ビートルズには、イギリスで公式にリリースされたオリジナルアルバムが12枚あります。そこにアメリカのキャピトル編集版の『マジカルミステリーツアー』を加えて13枚とするのが一般的です。
『ビートルズ1』や赤盤・青盤のようなベスト盤もありますが、ビートルズをより理解するにはオリジナルアルバムを聞くのが一番です。
基本的にはどのアルバムから聞いてもいいのですが、聞く順番によっては、ビートルズへの理解を深めるうえで遠回りをしてしまう可能性があるので注意が必要です。例えば、ビートルズの知識ゼロであの横断歩道のアルバムに挑むのは無謀です。
逆に聞く順番を間違えなければ、理解を深める近道になります。ここでは、ビートルズについて「詳しくないけど、ちょっと知っているよ」という人に向けて、押さえておくべき2枚のアルバムを紹介いたします。ぜひ、参考にしてみてください。
アルバムのジャケットがおしゃれ!見たことある!で聞くのは禁物
ビートルズには有名なジャケットアルバムがいくつかあります。ビートルズのことをあまりよく知らない人であっても…
- 横断歩道のジャケットのアルバム
- やけにカラフルで人がいっぱい立ってるジャケットアルバム
くらいは、見かけたことはあるのではないでしょうか。前者が『アビーロード』で後者が『サージェントペッパーズロンリーハーツクラブバンド』です。
ともにビートルズの代表作ですが、初期のビートルズをイメージしている人にとっては、頭の中で?が連続出現するような作品です。最終的には、これらアルバムを聞いて「美しいねぇ」などと感想が言えるようになることを目指してほしいのですが、まずは別のアルバムから聞くのをおすすめします。
ビートルズの凝りに凝ったサウンドが味わえる2枚のアルバム
「ベスト盤の『ビートルズ1』を聞いたことがあるから、ある程度は知っているつもり」という人は、ここで取り上げるアルバムをぜひ聞いてみてください。
こんなビートルズもあるんだ!と思っていただけると思います。
ポイントは2点。
- 1960年代の到来したサイケデリックムーブメントを感じる
- サウンドで表現されたサイケデリックを感じる
『リボルバー』(1960年代サイケデリックムーブメントの幕開けを感じる)
1枚目は中期のアルバム『リボルバー』です。
ビートルズ7枚目のアルバム。
1966年リリースだよ。
おすすめの理由は3つあります。
- "プチ" サイケデリックサウンドな曲がある
- サイケデリックサウンドにどっぷりな曲がある
- ポールマッカートニーのバラードが美しい
まずは1点目から。ビートルズはこの『リボルバー』を皮切りにサイケデリックな方向に向かっていきます。その過程が見えるのもこのアルバムです。このアルバムの先行してリリースされたPaperback WriterのB面Rainで聞かせてくれた"プチ" サイケデリックサウンドをこのアルバムでは聞くことができます。
- I'm Only Sleeping
- She Said She Said
この2曲を聞いてみてください。えもいわれぬサウンドです。特にI'm Only Sleepingの逆回転奏法は聞きどころの一つです。
2点目。Tomorrow Never Knowsです。今までに聞いたことのない曲です。極彩色な感じはないですが、どっぷりサイケ。ワンコードで淡々と演奏されています。お経のような曲なのですが、ポップ。お経でいてポップな名曲です。
3点目。「サイケデリック?何がいいのか、ようわかりません」という人は、ポールの作品を聞いてください。あまく美しいバラードが堪能できますよ。
- Here, There and Everywhere
- For No One
特に、For No OneなんてYesterdayレベルの名曲だと思います。
この『リボルバー』は、サイケデリックなアルバムだけど安定のバラードも収録されています。ビートルズをもっと知りたい人にはうってつけのアルバムなのです。
アメリカ編集版『マジカルミステリーツアー』 ほぼベストみたいな作品
本来『マジカルミステリーツアー』はビートルズ主演の同名テレビ映画用に作られたEP盤なのですが、現在では7曲目以降にHello Goodbyeなどのシングルを加えたアメリカ編集版が一般的になっています。ここでもアメリカ編集版を取り上げます。
曲目を見てもえばわかるのですが、ベストアルバム並みの収録曲です。ほぼベストと言ってもいいでしょう。したがって青盤でだいたい聞けます。ただ、オリジナルにこだわりたい人はやはり外すことができないアルバムです。
01.Magical Mystery Tour 02.The Fool on the Hill 03.Flying 04.Blue Jay Way 05.Your Mother Should Know 06.I Am the Walrus 07.Hello Goodbye 08.Strawberry Fields Forever 09.Penny Lane 10.Baby You're a Rich Man 11.All You Need Is Love
制作された時期は、『サージェントペッパーズロンリーハーツクラブバンド』の余韻が残る1967年後半です。サイケデリックな感じがまだ色濃く残っています。シングル盤としてリリースされた後半の楽曲はさておき、6曲目までの前半部分で敢えて聞きどころをあげるとすると…
- Magical Mystery Tour
- Your Mother Should Know
- I Am the Walrus
私なら、この3曲をチョイスします。まずはMagical Mystery Tour。よ~く聞いてみてください。オリジナルよりもブートのAcetateで聞くほうがわかりやすいのですが、ポールマッカートニーのベースがうなっています。しびれますよ。
Your Mother Should Knowはメロディが素敵、そしてコーラスも美しい。テレビ映画『マジカルミステリーツアー』ではビートルズ4人がそろって踊っているシーンが観れます。ビートルズのダンスはおそらくこれが唯一だと思います。
I Am The Walrusは史上最高のサイケデリックソングと言っても過言ではないでしょう。サウンド、歌詞、そしてサビの鳴き声(?)まで、何か何までシュールです。
Goo Goo GJoob!
これらの曲に加えて、ビートルズ珠玉のシングル盤も収録されています。お得以外に何者でもない作品です。
どっぷりとビートルズ流のサイケデリックサウンドを味わうべし
ビートルズをもっと知りたい人、初心者を卒業したい人が押さえておくべきアルバム2枚を紹介してきました。
- 『リボルバー』
- 『マジカルミステリーツアー』(アメリカ編集版)
両アルバムともに、1960年代半ばのサイケデリックムーブメントの影響を受けている作品です。2枚とも聞きごたえ十分なアルバムです。
サイケデリックムーブメント? は? それ何?
と思った人も、肩の力を抜いて聞いてみてください。はじめのうちは???みたいな感じになるかもしれませんが、だんだんと慣れてくるとこのサウンドが病みつきになります。スルメみたいなもんです。慣れてきてから『サージェント~』に挑戦してみてください。
興味があれば、こちらのページもどうぞ。最初に聞くべきアルバムを紹介しています。
この記事がビートルズに興味を持つ足掛かりとなれば幸いです。
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