ビートルズを聞くな!!名曲をきくことができない国々

ビートルズについて

令和元年の秋。映画『イエスタディ』が公開されましたね。さっそく見に行きました。面白かった!

この映画ではビートルズ(The Beatles)のこと誰も知らない世界が描かれています。当然、ビートルズの曲も誰も知らないわけで…、なんて寂しい世界なんでしょう。

だけど世界にはビートルズを聞くことができなかった国が本当に存在していました。今回は、そんな国々をさらりと紹介いたします。

政治?宗教?色々あるんでしょうけどビートルズが聞けないなんてね、考えただけでもぞっとします。

YouTubeもやっています!ぜひ見てください!

ということでまずはこの国から。

ビートルズのBack in the U.S.S.R.で歌われたソビエト連邦共和国

1国目はソビエト連保共和国です。こちらは有名ですね。ビートルズ禁止だったのは、東西冷戦のため。1960年代当時のソ連は西側諸国の大衆音楽を禁じており、その代表格たるビートルズの歌もいわゆる"敵性音楽"扱いでした。

"敵性音楽"扱いは1980年代の終わりまで続きます。罪もない国民が国の思想に巻き込まれた悲惨な例だと思います。

ソ連の人たちもビートルズを聞きたかったはず!と思っていたら、実際にそうだったようで、海賊版を通して多くの人は聞いていたとのこと。その中にはあのウラジミール・プーチンもセルゲイ・イワノフもいたようです。

その時のコンサートの様子を収録したDVDもあるので興味ある方はぜひ。"本場"で聞く、Back in the U.S.S.R.は興奮しますよ!

クレムリンにてポールがプーチン大統領と対面するシーンも収録(新品じゃないのでご注意を!)
10万人が集ったモスクワの赤の広場と、サンクト・ぺテルブルグでの公演を収録した貴重な作品。ビートルズ時代の楽曲が中心で、名曲が盛りだくさん。「Oricon」データベースより

 

共産主義の国々はビートルズを禁止

ソ連を盟主とする共産主義国家や社会主義国家の多くはビートルズを禁止していました。有名どころでは、チェコスロバキア社会主義共和国やキューバ共和国、そして中華人民共和国です。

例えば、チェコスロバキア社会主義共和国。

東欧の共産主義国家なので、ソ連と同様、ビートルズは"敵性音楽"扱いです。ただ、敵性だと思っていたのは国家の側だけ。

1968年の民主化運動「プラハの春」の際に、広く民衆から支持されたのがビートルズのHey Jude。チェコスロバキアの国民的歌手マルタ・クビショバがチェコ語でカバーしたのをきっかけに人々の間に広がっていったそうです。

結局この運動はソ連率いるワルシャワ条約機構軍によって制圧されてしまいますが、以降ビートルズは民主化の象徴として扱われるようになります。

チェコには"ジョンレノンの壁"と呼ばれる場所もあります。チェコの人々は自由と平和の願いを込めて、この壁にペイントを施しています。

今では、共産主義や社会主義国家であってもだいぶ”敵性”感が薄れてきていて、多くの国で聞けるようになっています。中国でもビートルズはOK。Revolutionを聞くことも問題なしです。

ビートルズをラジオで流すのは禁止!南アフリカ共和国

南アフリカでは、ビートルズの曲をラジオで流すのを禁止したことがあります。「ビートルズはキリストより人気がある」的なことを発言した、いわゆるジョンレノンの"キリスト発言"に端を発する措置です。宗教的な問題ですね。

ジョンのキリスト発言について、宗教心の低い私にはあまりピンとこないのですが、信仰している人々にとっては過激な発言だったのでしょう。

自由の国、アメリカでもバイブルベルトとよばれる地域ではビートルズ排斥運動がありました。そんな感じのことを南アフリカは国としてやっていたようです。

この件だけに限らず、ビートルズと南アフリカは少なからず因縁があります。当時アパルトヘイト(人種隔離政策)を実施していた南アフリカ。対してビートルズは「南アフリカでは絶対に演奏しない」と断言していました。

なので、ラジオでの放送禁止措置なんてものは、ビートルズにとってどうでも良いことだったのかもしれませんね。

最後に国による禁止とは違いますが、ジョンのキリスト発言についてものすごく怒っていた大きな組織について…

カトリックの総本山 バチカンも激怒させたジョンレノン

1966年のキリスト発言は思いもよらない事態も引き起こします。あのカトリックの総本山のバチカンもジョンの発言を非難する声明をだしたのです。

キリスト教圏に生きる人々にとって、これはかなりの事態だと思います。強引に日本の仏教に当てはめると、千日回峰行を終えた阿闍梨に直接怒られているようなもんです。

この問題、キリスト発言から42年経過した2008年にようやく"許される"ことになります。「若者(ジョンレノン)の戯言と捉える」といった趣旨の記事がヴァチカンの公式見解を伝えるオッセルバトーレ・ロマーノ紙に掲載されたのです。

なぜ今頃??2008年当時、私はそう思った記憶があります。

当時ヴァチカンもいろいろと問題を抱えていたことが報じられていましたので、そこから目をそらすためじゃないかとか言われていましたが、真意はわかりません。

たぶん、2008年はアルバム『ザ・ビートルズ』リリース40周年だから許したんでしょう。

と言うことで、ビートルズを禁止していた国々とその仲間たちでした。探せばもっとあるかもしれませんが、このあたりで。

人気者は時として意図せず多くの人に憎まれることもあります。怖いですねー。

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