ビートルズ(The Beatles)が『アビーロード』の次のアルバムについて話し合う音声を発見!!
その音声データをビートルズの歴史研究作家マーク・ルウィソーンがガーディアン紙に公開したとのこと。令和元年の秋、話題になっていますね。
この音声の存在は前から知られていたという話もありますが、これほど大々的に取り上げられるのは初めてじゃないでしょうか?
いやー、驚きました。いままでのビートルズの解散通説がひっくり返る内容です。
通説だと『アビーロード』が最後の作品と"覚悟"して制作されたことになっているのですが、この音声の内容を見る限り、そうじゃなかったのね。
これまでにビートルズに関連する色んな書籍を読んできましたが、この内容に触れられているものはありませんでした。
もしかすると、解散直前のビートルズストーリーが書き換えられる可能性もあるかもしれませんね。 読むのが面倒な方はYou Tubeでどうぞ
発見された音声でビートルズが話していた内容とは?
今回発見された音声データは『アビーロード』の発売前の1969年9月8日に録音されたもの。場所はロンドンのアップル本社です。ジョンレノン(John Lennon)とポールマッカートニー(Paul McCartney)、ジョージハリスン(George Harrison)の3人の会話が録音されています。
リンゴスター(Ringo Starr)は入院中で腸の検査をしていたそうです。なんだかわかりませんが、なんとなく微笑ましいエピソードです。リンゴが後から聞けるように音声データを残したようです。
まず口火を切ったのがジョンレノン。
次回作は、ジョンが4曲、ポールが4曲、そしてジョージが4曲を担当
そうジョンが提案したらしいのです。面白いですね。あれ?ビートルズを一番やめたがっていたのジョンじゃなかったっけ?という疑問はさて置いておきましょう。
なんとも豪華な3人です。そしてジョンは続けます。「彼がやる気なら…」と、前置きしてリンゴにも2曲作ってもらおうと言います。
リンゴに対するジョンの気遣いが見て取れますね。ジョンレノンは優しい男です。
ソングライターチーム、レノンマッカートニーの解消を提案
ジョンとポールの若き日の約束を解消して、以降は別々の名義にする提案もジョンはしています。レノンマッカートニークレジットの問題は、いろんなところで取り沙汰されているので、あまり驚きませんでしたが、それでもやはりファンとしては複雑な心境です。
レノンマッカートニーの名義を一番大事にしていたのはジョンだったんじゃないかという気もします。ジョンのソロ作品のGive Peace a Chance(1969年7月リリース)の名義もレノンマッカートニーでしたしね。
本当は解消したくなかったんじゃないの?
ポールに対してチームの解消を持ちかけることによって、ポールを振り向かせようとしたんじゃないかなと私は思っています。
ポールによるジョージ批判とジョンによるポールの楽曲批判
このあたりになってくるともうただの口喧嘩です。
「『アビーロード』を作るまで、ジョージの曲はたいして良くないと思ってた」とポール。褒めているようで巧妙にジョージをけなしています。
対するジョージは「好みの問題だ」と。
どういう時系列か分かりませんが、「バンドの誰一人として良い曲だと思っていない」とジョンが『アビーロード』収録のポールの曲Maxwell's Silver Hammerを批判します。「メリーホプキンなんかの別の外部のパフォーマーに提供すべきだっと」と続けます。
対するポールは「お気に入りだ」と一点張り。
まあ、関係はあまりよくなかったようですね。そんな中でも次回作の話し合いがもたれていた事実は驚きです。では、なぜ『アビーロード』の次回作は制作されなかったのでしょうか。
トロントでのライブでジョンレノンは自信をつけた!?
話し合いの5日後の9月13日にジョンは、プラスティックオノバンドを率いてトロントでのライブイベントに参加します。ちなみにこの時のメンバーは、エリック・クラプトン(ギター)、友達クラウス・フォアマン(ベース)、イエスのアラン・ホワイト(ドラム)です。
ジョンは、このライブでソロでやっていく手ごたえを得たのだと思います。
なんだ、ビートルズじゃなくても大丈夫じゃん!
このライヴから1週間後の9月20日、ジョンはビートルズ脱退を他のメンバーに伝えることになります。想像の域をでませんが、こんな流れだったのではないでしょうか。
もちろん『アビーロード』の次回作もご破算です。
この音声が公開された今、今後のビートルズ史はどうなっていくでしょうか。書き換えられるのでしょうか。それにしてもマーク・ルウィソーンはなぜこのタイミングで公開したのでしょう。
こんな重要なものを隠していたのか?
"ビートルズの歴史研究作家"なる肩書を持っているのであれば、もう少し責任のある行動をしてもらいたいものです。
それから『アンソロジー』シリーズでビートルズのメンバーを含め、誰もこの話題に触れていないのも引っ掛かります。これは何かあるな…。
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もう少しビートルズを詳しく知りたい方は、歴史を押さえておきましょう。10分で分かるバージョンを用意しております。そして、忘れちゃいけない名曲ぞろいのシングルの歴史もあります。
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