1962年から1970年の約8年の活動期間中にビートルズ(The Beatles)がリリースした曲は213曲あります。うち、作詞作曲がビートルズのメンバーによるオリジナル作品は188曲あり、カバー曲が25曲あります。
オリジナル作品を重視してしまいがちな今日この頃ですが、カバー曲もいいんです!今回はジョンレノンが歌ったおすすめカバー曲を厳選して5曲紹介します。
- 『Please Please Me』から2曲
- 『With The Beatles]』から1曲
- 『Beatles for Sale』から1曲
- 『Live At The BBC』から1曲
5曲にしぼるのが非常に難しい…。どれもこれもジョンのセクシーボイスが聞ける名曲ばかりです。ではさっそく。YouTubeもやっています。ぜひ見ていってください。
ジョンレノンが全力を尽くした Twist and Shout
まずは伝説のデビューアルバム『Please Please Me』のラストナンバー、Twist and Shout です。原曲は、1961年にTop Notes がリリースしています。1962年にThe Isley Brothers(アイズレ―ブラザーズ)がカバーしたものが初のチャートイン。ビートルズがカバーしたのは1963年です。
ビートルズのバージョンがあまりに有名なので、今やオリジナルと間違えられるほどです。わずか10時間で制作されたと言われる『Please Please Me』の最後の最後にレコーディングした曲がこのTwist and Shoutです。
ボーカルのジョンの声は歌いっぱなしでガラガラのザラザラ。おまけに風邪をひいていて鼻声。のど飴をなめ、牛乳でうがいするという方法でなんとか乗り切ったようです。できあがったのが、あのしびれるほどのセクシーボイスです。
このジョンの声に、ポールとジョージのコーラスが重なって名曲じゃないわけがないですね。ビートルズの代表曲といっても過言ではないでしょう。
渋いボーカルが聞きどころ Baby It’s You
アルバム『Please Please Me』からの2曲目は Baby It’s You です。1961年に The Shirelles(シュレルズ)がシングルとしてリリースしてヒットさせた曲です。ビートルズもデビュー前からライブで演奏していた曲で、『Please Please Me』の他、『Live At The BBC』にも収録されています。
イントロのシャララララ…が印象的な作品。ジョンの渋いボーカルが聞きどころです。ポールマッカートニーとは一味違った歌の上手さを確認できます。加えて、ビートルズは一流のコーラスグループであることも再認識できますね。すごいグループだ!
ちなみにステレオとモノラルバージョンとでエンディングのフェードアウトのタイミングが違います。ステレオバージョンのほうがやや長く、「Come on Home」の歌詞が鮮明に聞こえます。『Live At The BBC』に収録されているバージョンは、フェードアウトじゃないエンディングを聞くことができます。興味のある方は、ぜひ聞き比べてみてください。
ジョンレノン史上最高のボーカルが聞ける Please Mister Postman
3曲目は、これまた伝説の2ndアルバム『With The Beatles』からPlease Mister Postmanです。ビートルズがカバーする前、1961年にモータウンレコードからThe Marvelettes(マーヴェレッツ)がリリースしており、アメリカでヒットさせていますね。
この時期、というか『With The Beatles』にはPlease Mister Postmanをはじめ、モータウンの楽曲が多く収録されています。You've Really Got a Hold on Me、Money (That's What I Want)がそれです。ビートルズ、モータウンサウンドにドはまりしてたのでしょうか?
ただ、1961年にはもう演奏のレパートリーに加えられていたので、この時期にビートルズがモータウンにドはまりしていたというよりも、レコーディングする権利を得たということなのかもしれません。
そういった込み入った話は置いておくとして、この曲で聞かせてくれるジョンのボーカルはしびれますね。聞けば分かると思いますが、ハスキーな声で迫力満点です。この声、突出したクオリティだと思うのは私だけでしょうか。そこにポールとジョージのコーラスが加わり、さらに興奮度がまします。ビートルズ史上、1位2位を争うカバー曲だと思います。
コーラスワークが冴えわたる Mr. Moonlight
4曲目はアルバム『Beatles for Sale』からです。Mr. Moonlight もデビュー前から演奏のレパートリーにあったそうです。オリジナルは、Dr. Feelgood & The Interns(ドクター・フィールグッド&ジ・インターンズ)が1962年にリリースしています。
この曲の聞きどころは、冒頭のジョンの声。
ジョンよりも歌がうまいミュージシャンは多くいると思いますが、なんでしょうのね、この独特のカリスマ性を秘めた声は。ちょっと真似できませんよね。この曲の冒頭にまさにそれが現れています。ちなみにビートルズの人気を解き明かす研究のひとつとして、大衆を酔わせるジョンの声に注目した研究があるそうです。読んだことないけど。
ちょこちょこっと調べてみると、この曲に対して否定的な意見もあるみたいですが、私なんかは素直にすごいと思うんですけどね。みなさんいかがでしょうか?
もしかするとNo.1カバー曲!? Soldiers of Love
最後に紹介するのは、イギリスBBCラジオ放送で1963年から1965年にかけて放送された演奏が収録されている『Live At The BBC』の音源からです。ラジオ収録の楽曲ですので、正式リリースと言えるのかどうか分かりませんが、紹介させてください。
このアルバムには、いろいろと名作カバーが収録されており、1曲選ぶのが難しいのですが、Soldiers of Love です。もともとは、Arthur Alexander(アーサーアレキサンダー)が1962年にリリースした楽曲。この曲もまたジョンレノンが良い声を聞かせてくれるんです。
ビートルズは、このアーサーアレキサンダーの他の曲もカバーしていて、同じ『Live At The BBC』だと A Shot of Rhythm and Blues、『Please Please Me』ではAnna (Go to Him) を披露してくれています。いずれも歌っているのはジョン。ジョンがファンだったのかもしれませんね。
公式アルバムに収録されていないにもかかわらず、非常に評価が高いこの作品。演奏、ポールとジョージのコーラスの素晴らしさもさることながら、ジョンレノンのボーカルに神が下りているといった意見もあるほど。もしかするとビートルズ史上、No.1カバーなのかも。アルバム収録がないのが惜しいところです。
『Live At The BBC』だと、To Know Her Is to Love Her なんかも私は好きなのですが、今回は、Soldiers of Loveで!
ジョンのボーカルのうしろにポールとジョージあり!
今回、ジョンレノンが大いに歌うカバー曲の傑作を紹介してきました。ここで紹介したのがこちら。
- Twist and Shout
- Baby It’s You
- Please Mister Postman
- Soldiers of Love
さすがにビートルズです。カバー曲にも良い曲が多すぎて選ぶのに苦労しました。なぜか『Please Please Me』から2曲選曲していますが、気にしないようにしましょう。他にも、Rock and Roll musicだとかSweet Little Sixteen なんかもあって、カバー曲であっても捨て曲なしですね。
改めてこの5曲をながめ返してみると、ポールとジョージのコーラスがばっちりと付いている曲ばかりですね。意図して選んだわけじゃないのですが…。私が単にそういう曲が好きなのか、はたまたビートルズにはジョンが単独で歌っている作品(カバー曲)が少ないのか…。
一説によると、ジョンは自分の声が好きじゃなかったらしいので、ポールとジョージに力を借りることが多かったのかもしれませんね。以上、「ビートルズおすすめカバー曲 ジョンレノンが歌う珠玉のカバー曲 厳選5曲」でした。おしまい。
全オリジナルアルバムの聞きどころを紹介。詳しいアルバムガイドです。購入に迷っている方は読んでください。 クリックして詳しく読む
もう少しビートルズを詳しく知りたい方は、歴史を押さえておきましょう。10分で分かるバージョンを用意しております。そして、忘れちゃいけない名曲ぞろいのシングルの歴史もあります。
手っ取り早くビートルズの最高傑作を知りたい方は、ロックの専門誌「ローリングストーン」誌が選出したオールタイムベストアルバムの記事を読んでください。ロックを含むポピュラー音楽史の中で評価の高いアルバムをランキング形式で紹介しています。
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