ジョンレノンのすごさがわかるビートルズの3曲を紹介

ジョンレノン

ポピュラー音楽史上もっとも成功した作曲家は、レノンマッカートニーであることは、もうゆるぎない事実ですよね。ジョンレノンとポールマッカートニー。言葉にするだけで良いことありそうな名コンビです。

レノンマッカートニーの代表曲はたくさんありますが、YesterdayやHey Jude、Let It Beが有名ですね。どうだまいったか!と言わんばかりの名曲です。でも、この3曲って、実際のところ、ポールマッカートニーの作品なんです。

あれ、ジョンレノンは?ジョンは何したの?

  • まるっこいメガネかけてる人でしょ
  • 平和を訴えたあの髪の長い…
  • 日本の人と結婚した人だよね?

生き方がアートなゆえに、彼の行動ばかりに注目されて、作った曲にはあまり注目されていないような気がしませんか?少なくともポールと比較した時にそんな感じがします。

ということで、ここでは、ジョンレノンのすごさがわかるビートルズの曲を厳選して3曲おとどけいたします。そして最後におまけ的に、曲とは関係ないところでのジョンの圧倒的なすごさも紹介いたします。

ジョンレノンってギターリストとしても、作詞家としても、作曲家としてもすごいんですよ。では、まずジョンのギターの腕前がわかるこの曲から。
動画もありますので、こちらもごうぞ クリック!

ジョンのリズムギターを堪能するなら All My Loving

ジョンレノンのギターの腕前を語るときに外せないのがこの曲ですね。All My Lovingです。私のような素人が聞いても、すごい!と分かる腕前。ひたすらに正確に3連符を刻んでいます。

練習すれば誰でもできるんじゃね?

みたいな批判はあるようですが、そういうことではないんです。そんなこと言いだしたら、コンピューターのボタン1つでポン!で人間以上に正確なリズムは刻めます。なんでもOKになります。

  • ボタンの押し方が一味違うね
  • まさかあの体勢からボタンを押すとは
  • ボタンを歯で押してたよ

時代がくだり、こういうことが評価されるときが来るかもしれませんが、今はまだ、そういう時代じゃありませんのでね。「三大ギターリスト」ならぬ「三大ボタン押しリスト」みたいなのもいませんので。話がそれました。

このAll My Lovingのリズムギターには何かこう「魂」が込められている気がします。その「魂」って一体何なんでしょうか。

このAll My Lovingは『With The Beatles』に収録されたポールマッカートニー様の作品です。なんでもジョンはこの曲を作ったポールに嫉妬したとか。「残念ながらポールの曲だよ(笑)」と晩年のインタビューで語っています。そして「バックで思い入れたっぷりにギターを弾いているのが俺」とも語っています。

そんな先入観もあってか、All My Lovingのリズムギターは、「ビートルズのリーダーは俺だ!」主張しているように聞こえちゃうんですよね。「やるなポール、でもまだまだリーダーは譲らないぜぇ~、このギター、ワイルドだろ~」みたいな感じでしょうか。

考えすぎでしょうか。もしかしたら純粋にビートルズの曲としてクオリティを高めようとしていただけかもしれませんが。「ポールくん、僕も手伝うよ。こんなリズムギターどうだろうか?」私の勘や予想は良く外れるので、たぶん後者だと思いますが。

1曲は、そんな「ジョンの魂」を感じるAll My Lovingでした。続いては、ジョンレノンの作詞がすごい曲です。

作詞で新境地を切り開いたStrawberry Fields Forever

作詞家としてもジョンレノンはすごいんです。ソロ作品のImagineなんかを聞いてもらえれば、その能力のすごさは瞭然です。あんなに平易な単語と文章で、あれほどにもほとばしるメッセージを持っている曲ってそうそうありませんよ。作詞家としてもすごいぜジョンレノン!

でも、ここではそんなジョンのもう一つの側面に注目します。ジョンレノンは「私語り」の曲をビートルズ時代からたくさん作っています。「愛だ、恋だ、惚れたぜ、はれたぜ」が主流のポピュラーの作詞の世界にあって、ジョンは突然自分のことを語り始めます。

  • I’m a Loser
  • Help!

代表的なのはこの2曲でしょうか。かなり抽象化して一般化しているので、ちょっと聞いただけではジョンの内省的な歌だとは気づかないのですが、時代を経た今、改めて聞くと、「ジョンって悩んでたんだー」が分かる曲です。

その「私語り」の発展形がStrawberry Fields Foreverです。歌詞は抽象的なもので、いろんな解釈ができ、誰もが共感できる感じになっているのですが、タイトルがそのままズバリ。ジョンが幼いころによく遊んだ孤児院の名前です。

まあ、普通に訳すと「イチゴ畑」なので、これも一般化されていると言えばそうなんですが、ポールのPenny Laneと両A面シングルとしてリリースされている点で、もう確信的でしょう。どうどうと自分のことを歌っています。

これってたぶん作詞の分野における新境地だったんじゃないでしょうか。もしかしたら他のミュージシャンにもいらっしゃるかもしれませんが、ビートルズクラスの影響力をもったバンドでは初なんじゃないかと思っています(調べてませんが)。

こうした新境地の作詞が後のソロ作品アルバム『ジョンの魂』に繋がっていったのかもしれませんね。ということで、2曲目は『ジョンの魂』につながるStrawberry Fields Foreverでした。

やることが極端すぎ!Tomorrow Never Knows

最後の3曲目は、作曲家としてのジョンレノンです。ポールと共に数々の名曲を世に送り出してきたジョンレノン様はやっぱり作曲家としてもすごかった!

A Hard Day's Nightのようなご機嫌なナンバーからGirlのようなしっとりとした曲、I Am The Walrusのようなサイケデリックソング、グルーヴ感満載のI Want You(She’s So Heavy)まで。あえて言わずとも誰もが認める作曲能力ですが、ここで注目したいのはTomorrow Never Knowsです。

逆回転やテープループなど、この曲にはさまざまな語りどころがあります。1つのコードだけで作られているのも良く語られることですが、私はここがすごい!と思っています。凡人ならば、いや凡人じゃなくても普通ならもっと、構成を考えて、いろいろくっつけちゃいますよ。

ジョンレノンって不思議。
ジョンレノンって魅力的。
ジョンレノンってすごい。
でも、何がすごいのかわからない。
でも、なんかすごい…

強引に文章にするとこんな感じでしょうか。こんな作文書いちゃうと怒られますよ。これを音楽でやっちゃうんだから、まあすごい!時代はサイケデリック方面へ流れていて、東洋的な思想がもてはやされていた時代とは言え、まさかこんなお経のような曲を作ってしまうとは…。

やることが極端!

しかも人気絶頂のころにやってしまう大胆さ。ポールマッカートニーとは別口の作曲能力だと思いませんか。ということで、3曲目はTomorrow Never Knowsでした。続いて、曲とはあんまり関係ないところでのジョンレノンのすごさです。

音楽以外もすごいぜジョンレノン!

ユーモアのセンスが抜群

これはジョンだけにかぎったことではなくビートルズのメンバー全員に言えることなんですが、ユーモアのセンスが抜群なんです。有名な記者会見での回答は、そのへんのお笑い芸人よりもオモシロイ!そんな彼らの記者会見をちょっとだけ抜粋します。

(記者)世界中をからかうって気分はどう?
ポール:別に本気でからかっているわけじゃないけど。
ジョージ:ほんの少しだけね。
ジョン:からかわれている気分はどう?

(記者)あなたの服は誰が選ぶんですか?
ジョン:自分で選ぶよ。あなたは?
(記者)夫です。ところで、気の進まないのはどんな話題?
ジョン:あなたの夫の話題。

(記者)アメリカで一番嫌いなものは?
ジョン:お前だよ。

ビートルズを結成した!

当たり前ですが、忘れてはいけないこの出来事。ビートルズを作ったのが、何を隠そうジョンレノンです。この一点をもってして、ジョンレノンのすごさは十分に伝わると思います。

音楽面では数々の革新的な作品を作り、多くのフォロワーを生み出し、その存在感は2020年代にあっても絶大です。そして音楽面だけでなく、文化面・思想面での影響力も計り知れません。

「文化面・思想面」というと堅苦しいですが、要は世界中の人々の「考え方」を変えたわけです。イギリスの王室でさえ茶化してしまうビートルズの姿勢に、「世の中に絶対的な権威をもつものなんてないんだ」と人々は学んだのです。

それからリバプールの観光産業にもビートルズは貢献していますね(詳しくはこちら)。

ポールマッカートニーを発見した!

最後にもっとも重要なことです。音楽業界への貢献を問われた時、ジョンは「ポールマッカートニーを発見したこと」と語っています。

ジョンとポールの出会いは1957年7月6日。その後、ポールはジョンのバンドに加入するわけですが、この時、ジョンはポールを加入させるかどうか迷ったそうです。

  • ポールを加入させるとバンドの力は強くなるけど…
  • リーダーである自分の立場が脅かされるかも…
  • でも、将来的なことを考えると、入れたほうがいいな…
  • よし!

「エルヴィス・プレスリーにちょっと似てるから入れよう!」

ということでポールマッカートニーの加入が決定。伝説のレノンマッカートニーが結成されます。以降の快進撃はここで話すまでもないことですよね。

ありがとうエルヴィス・プレスリー先輩!以上、ジョンレノンのすごさがわかるビートルズの曲を3曲紹介でした。

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