏話を語ったわけです。
語ったのは誰か?
それは『ローリング・ストーン』誌をはじめとするロックを専門的に語るメディアです。ロックをはじめとする大衆音楽の専門誌は、ゴシップ的な情報を伝えるのではなく、作品を評論して伝え始めました。
専門誌が評論するもんだから"しっかり聞く"人たちが登場します。いわゆる"通"の登場です。その"通"たちは語り始めます。
- 『ペットサウンズ』ってすごくね?
- なんか『ラバーソウル』に触発されたらしいよ?
- まじで!?
- 雑誌に書いてたわー。俺もそうだと思ったんだよねー。
- 確かにソウル感あるよなー
1960年代、作品のキャッチーさだけでなく、内容にも踏み込んだ評価がなされるようになったのではないかと思います。そこにバシッとハマったのがビーチボーイズの『ペットサウンズ』だったと。
かくしてビーチボーイズはビートルズのライバルであると令和の今にも伝えられているのです。
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