後期ビートルズのサビ始まりのシングルは7曲中1曲!
Lady Madonna
ビートルズ後期のシングル盤はこの曲から始まりです。オールドなロックンロールを感じさせるLady Madonnaはポールの作品。みごとにサビ始まりの曲です。ピアノとブラス・セクションが印象的ですね。サイケデリック路線にかたよりかけていたビートルズですが、ここにきてロックンロールを放り込んできました。
Hey Jude
大作の登場です。冒頭のHey Judeは超有名ですね。ビートルズ最大のヒット曲、このHey Judeはポール作の作品です。この曲についてはいろいろと語りたいことがたくさんあるのですが、まずはサビ始まりじゃないことを述べておきます。
この曲の何がすごいって、とても長いところです。1960年代当時、曲の長さが3分を超えたら長いなと言われていた時代に、倍以上の7分越えです。しかも普通に長いんじゃなくて、エンディングがものすごく長い。ポールはいったいこの曲で何回「NA」を連呼しているのでしょうか。そんなことも気になる名作です(「NA」の回数を数えました。気になる方はこちらからどうぞ)。
Get Back
続いては、ポール作のハードなロックナンバー、Get Backです。ご存知の通り、サビ始まりではございません。Get Backと言えば、伝説のルーフトップコンサートです。そこで演奏されたGet Backはかなりしびれます。『The Beatles Anthology 3』でその伝説の音を聞くことができるので、ぜひ聞いてみてください。
この曲はもともとプロテストソングとして制作を試みられたそうです。タイトルもGet BackではなくNo Pakistanisだったようです。タイトルだけでもなんとなくハードな感じです。
当時、パキスタンからの難民問題を抱えていたイギリス。そこはかとなく漂う排除に向けた空気に対して、逆説的な歌詞でNOを訴えようとしたらしいのですが、誤解を招く可能性があるとのことで、今のタイトルに落ち着いたようです(詳しくはこちら)。
The Ballad of John and Yoko
この曲は邦題が付いています。その名も"ジョンとヨーコのバラード"です。間違いなくジョンによる作品です。そして完全にジョンとヨーコの結婚後のこと、新婚旅行のこと、平和のためのベッドインのことなどが歌われています。
この曲のレコーディングに参加しているのは、ジョンとポールだけというのがなんともオモシロイですよね。ドラムを叩くポールにジョンが「もう少しテンポをあげてくれ、リンゴ」と言うと「OK、ジョージ」とポール。ナイスなやりとりです。
ちなみにジョージハリスンは「『ジョンとジョージとヨーコのバラード』だったらレコーディングに参加していたかも」と謎の名言を残しています。
忘れてましたが、サビ始まりじゃない曲です。
Something/Come Together
次は両A面のSomething/Come Togetherです。まずはSomethingから。言わずと知れたジョージハリスの名曲ですね。でもサビ始まりじゃございません。というか、どこがサビなのか分からないです。1曲まるまるサビなんじゃないかというくらい聞かせどころが満載です。ジョージ初のA面シングルSomethingはサビ始まりじゃございませんでした。
Come Togetherです。ジョンによるナンセンスな歌詞が魅力的なロックな名曲です。Shoot me!から始まるこの曲もサビ始まりじゃないようです。この曲を初めて聞いたときのことを鮮明に覚えています。感想は「わけわからん」でした。でも、今となってはこの「わけわからん」が「たまらん」わけです。クセになる名曲です。
Let It Be
ビートルズ、現役時代最後のシングルは、もう誰もが知っている名曲Let It Beです。あの印象的なピアノのイントロ、荘厳な感じのするポールのボーカル、そしてなによりも美しいメロディ。ビートルズの楽曲の中でも随一の美しさを誇る名曲です。
そんな名曲にひとつ物申すことがあるとすれば、サビ始まりじゃないということです。それにしても、こんな美しい名曲がラストシングルなんですから、ビートルズの懐の深さはすごいですね。
と、いうことでここまでが後期ビートルズのシングル盤でした。サビ始まりの曲は、Lady Madonnaの1曲のみでした。それではまとめです。
まとめ ビートルズのサビ始まりのシングルは6曲のみ!
ビートルズのシングル盤を初期から後期までいっきに見てきました。両A面シングルを2曲とカウントすると全部で26曲です。うちサビ始まりの曲は以下のとおり。
- She Loves You
- Can’t Buy Me Love
- Paperback Writer
- Eleanor Rigby
- Strawberry Fields Forever
- Lady Madonna
6曲です。これを率にしてみると約23%でした。これを多いと捉えるのか、少ないと捉えるのは、分かりませんが、確かなことはポールによる楽曲が4曲あるということです。
改めてビートルズのシングルを聞いてみると、サビ始まりじゃないけど、イントロに工夫が凝らされている曲が非常に多いことに気づきました。そして、ビートルズの曲って、サビ以外の部分もかなり良い!ということも再認識しました。当たり前ですね。
なので、サビ始まりが多いから成功したというのは、間違いではないと思いますが、私的には、「サビも、サビ以外の部分も聞かせどころになっているから成功した!」が正しいんじゃないかと思います。以上、おわり。
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もう少しビートルズを詳しく知りたい方は、歴史を押さえておきましょう。10分で分かるバージョンを用意しております。そして、忘れちゃいけない名曲ぞろいのシングルの歴史もあります。
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