ロックをアートに昇華させた中期ビートルズ
どの時期をキャリアの黄金期とするか…。ビートルズにあっては非常に難しい問題です。初期も良い!中期も良い!後期だって聞きどころ満載!なんでうすが、私の(現段階の)個人的な意見としては、中期ビートルズを黄金期としておきたいです。
だって、大好きなアルバムや曲がたくさんあるんですもん。
A Day in the LifeにI am the Walrus、Strawberry Fields Forever、Hello, Goodbye…。まだまだありますよ。どれこれも最高です。アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』や『Revolver』といった史上最強のアルバムをリリースしたのも時期です。
ということで、逆年表です。
コンサートでの演奏なんてする気なし!レコード芸術を生み出した中期ビートルズ
1967年12月26日 TV映画『マジカルミステリーツアー』が放映
1967年12月8日 EP盤『Magical Mystery Tour』発売
1967年11月24日 16thシングルHello, Goodbye発売
1967年8月27日 マネージャーのブライアンエプスタインが死去
1967年7月7日 『アワ・ワールド』で披露した15thシングルAll You Need Is Love発売
1967年6月25日 世界25ヵ国での衛星同時生中継番組『アワ・ワールド』に出演
1967年6月1日 8thアルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』発売
1967年2月17日 14th両A面シングルStrawberry Fields Forever/Penny Lane発売
1966年11月 ジョンがオノヨーコに出会う
1966年8月29日 アメリカのキャンドルスティックパークを最後にコンサートをやめる
1966年8月5日 13th両A面シングルYellow Submarine/Eleanor Rigby発売
同日 7thアルバム『Revlover』発売
中期ビートルズの作品は、ライブでの演奏が不可能ものがほとんどです。実際にこの時期になるとコンサートはもうやっていません。それもそのはず、1966年の8月29日をキャンドルスティックパークでの演奏を最後にビートルズはコンサートの一切をやめてしまいます。
理由は、観客がうるさいから。
!?
レコーディングに専念したいという思いもあったのだと思います。ビートルズは表現の場を、コンサート会場からレコードに変え、創作活動に専念するようになり、そこで生み出されたのが、アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』でした。
この作品、ロックをアートに高めた作品として超重要です。それまでビートルズに見向きもしなかった世代や層からも高く評価されている作品であり、世間のいわゆるビートルズを見る目を変えたのもこの作品だと思います。
コンサート活動をやめたのは観客がうるさかったから?
もう人前でニコニコと振る舞うのが面倒くさくなったのでしょう。1960年代の半ばくらいになると、ビートルズの人気は巨大化して、誰も制御できなくなっていました。
1966年7月29日 ジョンのキリスト教に関する発言がアメリカで話題になる
1966年6月30日 来日公演
1966年6月10日 12thシングルPaperback Writer発売
1966年1月21日 ジョージがパティ・ボイドと結婚
1965年12月3日 11th両A面シングルWe Can Work It Out/Day Tripper発売
同日 6thアルバム『Rubber Soul』発売
どこに行ってもファンに囲まれ、コンサートで演奏しようもんなら、その音はファンの悲鳴にかき消されてしまいます。ただ叫ぶだけで音楽なんて誰も聞いていない…。
マスコミも過激になってきており、ほんの些細な発言の揚げ足をとり、大々的に報じたりします。ジョンのキリスト教に関する発言なんてその最たるものでしょう。
おりしもアルバム『Rubber Soul』の制作で、レコーディング技術を駆使した創作活動に目覚めたビートルズにとって、もうコンサートはどうでもいいものになったのだと思います。それから約9か月後にコンサート活動をやめてしまいます。
と、ざくっと中期ビートルズを逆から見てきました。次は初期ビートルズへ逆戻りです。過激なまでの人気を得るまでをご紹介します。
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