ビートルズ2023年版「赤盤」「青盤」: 驚きの変化を遂げた名曲3選

ビートルズについて

2023年、最後の新曲「Now And Then」とともに、ビートルズのベストアルバムが2セットリリースされました。通称『赤盤』『青盤』というやつですね。調べてみると、「Now And Then」が収録されているのはもちろんのこと、従来の収録曲よりも曲数が多くなっているようです。2023年、なにかとめでたい年でした。

かく言う私。長くビートルズファンをやっていますが、実は『赤盤』と『青盤』を所有したことがありません。オリジナルアルバムをすべて持っているからです。『赤盤』と『青盤』に収録されている曲はすべてあるので、「べつに買わなくても…」みたいな感じでした。別に不信心ってなわけではないです。

でも、今回は買っちゃいました。だって、収録されている曲の中に、2023年バージョンがちらほらと含まれているから。例えば、「I Am The Walrus(2023年ミックス)」やスペシャルエディション化されていないアルバム『Rubber Soul』以前の楽曲など。ものすごく興味があったからです。

そんなこんなで今回は、新型『赤盤』『青盤』を聞いてみて、その変貌ぶりに驚いた曲を3つ厳選して紹介いたします。本当は3曲以上あるけれど、個人的な事情で3曲です。

リンゴが大活躍!!A Hard Day's Night

ビートルズの初主演映画の主題歌「A Haed Day's Night」は1964年にリリースされた楽曲。当然のことながら世界中で大ヒットを記録したレコードです。作曲者はジョンレノン。基本、作曲者が歌う曲が多い中、サビの部分でボーカルがジョンからポールへスイッチするというビートルズ作品の中でも珍しい楽曲です。

なにげなく、本当になにげなくYouTubeで聴いたのがきっかけでした。2023年バージョンの「A Hard Day's Night」は、始終、ボンゴの音が鳴り響いていました。なんだったら、ギターの音より目立っているじゃないかと思うレベルのポコポコポコポコ…。私の知っている曲じゃない!「A Hard Day's Night」はボンゴの音で大変身を遂げていました!

それからサビの部分のカウベルの音。コンコンコンコン…が、クリアにダイレクトに耳に届いてきます。この曲の真髄は、カウベルにありと豪語していた私にとって、今回のカウベルはど真ん中ストライクです。素晴らしい返信を遂げていました。

ボンゴとカウベル。ともにリンゴスターの仕業。お見事としか言いようがありません。このボンゴとカウベルがきっかけで、私は『赤盤』と『青盤』の購入を決断。そして聴いてびっくりです。他の曲も大変身を遂げていました。


ミュージック・コンクレート I Am The Walrus

「A Hard Day's Night」の大変身も驚きでしたが、それと同じくらい驚いたのがジョンレノン作の「I Am The Walrus」でした。サイケデリック・ロックの到達点とも言えるこの楽曲は、ポールマッカートニー作の「Hello, Goodbye」のB面として1967年にリリースされています。これだけ作風が違う楽曲を同じレコードに収録できるのは古今東西ビートルズだけでしょう。まったく知らない人であれば「同じミュージシャンか」と、レコードのジャケットを見返したに違いありません。

驚きポイントは、シェイクスピアのリア王の朗読の部分。曲の後半あたりから聞こえてくるラジオの音源です。これまでも、この部分は存在感はあったのですが、2023年バージョンにいたっては存在感というレベルを超えるボリュームで迫りきています。「バカでかい」という表現が相応しいかもしれません。それがビートルズの演奏と同時に聞こえてきます。

これによりサイケデリック感は大幅にアップしたように思います。現代音楽に通ずるところがあり、のちに『ホワイトアルバム』で聴かせてくれる「Revolution 9」を彷彿とさせてくれまます。さながらミュージック・コンクレートのよう。サイケデリックを通り越して現代音楽になっています。

それだけではありません。この曲の肝といってもいいオーケストラの部分も鮮明に聞こえるようになっています。確かに、「はて、これはビートルズが意識したことなのだろうか??」と思う瞬間もありますが、それだけ変貌を遂げているということ。私個人的には2023年の「I Am The Walrus」が全Walrus楽曲の中で最高傑作だと思います。


ワイルド感がマシマシ Hey Bulldog

3曲目は2023年のリリースにあたり新しく追加された曲から、「Hey Bulldog」です。余談ですが、今回、『赤盤』で12曲、『青盤』に9曲が新たに追加されています。赤と青を合わせて全75曲の大ボリューム。こうなってくると何がベストで何がベストじゃないのか、よくわからなくなります。

さて、「Hey Bulldog」です。この曲は、1969年にリリースされたアルバム『Yellow Submarine』に収録されている曲です。『Yellow Submarine』はご存知の通り、気合の入っていないアルバムです。その証拠に収録曲の半分が、プロデューサーのジョージマーチンによるオーケストラです。嘘か誠か、メンバー内で、駄作ができたら「『Yellow Submarine』にでも入れとけ」みたいなジョークまであったのだとか。そんな可哀想なアルバムの中に、「Hey Bulldog」はこっそりと収録されていました。

聴けばわかると思いますが名曲です。他のビートルズ楽曲にも引けを取らないほど。たけど、知名度が低かったんです。それは『Yellow Submarine』だけに収録されていたからですね。だからあまり注目されてこなかった不遇の名曲です。

それが今回、どーんと『青盤』に収録の大出世を遂げました。音もバリバリに良くなっています。ピアノはもちろん、ギターもベースも破壊力抜群ですが、特にリンゴのドラムがパワーアップした感じです。ジョンのボーカルもまたいい。歌詞の意味はよくわかりませんが、とにかくすごい凶暴です。そういう意味ではブルドッグ感が出ています。この曲が今まで埋もれていたなんて…。改めてビートルズの懐の深さを感じる1曲になっております。

まとめ 聴けば聴くほど新しい発見がある

今回、3曲にまとめましたが、激変している楽曲は多数あります。『青盤』には、近年のスペシャルエディション時にミックスされた楽曲も含まれていますので、どちらかというと『赤盤』のほうが驚きが大きかったですね。

  • All My Loving
  • In My Life
  • Girl
  • Nowhere Man

例えば、これらの曲が新しくミックスされています。興味を持たないビートルズファンはいませんよね。ぜひ、実際に手に取って聴いてみてください。そこには、2023年のビートルズがいます!

以上、ビートルズ 新型「赤盤」「青盤」で新しく生まれ変わった超有名曲3選!でした。おしまい。

 

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