ビートルズのハモリ革命!コールアンドレスポンスとデュエットハーモニーから生まれた名曲

ジョンレノン

1960年代、ビートルズが他のミュージシャンたちと一線を画していたのって、あのビューティフルなハーモニーワークにあると思っているのですが、いかがでしょうか?

今回は、どっしりと腰を据えて、ビートルズのハモリに向き合ってみたいと思います。彼らのハーモニーは楽曲に豊かな表情と深みを与え、ジャンルを超えた普遍的な魅力を持つことで知られています。ビートルズの楽曲を彩るハーモニーは、大きく4つのタイプに分けられます。

「Help!」に代表されるコールアンドレスポンス・スタイル、「If I Fell」でお馴染みデュエット形式、あの美しい「Because」を代表とする三声のハーモニー、そして「With a Little Help from My Friends」に見られるリードボーカルをサポートするハーモニーです。

今回は、この4つのスタイルから、コールアンドレスポンス・スタイルとデュエット形式に注目して、それぞれの代表的な楽曲に触れながら、魅力を詳しく掘り下げていきたいと思います。

では、さっそく!

コールアンドレスポンス・スタイル

例えば、ジョンレノンのボーカルにポールマッカートニーとジョージハリスンのコーラスが力強く応える…、というのがコールアンドレスポンス・スタイルです。このスタイルはビートルズの楽曲によくあり、エネルギッシュでリズミカルな要素を楽曲に与えるだけでなく、聴き手の心をグッと惹きつける効果もあります。

このような掛け合いは、歌詞やメロディーを際立たせ、ファンとの一体感を生み出します。ビートルズの「コールアンドレスポンス」のスタイルは、1960年代の音楽シーンで強烈な印象を残しています。今回は、「She Loves You」、「Help!」、そして「c」という3曲に焦点を当て、それぞれの楽曲におけるコールアンドレスポンスの魅力をお話しします。

「She Loves You」 - 掛け合いが生む一体感とポジティブなエネルギー

「She Loves You」は、1963年にリリースしたビートルズの代名詞といってもいいほどの曲です。ジョンとポールによる共作の作品。この曲における「コールアンドレスポンス」の特徴は、なんと言っても「Yeah, Yeah, Yeah」というシンプルで力強い掛け合いです。

リードボーカルが「She loves you」と歌い、バックコーラスが「Yeah, Yeah, Yeah」と応える構成が、シンプルながらも非常に強いインパクトを生み出しています。この一見簡単なリフレインが聴く人の心に残り、一緒に口ずさみたくなるような一体感を醸し出しています。

この楽曲の「Yeah, Yeah, Yeah」というフレーズは、ビートルズの陽気でキャッチーなサウンドを象徴する要素として、後の作品にも多大な影響を与えました。このシンプルなフレーズが、当時のポップ音楽の新たな可能性を切り開いたと言えるでしょう。特に、若者文化に活力を与え、音楽を通じた自己表現を促す上で、重要な役割を果たしました。

「She Loves You」は、ビートルズの初期の勢いと活気を象徴する楽曲でもあり、彼らが新たな音楽シーンを切り開く原動力となったことは間違いありません。この楽曲の掛け合いが持つシンプルさとリズム感が、曲全体にポジティブで軽快なエネルギーをもたらしており、若者たちに「共感」と「一体感」を与える要因となっています。

「Help!」 - 絶妙なコーラスワークの仕掛け

1965年にリリースされた「Help!」は、ジョンが自身の心の叫びを込めた楽曲です。まず注目したいのは、ポールとジョージがジョンより少し早く歌い出す「先取りコーラス」です。このコーラスが入ることで、ジョンが自分でも気づかないうちに心の中をポロッとこぼしてしまっているような感じが生まれているようなきがしませんか?まるで、ジョンが言葉にする前から、彼の気持ちがふわっと広がっているかのようです。

そして、ポールとジョージはジョンの後を追う「後追いコーラス」も担当しています。この後追いのコーラスは、ジョンが吐き出した言葉がゆっくりと広がり、誰かがそっと受け止めてくれているような安心感を与えます。ジョンが心の中を少しずつ打ち明けていくのに対し、ポールとジョージがそれを優しく支えているように聞こえます。

この「先取り」と「後追い」のコーラスが合わさることで、ジョンの気持ちが自然に流れ出し、聴く人にもスッと伝わってきます。ビートルズはこのコーラスワークで、ジョンの心の内が無理なく表に出るような雰囲気を作り出し、思わず曲に引き込まれてしまいます。

見事なコーラスワークですね。深く考えすぎでしょうか?

「You're Going to Lose That Girl」 - バックコーラスが飽きさせない

「You're Going to Lose That Girl」は、「Help!」と同じく1965年のアルバム『Help!』に収録されている楽曲です。聞けば納得。ビートルズのコールアンドレスポンス技術がさらに進化した形を見ることができます。

この曲では、リードボーカルのジョンが警告のようなメッセージを放ち、それに対してバックコーラスのポールとジョージが応答する形式が取られています。特に「You're gonna lose that girl, yes, yes, you're gonna lose that girl」という掛け合いが特徴的で、リードボーカルとバックコーラスが会話をしているような、そんな楽曲です。

「コールアンドレスポンス」により、この曲の歌詞の持つメッセージがより強調されているように思います。ジョンの恋人を失う危機を訴えるリードボーカルに対し、ポールとジョージが力強く応答する。そうすることで、感情が増幅され、緊張感が曲全体に漂います。

また、「You're Going to Lose That Girl」では、バックコーラスがリードに対して応えるだけでなく、リズムやテンポもスムーズに変化しており、曲の展開が非常にダイナミックです。このため、聴き手に飽きさせることなく、引き込まれるような効果が生まれています。この曲は、ビートルズの楽曲の中でも、特に掛け合いコーラスが印象的ですね。まさしく隠れた名曲です。

ビートルズが音楽に与えた影響

ビートルズの音楽は、私たちを巻き込むような特別な力を持っていますね。その秘密の一つが、「コールアンドレスポンス」なのかもしれません。ビートルズの曲は、まるでライブ会場にいるように、私たちを歌の中に引き込んでくれます。メインボーカルが歌い、他のメンバーがそれを呼応するような「コールアンドレスポンス」という歌い方を使っているからだと、私なんかは思っています。このおかげで、私たちはただ曲を聴くだけではなく、まるで一緒に歌っているかのような一体感を味わえるのです。

ビートルズは、たくさんの種類の音楽でこの「コールアンドレスポンス」を取り入れています。ビートルズは、ただ歌を歌うだけでなく、私たちと音楽でつながる新しい方法として、この手法を取り入れているのかも。これも、彼らの音楽が、今でも心に響く理由の一つなのかもしれません。

デュエット形式のハーモニー

「デュエット形式のハーモニー」もビートルズの音楽の魅力のひとつですね。ここで言う、デュエット形式のハーモニーとは、二人の歌声が重なり合い、一つのメロディーを奏でるような歌い方のことです。声の高低や音色が組み合わさることで、メロディーに奥行きが生まれてきこえる、あのやつですね。ビートルズの音楽にも、もちろん、このデュエット形式のハーモニーが使われている曲があります。

例えば、「If I Fell」や「Baby’s in Black」といった曲では、ジョンとポールの声がまるで一つに溶け合うような美しいハーモニーが聴けます。ビートルズは、このデュエット形式のハーモニーを通して、喜びや悲しみ、愛といった様々な感情を私たちに伝えてくれます。ここでは、「If I Fell」「Baby’s in Black」「Two of Us」といった楽曲を中心に、ビートルズのデュエット形式のハーモニーの魅力を掘り下げていきます。

「If I Fell」— 芸術的ハーモニー

「If I Fell」は1964年のアルバム『A Hard Day’s Night』に収録されたバラードで、ジョンとポールのハーモニーが際立つ美しい曲です。この曲はジョンが書いたもので、恋愛における不安や葛藤がテーマになっていますが、特にハーモニーが曲の感情をさらに深めています。冒頭のメロディーから始まり、ジョンの少し低めでハスキーな声に、ポールの透き通るような声が重なる瞬間に、ビートルズのデュエットハーモニーの真髄が感じられます。

「If I Fell」におけるジョンとポールのデュエット・ハーモニーは、楽曲に洗練された情感を与えています。シンプルなメロディーラインに対して、二声のハーモニーが複雑な感情のニュアンスを描き出し、聴く者の心を揺さぶってきますね。

特に、「If I give my heart to you, I must be sure」という歌詞の部分。ジョンとポールのハーモニーがぴったりと重なり合っています。最高です。このハーモニーの緻密な構成は、ビートルズの楽曲が単なるポップソングにとどまらず、芸術的な側面を持つことを示す一例と言えるでしょう。

また、「If I Fell」のハーモニーは、ビートルズが歌詞の内容とメロディーを結びつける技術の一例でもあります。ジョンとポールが互いにメロディラインを補完し合うことで、楽曲がより感情的に響き、聴き手に強い印象を与えます。このハーモニーの絶妙なバランスは、どうやって身につけたんでしょうか?ジョンもポールもすごく歌が上手い。

「Baby’s in Black」— 高低入れ替えの妙技

1964年のアルバム『Beatles for Sale』に収録されている「Baby’s in Black」は、ジョンとポールのデュエットが印象的な楽曲です。二人の織りなすハーモニーは、単なるメロディーの重ね合わせではなく、楽曲に深みを与えています。

特に印象的なのは、「Oh dear, what can I do?」と繰り返されるフレーズでの二人のハーモニーです。この部分では、ジョンとポールのハモリパートが巧みに変化しています。例えば、ジョンが先に高い音を歌い、ポールがそれを追いかけるように低い音に移行したり、逆にポールが高い音、ジョンが低い音に移行したりするなど、二人のパートが互いに影響し合いながら、楽曲に独特の緊張感と躍動感をもたらしています。

サビの部分では、この高低の変化がさらに際立ち、二人の声が絶妙に絡み合い、失恋の悲しみを複雑に表現しています。ビートルズは、この高低の変化を巧みに使いこなし、楽曲にドラマチックな効果を与えてくれるんですよねー。たまりません。

高低の変化は、ビートルズのハーモニーにおける重要な要素です。二人の声が互いを追いかけ、高低を繰り返すことで、楽曲に深みと複雑さを与え、聴く者を飽きさせません。このテクニックは、ビートルズの音楽に独特の個性を与え、他のグループにはちょっと真似できない妙技です。

「Baby's in Black」における二人のハーモニーは、単なる音楽的な装飾ではなく、楽曲の感情表現に深く関わっています。ビートルズは、この楽曲を通じて、ハーモニーが持つ表現力の可能性を最大限に引き出したと言えるでしょう。特に、高低の変化というテクニックを、自分たちの音楽的な感性で自由に操り、他のどのグループとも異なる独特のハーモニーを生み出したことが、ビートルズの音楽の大きな魅力の一つだと思うのです。

「Two of Us」—ジョンとポールの絆?

「Two of Us」は、ビートルズ解散を目前に控えた時期に制作された楽曲であり、ジョンとポールが互いにパートを交代しながら歌うデュエットが印象的です。アルバム『Let It Be』に収録されたこの楽曲では、ジョンとポールが交互にパートを歌いながら、互いの声を絶妙に絡み合わせています。「Two of Us」は単なる友情を歌った曲ではなく、彼らが共に過ごした時間と絆を伝える作品として私は信じ切っています。

「Two of Us」におけるデュエットハーモニーは、楽曲全体に温かみを与え、ジョンとポールの関係性を象徴していると思いませんか?特にサビの部分では、2人の声が対話のように交わり合い、あたかも、そこで会話しているかのような感覚を抱かせてくれます。解散前、いろんな感情はあったにせよ、やっぱりもともと仲良かったんだなと、感じさせてくれますね。この曲でポールはジョンと築き上げた関係性を表現しているのかもしれません。

もしそうであれば、「Two of Us」は、長年にわたって支え合い、互いの音楽的な成長を助け合ってきたことを象徴する楽曲だと言えます。この曲のデュエットハーモニーは、そんな友情と絆を語る重要な要素となっていると思いませんか?

デュエットハーモニーの革新性と音楽的影響

ビートルズのデュエット形式のハーモニーは、単なる音楽的なテクニック以上のものなんじゃないかと、私は思うわけです。彼らのハーモニーは、曲の感情やメッセージを強化し、聴く人々に深い共感と感動を与える力を持っています。また、ジョンとポールの声質の違いが、デュエットに豊かな表情を与えており、それがゆえに、いろんなタイプの楽曲を生み出せているのだと思います。彼らのデュエットハーモニーは、後の多くのアーティストに影響を与え、ロックやポップのハーモニーのスタイルに革新をもたらしました。

ジョンとポールのデュエットハーモニーは、ビートルズの音楽の特徴を象徴する要素であり、ビートルズの代名詞とも言えます。このデュエット形式のハーモニーもまた、今でも多くのリスナーに愛され続ける理由なのかもしれません。技術的な美しさもそうですが、ジョンとポールの人間味や関係性も感じさせる珠玉のハーモニーなのです。

まとめ ビートルズのハーモニーは奥が深い

ビートルズのハーモニースタイルについて、今回は「コールアンドレスポンス」と「デュエット形式」に焦点を当ててきました。これらのスタイルがビートルズの音楽にどのような豊かな表現をもたらしたのか、少しでも感じていただけたでしょうか?

コールアンドレスポンスでは、聞き手を巻き込み一体感を生み出していて、デュエット形式では、リードボーカルとサブボーカルの調和が生み出す豊かなサウンドが美しい!ジョンとポールの重なる歌声が新たな音楽体験を生み出しています。

ビートルズは単に一緒に歌うだけでなく、メンバー同士の声が互いに響き合い、共鳴しながら多彩な物語や感情を伝えます。これが彼らの音楽に普遍的な魅力をもたらし、何十年経った今でも色あせることなく愛され続ける要因のひとつなのかもしれませんね。

また別の機会には、さらに他の二つのハーモニースタイル(三声のハーモニー、リードボーカルのサポートハーモニー)について探っていきます。ビートルズの音楽がどのようにしてその時代の壁を越え、人々の心に響き続けているのか、ぜひお楽しみにしていてください。

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