リンゴスターのすごさがわかるビートルズの3曲を紹介

ビートルズの曲

ポピュラー音楽史上、最も偉大な作曲家はもうレノンマッカートニーで間違いないでしょう。ジョンレノン、ポールマッカートニー。単独でも他のミュージシャンの追随を許さない存在なのに、そんな二人がタッグを組むなんて、反則です。チートです。

そしてこのチートバンドには、第三のコンポーザーもいました。ジョージハリスンです。後期ビートルズのジョージはキレッキレ。レノンマッカートニーを凌ぐほどの名曲を書いています。そんな3人がいるバンドはやっぱり反則ですね。

そしてビートルズにはもうひとり反則的な人物がいます。ビートルズの愉快なドラマー、我らがリンゴスターです。

  • ん…?リンゴってすごいの?
  • 曲つくってないよね?
  • と言うか、歌ってる?
  • ビートルズの中で2番目にドラムが上手いってホント?

リンゴに対する評価は昔に比べると高くなっていますが、一昔前のリンゴに対する評価は、あんまりよくありませんでした。なぜなんでしょう?

「ポールの次にドラムが上手い」

みたいなジョークもあるようなので、ドラムプレイに問題あり?なのでしょうか。楽器に詳しくない私にはいまいちピンときません。いや、ピンとこないどころか、違和感すら覚えています。あのビートルズのほとんどの楽曲でドラムを演奏していた男ですよ。ドラムプレイに問題があるってことは、さすがにそんなことはないでしょう。

ということで、今回はドラムプレイを含む、リンゴのすごいところが分かるビートルズの3曲を紹介いたします。リンゴがいかにビートルズに欠かせない存在だったのかをお伝えできればと思います(動画もありますので、よければ見てください!こちら

まずは、世にも珍しいこの曲からです。

唯一のLennon-McCartney-Starkeyクレジット What Goes On

まず1曲目に紹介するのは、世にも珍しい曲 What Goes On です。何が珍しいって、クレジットがレノンマッカートニー・スターキー(Lennon-McCartney-Starkey)であることです。リンゴスター本人も来日公演時に、「我々の惑星で唯一」だとおっしゃっておりました。

この曲は、1965年にリリースされたビートルズの6作目のオリジナルアルバム『Rubber Soul』に収録されています。「作曲が苦手」と公言してはばからなかったリンゴの記念すべき作曲家デビュー作ですね。ロッケンロー!!というよりもカントリー風のリンゴ好みの曲になっています。

作曲の経緯は、けっこう詳細に語られていて、もともとの原曲はジョンが1963年ごろに作っていたそうです。長い間封印されていたのですが、『Rubber Soul』セッション時になって、ようやく陽の目を見た作品。1963年に作られた原曲をもとにミドルの部分をポールが書き加えて完成したようです。

あれ?リンゴは?

この曲に関してリンゴは興味深い発言をしています。「5個ぐらいの言葉を考えた。俺がやったのはそれだけ。」

!?

5個の言葉の貢献度は大きいのか、小さいのか。現場にいなければわからないのですが、とにかくリンゴはこの5個の言葉を考えたことで、レノンマッカートニー・スターキーのクレジットになったわけです。

何なんでしょうか。このジョンとポールの器の大きさ。リンゴに対してやたらと寛容です。ジョンもポールもリンゴのことが好きだったんでしょうね。普通なら図々しいと思われますよ。でも、リンゴだからいいんです。音楽界のド級の天才二人に愛されるリンゴは、やっぱりすごい!と言わざるを得ませんよね。

続いては、リンゴの本業・ドラムに焦点をあてます。

今にも爆発しそうな A Day in the Life

自身のドラムプレイに謙虚なリンゴ。リンゴのドラマーとして考え方は明確でした。「ドラムソロを聞くためにレコードを買う奴なんていないからね。」といった発言もしており、ドラムは主役ではないと考えていたふしがあります。そんなドラムへのスタンスからか、リンゴのドラムの腕前は過小に評価されてきたような気がします。

最近ではあまり見かけなくなりましたが、ひと昔前(10年くらい前までかな)はリンゴのドラマーとしての腕前はそれほど評価されていませんでした。何なら下手みたいな感じで語られることもあり、素直な私なんてそれを信じていました。

だから、Ticket to Rideのあのハードなドラミングを聞いてもなんとも思っていませんでした。当時の書籍などの言説に操作されるがままだったのでしょう。「リンゴ、ドラム、下手!」は数学の公式的な感じでした。洗脳が解けたのは、Rainのドラムのすごさに気づいたあたりでしょうか。

あれ?下手なの?

ふと、思ったんですね。そして冷静に考えてみると、音楽に無知な私にドラムプレイの良し悪しなんて分かるわけがないことに気づいたんです。そんな前段があり、ようやく洗脳が解けた耳で『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』に挑み、収録されているGood Morning Good Morning聞いたわけです。

ドラミングにしびれましたね。

そして、A Day In The Life です。ポールのボーカル部分が終わり、ジョンのパートに戻った I read the news today, oh boy~の箇所のリンゴのドラムったら最高なんです。なんと表現していいのか難しいのですが、今にも爆発しそうな感じを上手く表現してくれています。

分かってくれる人いますかね。針でちょっと突けば爆発しそうな感じです。分かんないですよね。ビートルズの公式YouTubeで聞いてみてください。

ドラムが上手いか下手かなんてわからないのですが、リンゴのドラムは聞いていてゾクゾクするってことは確かです。ということで、やっぱりリンゴはドラムもすごい!次は、リンゴの人間性に迫ります。

みんなと仲良し With A Little Help From My Friends

3曲目は、アルバム『Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band』に収録されているWith A Little Help From My Friendsです。作曲したのはポールで、ボーカルがリンゴの曲。いわゆるYellow Submarineタッグと私が呼んでいる構成です。

この曲、コール&レスポンス形式になっていて、そこがなんと言いますか、微笑ましい。リンゴのボーカルにジョン&ポールがコーラスで応えているのですが、曲の2番なんて、ほとんどジョンとポールが歌っています。勝手な思い込みかもしれませんが、リンゴの楽曲には他のメンバー3人がこぞって協力している気がしませんか。

リンゴの人徳なのでしょうが、これもまたリンゴのすごいところです。

『Abbey Road』収録のOctopus’s Gardenもそうですね。”これで最後”とビートルズが腹をくくって作った『Abbey Road』の収録曲の中で、唯一ほっとできる楽曲(私だけ?)で、バッキングボーカルやギターの音色にメンバーのリンゴ愛を感じることができます。

Octopus’s Gardenの作詞作曲はリンゴスターとなっていますが、噂では、作曲にはリンゴ以上にジョージハリスンの貢献が大きかったとか。それでもクレジットはリンゴの単独表記です。そうです。ジョン&ポールだけでなく、ジョージもリンゴのことが好きだったんですね。ビートルズが解散して、ソロになった時も、リンゴだけはそれぞれのメンバーと交流を持っていたことからもそれはわかりますね。

ジョンレノン、ポールマッカートニー、ジョージハリスンといった音楽界の巨人に愛されたリンゴは、やっぱりスゴイのです。他にそんな人いませんからね。

ユーモアのセンスもすごいぜリンゴスター

リンゴのすごいところをビートルズの曲にからめて紹介してきました。さすがリンゴスターです。多くの人々を魅了する楽曲ばかりでしたね。やっぱりリンゴスターもすごいのです。そして、リンゴにはユーモアのセンスもあります。ジョンのような皮肉屋でもなく、ジョージともちょっと違ったユーモアのセンスです。

記者:幸せって卵のカタチをしているって本当?

リンゴ:料理の仕方によるよ。

以上、リンゴスターのすごさがわかるビートルズの3曲を紹介でした。おしまい。この記者は、どういう意図があってこんな質問をしたのだろう…。

全オリジナルアルバムの聞きどころを紹介。ちょっとしたアルバムガイドになっていると思います。参考にしてみてください。 詳しくはこちらから

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